「地方消滅」(7)

2016年02月24日 00時05分00秒 | 生き方

▲<京都北部美山地区の「美しい風景」>

今回は、私が興味を持った、地方の「村・町おこし」の成功事例を紹介します(一部)。

(1)「山でキャビアを生産」(宮崎県小林市)1983年から山奥の水産試験場で試行錯誤の末、養殖に成功したらしい。

(2)「ローマ法王にコメを食べさせた」(石川県羽咋市)市役所の臨時職員が、米で限界集落を立て直す(唐沢寿明主演でTVに)。

(3)「役所が住宅を売る」(岐阜県東白川村)役場職員が、村の原木を売りたいがために、地元工務店を使って木造住宅販売を行う。

(4)「立て直し不可の古家活用」(広島県尾道市)坂の上に現存する、立て直し不可の古家を「空き家バンク」を創設して、若者を呼び寄せた。

(5)「地元の食材で商品化」(島根県隠岐の島)地元のありふれたサザエを使いカレーを作ったら大ヒット!(その後各地で名産品が出た)。


▲<沖縄南部「奥武島」、「イカの天日干し」風景>

(6)「地元の雑魚を高級魚に」(山口県萩市)地元では、見向きもされなかった雑魚を県外から来た「道の駅」駅長が、ヒットさせた。

(7)「村長の改革」(長野県下条村)地元民間社長が村長選に出馬。当選後、村役場改革を断行し、全国有数の高い出生率になり奇跡の村と言われる。

(8)「移住者を増やす」(神奈川県相模原藤野町)村の産廃開発を諦めさせて、「ふるさと芸術村」へ変貌させ移住者が増えた。

(9)「葉っぱビジネス」(徳島県上勝村)農協職員が始めた葉っぱビジネスが成功し、1,000万円を稼ぐ老女も出現(映画化された)。

(10)「山村の加工品」(高知県馬路村)人口1,200人、森林96%の山間地で、「ゆず加工品」で、年商33億円へ。

(11)「コウノトリで復活」(兵庫県豊岡市)絶滅したコウノトリの野生復帰を目指し、市を挙げて「エコロバレー」へ。

(12)「バイオマス産業」(岡山県真庭市)材木の廃材や間伐材活用の発電施設を建設し、市全世帯半分の電力を供給(他の村にも拡がる)

(13)「子育てシングルマザーを呼び込む」(島根県江津市)全国のシングルマザーに、「住宅」と「職」(介護ヘルパー補助)を用意した移住促進策で母子増加。


特に、(12)のケースは凄い!中国山地の山間地の製材業銘建工業の中島浩一郎社長は、1997年に廃材を活用した「発電施設」を開発した。以後、研究を重ねた結果、出力は1時間当たり2,000KWになった。工場で使用する電気は、ほぼバイオマス発電でまかなえるようになり、余った電力は電力会社に売っている。電気代が1億円節約出来た上に、売電で5,000万円の収入を得ている。しかも、毎年4万トンでる木屑処理に、年間2億4,000万円掛かっていたのがゼロになり、全体で4億円も得するようになった(発電設備の建設費は10億円だったが10数年で償却出来たらしい)。さらに、製材所から出る木屑は、発電では使い切れずにいたが、「ペレット化」した固形燃料は、灯油と同じコストで、ほぼ同じ熱量を出す燃料に変え、21世紀型の新商品(キロ20円)を販売出来るまでになった。

・・・等々、全国の県市村町で、「おらが村・町の再生プロジェクト」が、ここに書き切れないくらいたくさん進んでいます。

しかし、やっている人達には、四面楚歌の中で、長期間苦労の日々が、続いているのも少なくない・・・。

でも、今やらなければ「廃村・廃町」になるしかないのです(人口が減るという事は、そういう事なのですね)。

よそで起こっている悲しい出来事は、他人事ではなく、間違いなく自分の村や町に起きるのです(もう、すでに起きています)。

※次回は、地方自治体で起きている「公共施設の廃棄処分」の問題に絞って書きます。


「地方消滅」(6)

2016年02月20日 00時05分00秒 | 生き方

▲<沖縄の2月15日は、14ー14度(冷えた)。 19日は、夕方から20日の朝まで、豪雨でした。日増しに暖かくなってます>

「地方消滅」(中公新書)に触発されて、書いている・・・。

今回は、私の経験と考え方を書いてみます。

都会で、永くビジネスをして来た中高年よ 「地方に住んで働こう!」と言いたい。

私が、沖縄に「移住」した時は、53歳でした(東京から来ました)。

本当は、50歳で来たかったのだが、訳があり東京で2年間仕事した。



私のケースで恐縮だが、私は、地方の「田舎暮らし」ではなく、地方都市で「ビジネスをしたかった」。

このような、地方で就職を希望する人は、40代の方がいいかも知れない。


▲<「バナナの葉」の向こうに、「寒非桜」が満開です。沖縄らしい風景だ>

新しい土地で起業する人は、新しい土地で信用が無いので、リスクが伴う。

新しい土地の地元企業で、地盤を築いてから「独立」した方が良いと思う。

「独立」ではなく組織の中で、「役職者」「顧問」になる道もある(私が、このケースに当たる)。


▲<新しい土地で、出会った若い人達との「語らい」「飲み会」が楽しい!>

私は、まだ 「晴耕雨読」の生活する気持ちが無いので、街を離れた自宅で、一人で飲む事など考えられない。

「仕事仲間」や「地域の仲間」と、楽しく語らいながら飲む機会が無いと人生は楽しくないと思っている


▲<冬の外で固まる「沖縄の猫たち」(笑)>

★私の地方に住む条件は以下の通り★

(1)地方中核都市である事(映画館があるのが条件、そうすれば飲み屋街も必ずある)

(2)企業がそこそ集積されている (大企業は、必要はない。中小企業、特にベンチャー企業が必要)

(3)良き、若手起業家&中小企業経営者との出会い (働く先の経営者とは、パートナーとして気持ちが通じる人。シニアは、生き方が異なる人は避けて通れ)

(4)50歳までに経験した知識・スキルを活用する方が、双方にメリットがある。 しかし、昔の経験に固執するやり方は通じない。自分自身も学び変化する事が不可欠)

(5)健康に生きる(地方に来たら、健康が最低条件。それでなくとも、働く仲間より歳を取ってるのだから、精神的若さと清潔感が重要。収入は、預金より今周囲に使え)

真面目に、仕事をしていた人であれば、身に付けた「経験・知識・スキル」は、必ず活用出来る。
地方には、あなたが長年かけて身に付けた「経験・知識・スキル」を活用したい企業が、きっと待っていますよ!

★地方で住みたい人へのアドバイス★【地方都市部に住むケース】

1)「仕事は、地域に溶け込む良き機会」
2)「収入は、家計を助け、活動費にもなる」
3)「収入は、半額近くになる事もあるが、生活費は、半額にならない」
4)「収入が無ければ、預金を取り崩すだけ」
5)「昔取った杵柄をフルに活かせ」
6)「健康な生活はとても肝心。地方で病気になれば来た意味がない」
7)「一日でも早く地元に溶け込み仲間を創れ。そのためには誘われたら断るな」
8)「帰省や他県の仲間に会うための交通費は、結構かかる」
9)「急いで家を買うな!終の棲家はゆっくり考えよ」
10)「自分の使命を地方で使え!」

※次回は、地方で成功している「村・町起こし」の成功実例をレポートします。

「地方消滅」(5)

2016年02月13日 00時30分00秒 | 生き方

▲<那覇市内の「寒非桜」が、本格的に開花し始めました>

若者対策に比べて、「中高年の地方移住支援」は、就職のウェイトが大きい。

若者のような給与では、扶養家族をやしなえないからだ(首都圏に比べて、給与が半額近くになる)。

給与額を考えなければ、働き手を求める需要は隠れている。


▲<冬でも街角に「プルメリア」が咲いている>

顕在化はしていないように見えるが、実は、「一次産業」の高齢化が進んでいて、待ったなしの状況なのだ。

地方の山林組合は、「山林の荒廃問題」を解消するために、今こそ「後継者採用」に乗り出す時期なのだ。

山林組合の幹部は、地元の高齢化・後継者なし、に対しては、「移住者」(若者~リタイヤ層)招へいに、頭を切り替えるべし。

農業も、個人農家中心から、「法人化推進」に切り替えるべきだ。「企業の参入」にもっと門戸を開け!(これはJAの責任が大きい)。

漁業は、少し始まっているようだが、「素人漁師育成」と「漁業権交付」の積極推進しないと、日本の漁業は数年後に滅びる!(国境と海洋資源を他国に奪われる)漁業は、設備費用が掛かるだけに、個人に過度な負担が掛からないような、やり方を考える必要がある


▲<糸満市にあるリゾートホテル>

このように、国や地方が腰を上げ「一次産業」を本気で育成・バックアップしないと、国土が荒廃する(山が荒れれば国土が壊れる)。

山林業などは、「バイオエネルギー」や、「住宅資材」として、今こそ多岐な活用が考えられる時代になった。

各山林組合幹部が、もっと勉強して本気で取り組めば、山林の荒廃を防げて、21世紀の成長産業になれる(くれぐれも、山が荒れたからと言って外国人に、売らないようにして欲しい)。

リタイヤ層(60代)は、地方に行けば、まだまだ「若者扱い」してくれる事は、あまり知らされていない。

地方移住しても、仕事をしなければ「ぼける」だけだ。(沖縄に移住しても、何もしないで、夕陽を見て過ごせば、確実にボケる)。


▲<沖縄の夕陽は、美しいが・・・>

これは都市圏でも同じ事。しかし、地方では働き手として期待されるので、本人の「生きがい」に繋がる

「日本創成会議」の、「首都圏の年寄りは、首都圏には老人施設が不足しているので、地方の老人施設に入れ!」のようなメッセージばかりが有名になり、「誰が知らない所へ行けるか!」など、マスコミが批判を書き立てた。

本当のところは、「身体が動く間に地方に行けば、都市部より健康に数十年過ごせる事は間違いない」のだ。(働く、動くから健康が永く続くのだ)。


▲<夏の、豊見城市「美らSNビーチ」>

どこに行くかは、その人次第。私の経験から言わせて貰えば、年寄りは、身体のためにも「南の暖かい所」で住む事をお勧めする

一次産業で、3年くらい修行すれば、70代は完全なプロになれる。

だから、朝起きたら用事(働く)がある人になれる

団塊世代よ、もっと仕事をする社会にしよう!

※次回は、全国で進んでいる市町村の取り組みを紹介する(こうご期待)

「地方消滅」(4)

2016年02月12日 00時05分00秒 | 生き方

▲<先週の記録的な寒波も過ぎて、沖縄はまた19~20度くらいの気温に戻った>

「地方消滅」(中公新書)を読んで、危機感を感じた(しかし、地方自治体には、まだ危機感がない)。

「人口減少問題」については、長期的かつ総合的な対応が不可欠と感じ、産業・雇用・国土形成・住宅、地方制度等々、総合的な取り組み「総合戦略」を推進して行く必要性をこの本は、訴えている。

「第一次総合戦略」(2015~20124年)
先ず、「長期ビジョン」の策定を急ぎ、国民の「希望出生率」である1.8を実現する。「東京一極集中」に歯止めをかける。

「第二次総合戦略」(2025~2034年)
第一次総合戦略の成果や人口動向を踏まえ、内容の検証と見直しを行い、さらに10年後の2035年を視野入れた「第二次総合戦略」を策定する。2030年に出生率を2.1を目指す。


▲<散歩道の、那覇でも早咲きの「寒非桜」は、もう満開に・・・>

東京一極集中に歯止めをかけるには、地方において人口流出を食い止める「ダム機能」を構築せよ。

同時に、いったん大都市に出た若者を地方に「呼び戻す・呼び込む」機能の強化を図る、には、地方が「若者にとって魅力ある地域かどうか」が不可欠


▲<冬の沖縄の庭に、ぶら下がっている「果実」は、何?>

「若者に魅力ある地方中核都市」を軸として、「新たな集積機能」の構築を目指さなければならない。

今、行われている地方再生の取り組みの延長ではなく、「人材」や「資源」が、そこに集積し付加価値を生み出すものにしなければならない。


▲<沖縄の美しい赤瓦の屋根に睨みを利かす「シーサー」>

しかし、財政や人口制約の点から、都市の数に制約がある・・・。

最後の「踏ん張り所」として、広域ブロック単位の「地方中核都市」を提言している(国会でも、2014年「高次都市機能集積構想」関連法案が成立した)。

地方中核都市より規模が小さい自治体については、人口減少が進む中で避けられない手法が「コンパクトシティ」である。

コンパクトシティの「まちなか」(中心部)には、市役所を中心とした医療や公共施設を集中配置する。

中心地から、離れた地域は、地域を守る砦となる「小さな拠点」。そこは、商店や診療所など、日常生活に不可欠な場を構築する。

歩いて行ける範囲に、施設を集約するとともに、地域を結ぶ「デマンドバス」(利用者の要望に応じて運行)を充実させる事を提言する。

公共施設の空き地の有効活用は、防災空間や市民農園などに活用する(ここは、私のライフワークなので改めて詳しく述べる)。

「空き家」も、「二地域住宅」や「Iターン希望者住宅」の促進も考えが拡がる(事実行っている自治体も増えた)。


▲<冬でも「パパイヤ」は、良く実っている>

※現在若者が、大都市に集中する要因として、若者に魅力のある雇用機会が地方に少ない事が挙げられる。

地方自治体がもっと積極的に、「インセンティブ」(廃校の建物や土地の10年間無料使用など)を考え企業誘致をもっと考えなければならない。

誘致で、招いた企業が多ければ、「Uターン・Iターン」する若者が増える。


▲<「カエンカズラ」の季節です>

「中高年の移住計画」は、私のライフワークなので、次回以降に詳しく述べます(続く)。

「地方消滅」(3)

2016年02月05日 00時30分00秒 | 生き方

▲<父の墓の階段に咲いていた「椿」>

「20歳~39歳の女性人口」の移動がなかった場合の推計で、「896消滅可能市町村」は、2010年~2040年までに、5割以上の減少市町村数は、全体の49.8%にものぼる

この本で、「消滅可能性都市」と名づけた。「地方消滅」の由来です。

全国の「消滅可能性都市」傾向では、北海道・東北地区(福島除く)80%程度、山陰地区75%、四国地区
65%、逆に東京圏は28%に留まっている。

都道府県別では、8割以上占めるのは、青森県、岩手県、秋田県、山形県、島根県の5県で、5割以上となると、24道県になる

さらに問題なのは、896の「消滅可能都市」のうち、2040年時点で人口が1万人を切る市町村は、523自治体、全体の29.1%にのぼる事


▲<沖縄の小禄南公民館の近くに咲いていた「花」(パッションフルーツではない)>

こうした「地方消滅」は、ある時点から一気に顕在化し、気がついた時にはもう手遅れになっている可能性が高い

※私が危惧しているのはこの点です。各市町村首長は、目の前の仕事に没頭しているようだが、この事(人口減少)に目をつぶろうとしてはいないか!一番悪いのは、知っていて地域の人気取りばかりをして、将来への手を打たない事(立派な公共施設建設(市役所・市民ホールなど)や、無駄な道路拡幅や不便な農道整備に街の予算を消費していないか?)

「社会増減」については、当然に地域によって大きなバラツキがある。

東京区部は約3割、福岡市は約2割、大阪府、名古屋市は約1割と、大都市圏は
「社会増」です。

それ以外の地方都市圏は、ほとんどの市町村で最大8割以上といった「社会減」が予測される。


▲<2月4日、スポーツセンターに行く道に「イッペー」が、満開!>

世界の主要都市人口集中化が激化しているが、日本は先進国に比べて際立つ(東京約30%に対して、パリ約16%、ロンドン約14%、ニューヨーク約6%・・・)。

この状況の先にあるのが「極点社会」である。「極点社会」は、何をもたらすのか?

若者を供給し続けて来た地方が消滅する中で、大都市圏は、「低出産率」である?!

特に、東京都の出生率は2013年で、1.13と際立って低い!!(外国も、人口過密都市の出生率は低い)

さらに、日本の今後は「高齢者対策費用」が急増して、「子育て支援」や「少子化対策」への財源にも限界がある・・・。

そして、出生率の大幅な向上は見込めない・・・。

そうなると、大都市集中化⇒「極点社会」の先には、日本全体の人口減少がさらに加速して、「人口のブラックホール現象」である。


▲<沖縄では、街路樹に採用されている「ブラシの木」(花槇・カリステモン)>

「極点社会」は、経済変動にも弱く課題が多

ここに、「地方創成」の考え方が出て、どう活かして行くのか?

「人口減少」という日本の近未来の危機をいかに防ぐか!?

限られた時間的余裕は少なく、選択肢も限られている・・・。

※本当に、これまで「イケてた」日本はどうなったのか?!

私達で、考えなくてはいけない・・・。

「地方消滅」(2)

2016年02月03日 00時05分00秒 | 生き方

▲<我実家近くの「紀州街道筋」にあるH邸>

「地方消滅」は、日本創成会議が、会議を重ねた内容を中央公論に、発表した記事をまとめ2014年8月25日に中公新書で出版した。

本の題名が鮮烈であったため、当事者である地方の各市町村長から反論が出た(これも効果のひとつ)。

その町に住む女性数に出生率を掛けると、20年後の人口数字(減少数)が、机上で計算が可能。

それを表したものが、「896市町村の町が消える」根拠だ。


▲<車道側から覗いた、隣家との脇道(玉砂利の小道が美しい)>

そして、首都圏に代表される大都市で、今後、大量に出現する老人達は、老人施設の数が足らず対応出来ない事も暴いた。

これは、厚生労働省の老人対策が無策である。


▲<行きついた先から、道路側を見る>

このメッセージの狙いは、「このままで何もしなければ、国も大都市圏も地方もだめですよ!」という提言。

9つの誤解として冒頭のページに書かれている。

1)本格的な人口減少は、50年100年先の話?
2)人口減少は、過密状態を解消する?
3)人口減少は、地方の問題であり、東京は大丈夫?
4)日本全体の人口が減れば、東京に集中させればいい?
5)近年、日本の出生率は改善しているからよい?
6)少子化は、もう手遅れだから手の打ちようがない?
7)出生率は、政策で左右しない?
8)子育て支援が充分な地域でも出生率は改善しない?
9)海外からの移民を受け入れれば、人口問題は解決する?

・・・のように、誤解・無知・無関心さを解り易く書かれている。


「地方消滅」(1)

2016年02月01日 14時00分00秒 | 生き方

▲<大きな「梅の木」が満開だった>

仕事の関係で、大阪を振り出しに、大阪13年、東京13年、広島11年くらい住んだ。

20~30代は、ほとんど実家に帰らなかった私だが、この歳になると必然的に帰る事が多くなる。

帰ると、いつも集まってくれる同窓生との酒を飲みながらの語らいは欠かせない。



先週も、帰ったが珍しく同窓会には参加しなかった。

その代わり、「父の墓参り」をした以外はゆっくりと過ごした。

私は奈良県南部出身だが、「日本創成会議」から出された調査資料では、我が町は、2040年の人口は、2010年の人口から、▲51.3%減少するらしい。

これから20年後、地方の中核都市に直結する鉄道がない日本の各地方で、ベットタウンになれない町は、人口が半減以上するだろう・・・。



現在、896ある市町村は、「昭和の大合併」、「平成の大合併」を経ても、名前が残るの市町村はいくらあるか?

半分が残らない事を住む人達は、知らないし関心がない・・・。

今後、夕張市のように「市の財政破綻」が、多く出過ぎてニュースにもならなくなるだろう。

現在、70歳以上の方は、年金などの優遇を含め、完全な逃げ切り層だ(良い国に生まれて良かったと思っている層だ)。

医療費の削減に努め、孫に使うお金があるなら、これから日本を支えて生きて行く、若者達に、何か貢献して死んで行きましょう。

・・・と私は、故郷の町を歩いていて、心に誓いました。


▲<父の墓がある。お寺の階段に昨夜の雨で「椿」がたくさん落ちていた>

※参考図書「地方消滅」増田寛也著中公新書 より

映画「マイ・インターン」

2016年01月06日 00時05分00秒 | 生き方

▲<昨年の秋からロングラン公開中の映画>

1月4日、仕事始めの日、県庁前の「パレット劇場」で、映画「マイ・インターン」を観てきた。

ロバート・デ・ニーロアン・ハサウェイのアカデミー賞受賞俳優共演映画だから面白くないはずがない。


70歳の主人公ベン(ロバート・デ・ニーロ)は、定年後、妻が10年前に亡くなり、孤独な日々を送っていた。

何よりも嫌なのは、明日する事が無い事・・・。

ベンのする事といえば、近所で食料品の買い物と、最近結構多い友人の葬式参列くらい。

現在の趣味は、7時30分ビジネス街に出かけて「モーニングコーヒー」する事。

それは、その時間そこに行けば、出勤前に立ち寄る現役ビジネスマン達の活気のある会話が聴けるからだ。

そんな退屈していた時、ある企業が65歳以上の「インターンシップ」の募集広告を出しているのを見つけた!

ベンは、やっている仕事内容も知らず、応募した。

自分の時代とは異なり応募手続きは、「自作の自己紹介ビデオ」を「YouTube」に出す事だった(苦労して作成した)。

運良く、4名の採用者に選ばれ入社出来た。

会社側は、正社員にするつもりはなく、6か月間の「社会貢献」くらいにしか思っていなかったのだが、「70歳のインターン」が、徐々に味を出し始める・・・。

あのロバート・デ・ニーロが、ギャングのボスではなく、定年後のビジネスマン設定が面白い。

誰にでも当てはまる訳ではないが、元ビジネスマンの「経験・生き方」が、IT系の若者集団に活かせる事を「ハリウッド映画」が、証明してくれた! 熟年者には、むっちゃくちゃ勇気が出る映画だ。

【評価】★★★★★ ※65歳以上の元ビジネスマン、必見の映画です。

ロバート・デ・ニーロ(1943年72歳)「レイジング・ブル」(1980年:主演男優賞)、「ゴッドファーザーⅡ」(1974年:助演男優賞)。アン・ハサウェイ(1982年33歳)「レ・ミゼラブル」(2012年:助演女優賞)

中高年の理想の「終の住まい」が・・・。

2015年12月26日 11時00分00秒 | 生き方

▲<TV「羽鳥モーニングショー」で紹介されていた、施設に入居出来た男性が満足そうに語っていた>

先週の朝、「羽鳥モーニングショー」を何気なく見ていたら、面白い情報が出ていた。

東京圏の介護サービスの不足が叫ばれている
東京圏の2015年中高年398万人が、2025年には572万人(+174万人)になる。
(出典:日本創成会議「人口減少問題検討分科会」増田寛也座長レポート)。



それに対応するような、「介護施設」が、地方で新しく出来ているのを紹介していた。


▲<金沢にある「シエア金沢」の敷地配置図。特色は、右下の「アルパ牧場」と、左上の「学生住居」>

この施設は、北陸新幹線で2時間40分。駅から車で20分のところにあるらしい。

私が10年前に知った、愛知県の「ゴジカラ村」の考え方と同じだ。
「ゴジカラ村」には、敷地内に「幼稚園」と「学生」に安く済ませるアパートが創られていて、入居者中高年と交流の場がある事だ。

これが、今までの「老人施設」になかった考え方で、このような交流型が、元気な中高年の「終の住まい」なりえるのだ。

「シエア金沢」の、鈴木さんは週に2~3回子供の遊び相手をして、収入を得ているらしい(これが冒頭の「むしろこちらが楽しませてもらっている」というコメントになっている)。


▲<羽鳥アナが解説している。鈴木さんは、神奈川見から移住したそうだ。>


▲<鈴木さんの費用収支(いい年金を貰っているので、年金で収支はトントンだ。それに加え、元気なうちは施設内で働いた収入が入る>


▲<やや広めの部屋を求めた。右下の「広めの納戸」が気に入ったらしい(思い出の品を収納出来るため)>

他にも、「新白河」も紹介していた(こちらは、広い敷地にゆったりと建物が配置されて小さな街のようだった)。


▲<「ゆいまーる那須」栃木県?(東京から新幹線で90分)>


▲<こちらは、入居者の持っている技能やキャリアが生かせて働ける>

ここの特徴は、ゆったりとした施設だけでなく、入居費を15年払った後の支払いが「ゼロ」になる事だ(素晴らしい!老後の心配がないという事はこういう事を言うのだ)。

こちらも、やはり、好評で入居は、順番待ちとの事だった。

私の、以前からの理論である「老人と子供が共存する施設」が実践されていたので、感動し納得した次第(いい番組だった)。

このような、考え方の施設が全国に出来る事を願うばかりだ(これが地方再生に繋がる)。
沖縄県および県下の各市町村も、本気で取り組むべきテーマだと強く思う

「脳にいい生活」

2015年12月19日 00時05分00秒 | 生き方

▲<今週の那覇は、20度を切り、18度と寒くなったが、空の色が美しい>

1)「正しい睡眠時間は7時間、睡眠を削ると寿命も削られる」
久保田教授が推奨するのは「7時間睡眠」(2002年にアメリカの精神医学者で睡眠研究者のクリプケらが30~102歳までの100万人以上の男女を対象に「睡眠時間と死亡率の関係」の調査を行った)。

その結果、最も死亡率が低かったのが「6時間半以上7時間半未満の睡眠」だった。平均睡眠時間が4時間以下の人は7~9時間の人より、73%も肥満になる確率が高くなるという事も解っているそうだ。


▲<墓地下に「カニステル」の果実がたくさん実っているが、誰も採って食べない>

2)「朝は積極的に頭や体を使おう」
「7時間眠ると自然に目が覚める」というリズムが出来るそうだ。スッキリ目覚められないなら、日の光を浴びる、シャワーを浴びる、歯を磨く、運動する…など、自分なりに目が覚める方法を工夫するといい。

『朝は黄金の時間』という言葉もあるが、積極的に頭や身体を動かす事が大事」と教授。

ちなみに最近人気の「朝カレー」だが、カレーには頭の働きを良くする物質が含まれており、記憶力を高める効果などが期待出来る。カレーをよく食べるインドではアルツハイマーが少ないという調査結果もあるそうだ。


▲<民家塀の「排水溝」から生えて、めいっぱい咲いている(家の人がテープで支えてあげていた)>

3)「ジョギング運動で前頭前野は鍛えられる」
久保田教授が7時間睡眠とセットで勧めているのが「ジョギング」。教授自身ジョギングを始めて1年間で18kg、2年間では23kgの減量に成功したそうだ。78歳になる今も1日10kgを目標に走っているという。

人間の行動の9割をコントロールしているのが「前頭前野」。『脳の最高司令塔』といわれるこの領域を鍛える事が『頭を良くする』事でもあるという。ではどうしたら鍛えられるのか。実はこの前頭前野、「考えたり」、「判断」や「決定」をしたりする時だけでなく身体を「動かした」時にも活発に働く事が解っているそうだ。

外を走りながら考える。走っていると不思議と「良いアイデア」が浮かぶという。外を走っていると目や耳から色んな情報が脳に入り、昔見たものと今見たものの比較したりする事でも脳は活性化されるそうだ。

「水泳」や「ダンス」、「ウォーキング」など、「ジョギング」以外の「有酸素運動」もOKだ。大事なのは「自分の意思で積極的に体を動かす事」。


▲<沖縄でも「クリスマス」のイルミネーションが盛り上がっている(パレット久茂地)>

4)「歌う事で言葉の能力が高まる」
音程やリズムを自分で考えて声を出した方が脳は活性化される。子供の能力を伸ばすという点から見ても「歌う事」は有効だ。音を聞いて理解する力がつくため、外国語を理解する能力が高まるそうだ。

音楽繋がりでいけばピアノもお勧め。指先を動かす事で道具を使う事が上手くなり、字を書く、絵を描く、料理をするなど、何かを自分で作り出す力、創造力がつくそうだ。


▲<パレット久茂地のバス停>

『脳にいい生活』のために良い習慣やコツは色々あるが、大事なのは「楽しくやる事」(ストレスを感じては逆効果)。

最近の研究では、ストレスが長期間続くと脳の働きや記憶力が低下する事が解っているそうだ。

仕事が忙しくて睡眠が満足に取れない人が、『眠らないでやればなんでも出来る』というのは幻想だ。

睡眠時間を削って、何かをするのは間違った事。先ずはその事を企業のトップや政治家に知って貰いたい。

※マイナビニュース「脳科学の権威・京大名誉教授久保田競氏が勧める"脳にいい生活" 」インタビュー:金子えみ (2011/04/04)より 抜粋しました

「アルツハイマー病」にならないようにするには

2015年12月18日 00時05分00秒 | 生き方

▲<「アロエ」の花が咲いている>

最近、TVで「アルツハイマー」「認知症」の特別番組が多くなった。

団塊の世代が、ホチボチその病気を発症する時期に入ったという事か。

少し前のTVで、伝えていた。

1)「運動」が記憶を助ける
一日に30分の運動で、「脳内の海馬」が、大きくなるらしい。

2)質の良い「睡眠」が、アルツハイマーを防ぐ
尿は夜作られる(アミロイドベーター)を排出しないといけない。

3)いつもと「違う事」しよう!
同じ事(ルーティン)を繰り返していると、脳を使わなくなる。

4)「音楽」をよく聞こう
脳に音楽を入れると、健康な脳になる。

キーワードは、「運動」「睡眠」「違った行動」「音楽」になるようだ。



「平均寿命」より、「健康寿命」を意識して生活をする事が重要だ。

※ちょうど12月17日の23時台、NHKの「夜の深夜便」を聞いていたら久保田競さん(京都大学脳学者)が、「走れば脳が活性する」と話されていた(この話は面白いので別途書くことにする)。