会社にて。
デスクワークの合間に、ちょいと給湯室へ、と廊下に出たら、
事務のおばさんが立ち話をしていた。
ふぅん、と思いながらそのまま用を済ませてきて、
ふたたびデスクに戻ってお仕事。
やがて、同僚の1人がどこかに出て行って、
しばらくして怪訝な顔して帰ってきながら、「なんか、廊下のどこかから、カレーのすごーくいい匂いがしてるんですけど・・・」
――あっちの部屋の事務の人がね。 お弁当にお家から昨日のカレー持ってきたんだけど。
部屋で食べるとすごーく匂ってみんなに悪いから、そこのオープンスペースで食べてるんだって。
こともなげにスラスラ答えられちゃったものだから、
その同僚がさらに目をまん丸くして、「ヒイラギさんて、なんでもご存じなんですねー!」
それをハタで聞いてた別の同僚いわく。「すごく忙しいはずなのに、周りの細かいことがよく見えてて、
しかもいつも楽しそうですよね。 気持ちに余裕ありますよねー」
あー。 なんか分かった気がした。
それでみんな、何事も「ヒイラギさんにきけば分かる」て思ってるんだな。
べっつに、細々したことが視野とか耳に向こうから当たり前に飛び込んでくるだけなんだけどね。
むしろ、世の中の人たちのほうがみんな面白いんだなあ、って思ってたんだけどね。