カノウおにいさんの気象・地震再発見

気象や地震についての目からうろこが出る話全集です。
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13日は発達中の低気圧が朝鮮半島から日本海へ 各地で春一番は確実?

2009-02-12 23:51:23 | インポート

①2月12日21時の天気図 気象庁HPより引用

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②2月12日21時の日本付近雲画像図(赤外画像で拡大版) 気象庁HPより引用

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③2月13日9時の予想天気図 気象庁HPより引用

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2月も中旬となり、花粉も飛散し始めた箇所もおおくなり、春の息吹が感じられてきた昨今ですが、2月13日は、発達中の低気圧が朝鮮半島から日本海へと進んできて、日本付近は当該低気圧の南側(暖域)に入り、各地で、南から南西風が強まる見込みとなって来ました。

低気圧の暖域と言うと、気象学の基本書には、南~南西風が吹き込み、雲が途切れて、比較的天気が良くなると言う記載のものも多いですが、実は、そうとは言い切れないんですよね。

実は、低気圧の暖域という箇所は、気象学で言う、対流不安定(下層で比較的湿っていて、上層で比較的乾いている箇所。そのままでは比較的安定していますが、何らかの拍子に気流が鉛直方向にが上昇すると、どんどん上昇しやすく、雲が発生・発達なっている箇所)が大きい箇所でもあります。

この、何らかの拍子 と言うのは、山地に気流がぶつかって強制上昇したり、異なる風向の気流同士が衝突して、上昇気流を形成したりする場合などを言いますが、一たび、こういう現象が発生すると、気流は鉛直方向へ上昇し、雲を発生・発達させるようになってしまいます。

低気圧の暖域では、地上天気図で、Ⅰ・低気圧を表現している等圧線の走向と、Ⅱ・隣接する高気圧の縁辺部分の等圧線の走向に注意! ⅠとⅡが丁度、ルの字型 や ハの字型に、等圧線が走っている箇所では、暖湿流が局地的に収束(上昇)して、雲が特に発生・発達しやすく、このような部分には、強い降水雲が帯状に発生する(スコールライン)ようになります。

さしあたって、2月13日9時の予想天気図より、当該スコールラインは東シナ海から九州西方沖に発生しそうですね。西日本では、13日昼以降、強い雨の恐れがあります。

その後、低気圧の東進とともに、本州付近では地上天気図上の等圧線が混み(13日21時には本州中央部で経度1度あたり2hpa  ~2・5hpa程度。ちなみに13日21時には各種予想図より、東海地方や南当地方では上空1500m付近で南西風がおおむね45ノットから50ノット程度、13日21時以降、更に強まる予想)、南~南西風がだいぶ強まってきそうです。

13日は、各地で、春一番 の宣言が目白押しとなりそうです。が、13日夜以降、関東地方沿岸部や伊豆諸島、東海地方沿岸部などでは、暴風警報クラスの風速となる箇所もありそうですね。

強風や海上の高波、それに、気温が上昇しますから、積雪の多い地域でのなだれには充分に注意してください!


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1 コメント

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カノウおにいさまへ 始めまして。ですね。投稿は。 (田島)
2009-02-14 11:57:34
カノウおにいさまへ 始めまして。ですね。投稿は。

おにいさまのご指摘通り、13日は、午後、東シナ海上空で、発達した雨雲が帯のように連なっていましたよ。雲の切れ間を通過しましたが、少し揺れがありました。
でも、25000フィートより上側では、かなり気流が乱れていたことは事前にわかってよかったです。

ありがとうございました。
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