ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
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たんけんぼくのまち 「那珂湊編 1」

2022年09月03日 19時37分41秒 | Weblog
まだ「南八ヶ岳縦走」をアップしている途中ですが、どうしてもアップしておきたい出来事があり、一端内容を変更します。
山行記録を楽しみにしてくださっている方々には申し訳ありません。

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今年の6月のことだった。
不思議な夢を見た。
自分が車を運転し、見覚えのある道路を走っていた。
それは茨城県の大洗と那珂湊(現ひたちなか市)とを結ぶ赤い橋「海門橋」の手前だった。
大洗から橋を渡り、そのまま海沿いを走り那珂湊の平磯方面へと向かっていた。
平磯の街並みは現在の街並みとは違い、数十年前のものだと思う。
「懐かしいなぁ・・・」などと夢の中で感じていたが、その直後に目が覚めた。
何故そんな夢を見たのか、それは自分でも分からない。
ただ、橋の色が赤で海の色は青であり、夢にも色が付いていることを改めて知った。

ひたちなか市ではなく、敢えて「那珂湊」と綴る。
那珂湊は自分が中学生の頃から何度も訪れており、多くの思い出が詰まっている。
そしてその中学生の時の夏の思い出と、タイトルである「たんけんぼくのまち」とは切っても切れない繋がりがある。
まったくの偶然が生んだ繋がりであり、人の縁とはこれ程までに不思議なものなのかと感じている。

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「たんけんぼくのまち」について綴っておかねば話は始まらない。

これは番組名であり、NHK教育テレビ(現Eテレ)で1984年から8年間も続いた教育番組だ。
小学校3年生向けの社会科の教育番組だが、これまでの教育番組をぶっ飛ばすような内容であり、教育番組に大きな変革をもたらしたものと言っても過言ではないだろう。(と、個人的に思っている)

番組の概要。
先ず主人公は「チョーさん」と言って、将来は自分の店を持つ夢を持ちながら食料品店に住み込みで働いている青年。
このチョーさん、芸名は「長島雄一」さん。(現在は「チョー」)
俳優でもあり声優としてもテレビやラジオで現在も活躍されている方。
「いないいないばあ」というEテレ番組では「わんわん」の着ぐるみを着ている人がそうだ。
(わんわんの声もチョーさん本人)

地元の地域社会(農業・工業・商業・漁業、そして地理的特徴など)の成り立ちや仕組みを、配達用の自転車に乗り調べまくるチョーさん。
この自転車がまた年代物で(笑)、「チョーさん号」という愛称がある。
しかし、この自転車があってこその地図作りであることに間違いはない。
そして調べた内容を独自の手描きイラストで模造紙に描き「たんけんちず」として完成させるというもの。
当時の教育番組としては本当に珍しく、笑いの要素を数多く取り入れていた。
奮闘しながらもどこかハチャメチャでどじってしまうチョーさん。
ある面ドリフのコント風でもある番組だが、きちんと学習(社会科)としての要所を捉えており、先ず「何かを発見すると驚く」次に「それらを疑問に感じる」そして「行動に移し調べる」。
といった一連の流れがあり、子供達の「気付くことへの感性」に訴えかけそれを大切にしている。
また、メモをすることの大切さや調べるためのヒントや工夫などをさりげなく教えていると感じた。
最終的には町や社会の仕組みを、児童達が抵抗なく興味関心を持って地図として表現できると思える番組だった。

特筆すべきはチョーさんの描く地図が何とも素晴らしかったことだ。
教科書に載っている地図とは縁遠く、前述した独自のイラストが満載!
子供達が「自分たちも描いてみたい。地図を作ってみたい」「地図って難しくないんだ。こんなに楽しいんだ」という自ら湧き出る意欲をかき立てるものに仕上がっているものだと痛感した。
「自分で調べて自分で知り、自分でまとめる」。
将に学習の原点であろう。

そうそう、忘れてはならないことがある。
番組に出演しているのは、チョーさん以外はみなさんロケ地の方々で素人である。
(稀に俳優さんがゲストとして出ることもあった)
台詞はある程度は決められているのだろうが、素人丸出しでそれぞれのお国訛りもあった。
それがかえって新鮮であり観ていて楽しくてしかたがなかった(笑)。

あわてん坊な我が愛すべきチョーさんだが、番組がスタートした1984年からの二年間は、長野県諏訪市をロケ地とし、地元に実際にある食料品店を舞台として地図作りに励んでいた。
そのころの私はすでに教員となっており、観ていたのではなく「観せていた」立場だった。
ただ小学校ではなく、養護学校(現特別支援学校)であり、授業の合間合間に一緒に観ていた。
大人の自分が観ていてもおもしろく、「へぇ~ポイントを掴んでるなぁ。でもチョーさんは笑える。」と思っていた。
(実を言えば専門は社会科なのだ)

諏訪での二年間が終わり、「来年度はどこがロケ地になるのかな。栃木に来てくれるといいなぁ・・・」と思っていた。
そして新年度となり、1986年度の「たんけんぼくのまち」がスタートした。
ロケ地は茨城県の那珂湊だった。
「那珂湊かぁ、近くていいね」などと嬉しさに浸っていたのだが、チョーさんが住み込みで働くことになったお店を見て驚いた。
でもってその店のご主人と奥さんを見て「え~っ、やっぱり! 間違いない!」
まさかまさかの那珂湊のお店、そしておじさんとおばさんだった。

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夢で見た「海門橋」。
大洗から那珂湊(平磯)方面へと向かっている。


これぞ我が愛すべきチョーさん♪
バックのお店は間違いなく那珂湊のあのお店だ!
(テレビ画面を直接撮影)


「たんけんちず」を作っている(描いている)チョーさん。
予めイメージだけを描いておき、それをほぼ即興的に表現する。
「東西南北がどうのこうのじゃなく、先ずは描くことが大切。子供達が描いてみたいと思えてくれたら嬉しい」
と、チョーさん本人が言っていた。(これホント!)


このたんけんちずは、那珂湊だ。
「チョーさんの店」となっているのがロケ地のあのお店。


たんけんぼくのまち 「那珂湊編 2」へ続く・・・

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