事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

WHY IRAQ?

2008-01-26 | 情宣「さかた」裏版

Gulfwar クミアイ情宣シリーズ。アメリカのイラク攻撃へ思いきり皮肉をかましてみました。発行は2003年1月21日。

百年後の歴史の教科書を想像してみよう。
 その頃から観れば、百年前の世界がよくも悪しくもアメリカを中心に回っていることが語られていることだろう。ひょっとしたらパクス・アメリカーナ(アメリカによる平和)の時代、と評価されて、ブッシュ親子はオヤジの方が大ブッシュ、息子の方が小ブッシュ、と呼ばれているかもしれない(まさか)。

 未来の中高生は必死で年号をおぼえる。
「えーとお、湾岸戦争は1991年でぇ、同時多発テロとアフガニスタン空爆が2001年かぁ……あれ?アフガニスタンは前にもソ連とかいう国に侵攻されてなかったっけか。大変だねこりゃ。」
 その教科書には確実に世界貿易センタービルの例のシーンが載ることだろう。湾岸戦争は油まみれの水鳥で決まり。
「おっと2003年にはアメリカを中心にした多国籍軍がイラクに侵攻か。ん?なんでイラクなんだろう。あ、そうか。湾岸戦争は実は続いてて、親父の始めた戦争を息子が引き継いだってことかな。」
違うぞ、少年。それはアメリカの“気分”であって世界の“歴史”じゃない。

 2001年9月。アフガニスタンにおいてユニセフと現地ボランティアの手によってポリオの接種が行われた。そして11月6日から3日間の予定で2回目の接種が行われようとした。これをやらないと1回目の分が無効になってしまう。このプロジェクトを、アメリカは妨害した。空爆の継続を優先させるアメリカは、再三の停戦要求をはねつけたのだ。ワクチン停戦を、という要求を。そのため、現地スタッフたちは戦火の中をみずからの危険も省みず接種を実行せざるをえなかった……

 戦争とは非情なものだ、という理屈で過剰な感傷をせせら笑う人もいるかもしれない。でも、マスメディアが発達し、その残虐性が瞬時に世界に広がってしまう現代においては、戦争にはその完遂のための【大義】がなによりも必要なはず。
 ブッシュに問う。アメリカに問う。いったいなぜイラクなんだ。

 昨年、多くの反対と敵失のために成立させられなかった有事法案を、小泉内閣は今国会でしゃにむに成立させようとしています。
この法案を成立させようとする勢力は、実は何をめざしているのか。
その陰にいるアメリカの腹は。
イラク、北朝鮮への攻撃はどうなるのか。
昨年(2002年)12月に行われた平和センター主催「有事法制を考える酒田地区平和講演会」の浅井基文氏の講演をもとに、次回からちょっとハードに考えてみます。

※虚しくなるけれど、9.11のブッシュの発言をもう一度思い起こしてみよう。
「これは人類と自由全体に対する攻撃だ」
こら。

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ワンダフルライフ('98)是枝裕和監督 ARATA主演

2008-01-26 | 邦画

Wonderful_life 社会科のお勉強をしよう。

Q. 日本における仏教の、それぞれの宗派の開祖は誰でしょうか?(答は最後に)

1.曹洞宗

2.浄土宗

3.浄土真宗

4.日蓮宗

5.日蓮正宗

答まるわかりの問題もあって恐縮。各宗派とも、数千の寺をかかえ、数百万人の信徒を誇っている(ことになっている)。どうしていきなり仏教の話になったかというと……

……3週連続、週末はお泊まり。今回は妻のお父さんの17回忌の法要。16年前の勤労感謝の日にわたしたちは結婚したのだが、それから1ヶ月もしないうちに義父は亡くなってしまったのである。女所帯である妻の実家では、そのために娘婿であるわたしが法事の前面に立たざるをえなかった。

妻の実家は浄土真宗の檀家。わたしは曹洞宗(ナムタラタンノートラヤーヤー)の理屈しか知らなかったので、その違いには16年前の葬儀のときから驚かされっぱなしだった。まず、仏壇にお水をあげないし、線香は折るわ木魚はないわ……。庶民派の宗教を名のるだけに、お布施もリーズナブルだったのはうれしい。聞いてるか禅宗の坊主ども。

さて、その庶民派浄土真宗のお坊さんの接待もわたしの係。これがしかし若いお坊さんなのである。
「あの、ぶっちゃけた話、おいくつなんですか?」接待もへったくれもあったもんじゃない。
「33です。」まるで20代に見えるのだが。
彼は剃髪もしていないし、お酒ももちろん飲む。
「ご結婚は?」坊さんの身上調査をしてどうしようというのだオレは。
「いえ、まだ(笑)」

Wonderfullife 彼の話によれば、坊主で初めて妻帯したのは浄土真宗の開祖である親鸞。おそらくは革命児でもあったのだろう。その後、この宗派を爆発的に普及させたのがこれまたパンクである蓮如なのだという。蓮如関係の著書もある五木寛之人気もあって、浄土真宗が開催する講演会は大盛況だそうだ。
「確か三国連太郎もそちらでしたよね」
「そうですそうです。」

彼が所属する浄土真宗大谷派(東本願寺系ね)には、大谷大学の他に、彼が卒業した坊さん養成所のような全寮制の専門学校もあり、裏話(「刺青のある人も入ってたし、女性もいて、もててました。」)には笑わせてもらった。

 そしてこの宗派の特徴の一つが、読経の後に行われる法話。はるかに年下の人間から説教されるのも照れくさいが、今回のお話はよかった。法事とは、死んだ人間を供養するだけでなく、「死者の、生者にたいする祈りをうけとめる場」なのだと。

Heavencanwait 「ワンダフル・ライフ」は、死者が天国に行く前に、人生の中でいちばん大切な思い出を選択し、その思い出の中で暮らしていくことを手助けする天使たちのお話。選択できなかった人間こそが、職員(天使)として死者の相手をしていく経過が描かれるファンタジー。

一般の人たちが由利徹や内藤武敏といった芸達者にまぎれて思い出を語り、そしてこれがかなりいい。ドキュメンタリー出身の是枝裕和監督の本領発揮。「天国から来たチャンピオン」(ウォーレン・ベィティ)や「天国は待ってくれる」(小熊文彦著 早川書房刊……原題はどちらもHeaven Can Wait)のように、このジャンルには秀作が多い。そちらもぜひ。死者の、祈りがきこえてくるようだ。

Ans.1.道元 2.法然 3.親鸞 4.日蓮 5.同じく(ここに昔創価学会がいたわけ。だから日本最大の宗派だった)

コメント (3)
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ルパン三世/カリオストロの城

2008-01-26 | アニメ・コミック・ゲーム

Lupin01 2003年に、地元のシネコンが何を血迷ったかこの名作を上映してくれたことに感謝……

ルパン三世・カリオストロの城 THE CASTLE OF CAGLIOSTRO / LUPIN THE 3RD
カリオストロ公国。一見ただのヨーロッパの小国であるその国では、ニセ札製造造りの噂が絶えなかった。その昔、謎を暴こうと忍び込み、見事に失敗したルパンだったが、ある日、偶然から公爵の娘クラリスを助けたことから、再びカリオストロの陰謀に巻き込まれて行く……。

1979/宮崎駿監督作品

次元「どっちにつく?」

ルパン「オンナぁ!」

次元「だろうな(笑)」

完璧な娯楽映画があるとすればこれ。二十数年前に劇場で観て以来、繰り返しブラウン管で再見してきたわけだけれど、なんと効率優先の地元のシネコンが特別上映してくれたので、息子と娘といっしょに再体験。

息子はマトリックスに固執していたが、大画面で「カリオストロの城」を観るなんてもう一生できるはずがない。強引に引っ張っていく。まあ、子どもを連れてこの映画を観ることが映画ファンとしての夢だったわけだから、大願成就だ。日曜日なのに観客は意外に少なく、家族連れが数組と、あとはいかにもなオタクたち。クラリス組とでもいうか。写真料は安いだろうから、これでもペイするかもしれないし、こんな取り組みはもっと続けてほしい。えらいぞ三川イオンシネマ

残念ながら大画面だとアラも目立つし、ドルビーなどに慣れた耳にはサウンドはしょぼく聞こえる。しかし、冒頭のカーチェイスや城壁を駆け下りる躍動感はそれを補ってあまりある。まもなく上映は終わってしまう。庄内の読者は今すぐ劇場に走れっ!

※もう三十年近く前の作品なのかと今さらに気が遠くなる。近年、映画の何が進化したかと考えればやはりオーディオか。ドルビーやSDDSに比べれば、やはりカリオストロのサウンドは“モノクロ”(モノラルってことじゃなくて)に感じられる。DVDの方はどうなっているのかな?

酒田港座上映バージョンはこちらです。

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AIKI('02 日活)

2008-01-26 | 邦画

Aiki 芦原太一は、ボクシングに打ち込む21才。努力が報われようとしていたそのとき、オートバイ事故で下半身麻痺となり、つかみかけた夢を失う。一時は自殺まで考えた太一だったが、ギャンブラー兼巫女(&処女)という不思議な女性サマ子との出会いによって、次第に明るさを取り戻していく。そんなとき、彼にとって最大の転機となるAIKI=合気柔術との出会いが、太一の人生に、別の夢を与えることとなる……

この映画にのれるかのれないかの分岐点は、相手の力と存在を受け入れ、ほとんど相手にふれることなく跳ねとばす大東流柔術をどう捉えるかにあるだろう。オカルトではないかと思えるほどの技である。確か由美かおるなんかが在籍していた西野バレエ団の会長がこんな武術を会得していて、それこそアッという間に何人もの対戦相手をバッタバッタと投げるのを見て、あーこりゃイカサマだな、とわたしはすぐに結論づけたし、宗教もちょっと入ってるんじゃねーのー?とか思っていたのだった。

「AIKI」の場合、その胡散臭さはもちろんあるものの(少なくとも入門しようとは思わない)、車椅子の青年が極真系の空手家を投げ飛ばす爽快感がとにかくハンパではないので、ま、映画の中ならこういうのもアリってことでいいっしょ、ぐらいの気持ちにはなれた。展開は恐ろしく古臭いのだが、障害者を演ずる加藤晴彦が「障害者がいい人でいなけりゃならない理由は無い」って感じの“普通さ”を出していてすばらしい。脊髄損傷(「せきそん」と略称されているのがリアル)の人間の、排泄やセックスがどんなものなのか、加藤の軽さもあって、息苦しさや過度の同情なしに観ることができた。バラエティでは徹底的にお馬鹿な加藤だけれど、ひょっとしたら大化けするのかも。黒沢清の映画でもいい味出してたし。

Aikip  そして、石橋凌演ずる合気柔術の師匠がサラリーマンという設定がなにより効いている。小市民的な武道家、とはいかにも現代だ。日本映画界の曲者俳優総出演だし、かなりの拾いモノ。井上雄彦の「リアル」とともに必見。こんないい映画を、95円レンタルで観ちゃダメだよなオレも。

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