事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

The Beatles 1 A面

2007-08-30 | 音楽

Beatles_mp3the_beatles 最初に買ったレコードは何か。これ、その人がどんな嗜好を持っているか、大げさに言えばどんな人生を歩むか、を結構表すかも。よく言うじゃないですか、あの1枚との出逢いがその後の私の……とか現役のミュージシャンが。

 私の場合は、小学生の時に酒田祭りでおこづかいをはたいて買った「悟空の大冒険」のソノシート(わかってる、若い奴は知らないことぐらい)。手塚治虫原作のアニメのテーマソングだ。まだ歌えるぞ。洋楽は高校一年の時に同級生から買ったカーリー・サイモンの「うつろな愛」You’re So Vain。ミック・ジャガーがバックコーラスをやってるヤツ……前言撤回。人生なんか何にも表しちゃいないな。

 でも、最初の1枚がビートルズだった人間はやけに多いような気がする。物理的にむちゃくちゃ売れたのだから無理はないが(1964年4月のビルボードのヒットチャートでは、1位から5位までをビートルズが独占したのだそうだ。知らなかった)、なんか、かっこいいじゃないですか。「悟空の大冒険」とはエライ違い。しかしこの連中はあのイギリス労働者階級の不良四人組を完全に神格化していて、新参のファンが小癪なことをいうと鼻で笑うような傾向がある。ビートルズはオレのもんだ、とか。

12月8日はレノンの命日だが、知り合いの大学時代の教授は毎年この日は一晩中“神に祈りを捧げる”のだそうだ。ひえぇ。くそ、おーし語ってやる。解散した1970年には訳分らずに万博音頭を運動会で踊っていた《ビートルズに乗り遅れた男》が、洋楽に目覚めた時には既にツェッペリンはお休みの時期で、高校の同級生たちが嬌声をあげていたのがベイシティローラーズ(※)だったという不毛な10代を過ごした男が、ちょっと本気出して語ってやるぞ。

※ ベイシティローラーズ……ご存知タータンチェックのアイドルグループ。高校の物理の時間「おい、鬼瓦(こんなかわいそうなあだ名で呼ばれる女の子がいた)、今日休みか?」「しーっ、今日ローラーズの武道館公演じゃねぇか」「あー、じゃしょうがないか。」しょうがなくはないと思うのだが。

 まず世代論的なことを言えば、同級生たちも私と同様に万博音頭(by三波春夫~♪せんきゅうひゃく、ななじゅうねぇんのっ♪こーんにっちっわ~♪)を踊っていたくせに、早熟な連中は結構ビートルズにハマっていた。

中学時代にあの頃で6000円ぐらいした(30年前のだよ)LP「バングラデシュ・コンサート」を買っていたヤツもいたし、高校にはクラスに2人づつぐらいビートルズフリークはいた気がする。でもかわいいのは、音楽室でポールの「ビーナス・アンド・マーズ」を披露していたクラスメイトは、ライナーノーツを読みながら、「ほらぁ、ここにポールのコメントも載ってるんだぞ、英語で。えーと、This is not a concept album……だって。コンセプトって何だ?堀、辞書引け辞書。え?概念?コレハ概念ノあるばむデハナイってか?なんだそれ?」コンセプトアルバムの何たるかも知らず、思いっきり背伸びをしていたのである。
(明日につづく)

コメント (2)
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