▲<京都北部美山地区の「美しい風景」>
今回は、私が興味を持った、地方の「村・町おこし」の成功事例を紹介します(一部)。
(1)「山でキャビアを生産」(宮崎県小林市)1983年から山奥の水産試験場で試行錯誤の末、養殖に成功したらしい。
(2)「ローマ法王にコメを食べさせた」(石川県羽咋市)市役所の臨時職員が、米で限界集落を立て直す(唐沢寿明主演でTVに)。
(3)「役所が住宅を売る」(岐阜県東白川村)役場職員が、村の原木を売りたいがために、地元工務店を使って木造住宅販売を行う。
(4)「立て直し不可の古家活用」(広島県尾道市)坂の上に現存する、立て直し不可の古家を「空き家バンク」を創設して、若者を呼び寄せた。
(5)「地元の食材で商品化」(島根県隠岐の島)地元のありふれたサザエを使いカレーを作ったら大ヒット!(その後各地で名産品が出た)。
▲<沖縄南部「奥武島」、「イカの天日干し」風景>
(6)「地元の雑魚を高級魚に」(山口県萩市)地元では、見向きもされなかった雑魚を県外から来た「道の駅」駅長が、ヒットさせた。
(7)「村長の改革」(長野県下条村)地元民間社長が村長選に出馬。当選後、村役場改革を断行し、全国有数の高い出生率になり奇跡の村と言われる。
(8)「移住者を増やす」(神奈川県相模原藤野町)村の産廃開発を諦めさせて、「ふるさと芸術村」へ変貌させ移住者が増えた。
(9)「葉っぱビジネス」(徳島県上勝村)農協職員が始めた葉っぱビジネスが成功し、1,000万円を稼ぐ老女も出現(映画化された)。
(10)「山村の加工品」(高知県馬路村)人口1,200人、森林96%の山間地で、「ゆず加工品」で、年商33億円へ。
(11)「コウノトリで復活」(兵庫県豊岡市)絶滅したコウノトリの野生復帰を目指し、市を挙げて「エコロバレー」へ。
(12)「バイオマス産業」(岡山県真庭市)材木の廃材や間伐材活用の発電施設を建設し、市全世帯半分の電力を供給(他の村にも拡がる)
(13)「子育てシングルマザーを呼び込む」(島根県江津市)全国のシングルマザーに、「住宅」と「職」(介護ヘルパー補助)を用意した移住促進策で母子増加。
特に、(12)のケースは凄い!中国山地の山間地の製材業銘建工業の中島浩一郎社長は、1997年に廃材を活用した「発電施設」を開発した。以後、研究を重ねた結果、出力は1時間当たり2,000KWになった。工場で使用する電気は、ほぼバイオマス発電でまかなえるようになり、余った電力は電力会社に売っている。電気代が1億円節約出来た上に、売電で5,000万円の収入を得ている。しかも、毎年4万トンでる木屑処理に、年間2億4,000万円掛かっていたのがゼロになり、全体で4億円も得するようになった(発電設備の建設費は10億円だったが10数年で償却出来たらしい)。さらに、製材所から出る木屑は、発電では使い切れずにいたが、「ペレット化」した固形燃料は、灯油と同じコストで、ほぼ同じ熱量を出す燃料に変え、21世紀型の新商品(キロ20円)を販売出来るまでになった。
・・・等々、全国の県市村町で、「おらが村・町の再生プロジェクト」が、ここに書き切れないくらいたくさん進んでいます。
しかし、やっている人達には、四面楚歌の中で、長期間苦労の日々が、続いているのも少なくない・・・。
でも、今やらなければ「廃村・廃町」になるしかないのです(人口が減るという事は、そういう事なのですね)。
よそで起こっている悲しい出来事は、他人事ではなく、間違いなく自分の村や町に起きるのです(もう、すでに起きています)。
※次回は、地方自治体で起きている「公共施設の廃棄処分」の問題に絞って書きます。