自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ジャコウアゲハ観察記(その287)

2013-11-10 | ジャコウアゲハ

先日,ヨッさんと河川敷に出かけた帰り,ジャコウアゲハの最大棲息地に寄りました。今年は食草が刈り取られることが多かったので,めっきりその数が減りました。ウマノスズクサと幼虫・蛹の状況を点検したところ,かろうじて,いくつかの個体が見つかりました。蛹はトタン板や鉄板,栗の幹に付いていました。幼虫が二個体いて,まだ食餌行動をしていたので,びっくり。終齢幼虫でした。これが今季の締めくくりになるでしょう。 

 

ウマノスズクサの葉に穴が盛んに開いたものが見つかりました。葉脈だけが残っているような無残な姿のものもありました。いったい何ものの仕業かとふしぎに思って確認してみました。これまでに,ジャコウアゲハの幼虫以外にウマノスズクサを食するものは一つしか確認していませんでした。その一つとは蛾の幼虫でした。

今回のものはそれとは食痕が違うので,とにかく探し回りました。それほどに,あちこちの葉に穴が開いていたのです。そのうち,カタツムリが付いた葉が一枚見つかりました。 

 

近くの葉数枚に,黒いものが付いた状態で見つかりました。「カタツムリの排泄物かもしれないし,他のものかもしれない。早合点しちゃいけない」と思い,持ち帰って確認することにしました。 

 

結果,正体は排泄物で,長めのものでした。緑色が混ざっているのは明らかに葉の色でしょう。かたちから推し量ると,やはりカタツムリのウンコとしかいいようがありません。さらに,排泄物の周りにはカタツムリが這った跡形が光って見えました。 

結局,ウマノスズクサの有毒成分アリストロキア酸はカタツムリには効き目はなさそうです。 

ときどきであれ棲息地で観察を続けることで,チョウの実態に迫るヒントが得られるのだと思いました。