自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ダンゴムシと送粉

2013-11-17 | 生物

ふつう目にすることがないためにほとんどその実態が見えない暗闇の世界。そこで活動する虫たちに多少の興味があって,我が家の前栽に咲くツワブキを観察しました。

すると,とても驚く世界が見えてきました。その一つをご紹介しましょう。

夜,懐中電灯を手にそこに行ってみました。すると,黒っぽいものが花に付いていました。「なんだろう」と思って,メガネを付けてようく見ると,なんとダンゴムシでした。わざわざ花に取り付く格好をしていました。ということは花,つまりオシベ・メシベに関心をもっていたはずです。

懐中電灯で照らして写真を撮っていたら,光を感じて退散していきました。 

 

時間が経ってからもう一度行ってみると,一つの花にダンゴムシが二匹付いていました。 よほど関心がありそうです。

その近くの花に,別の一個体がいました。その格好のスゴイこと! 逆立ちそのものです。花との関係を考えざるを得ない姿! 頭を花の中に突っ込んで,脚はオシベをつかんで,というふうだったのです。 花粉を食べていたのでしょう。 

 

ダンゴムシのこうした動きは,送粉になにがしか役立っているのではないでしょうか。そう思って調べると,なんとダンゴムシはハランの送粉虫としての側面を持つのだとか。我が家にもハランがあります。ダンゴムシとハランとのこの関係,知らなかったー!

夜の生きものを観察したことで,新しい事実が見えてきました。「ほっ,ほーっ」の世界です。

 


雨模様のキクを訪れた昆虫たち

2013-11-17 | 昆虫と花

キク科植物の花は秋の代表。我が家の庭でも,キクやツワブキが咲き誇っています。小雨が降ったり止んだりする一日,花を観察していると,結構虫たちが集まってきています。からだをすこしぐらい濡らしても,へっちゃらという感じです。あるいは,よほどのごちそうがそこにあるのでしょう。

ハナバエの仲間が来ていました。体長5mm。口吻を伸ばして蜜を舐めていると思うと,すぐに口吻の掃除にかかったりしていました。

 

名はわかりません。シマバエの一種でしょうか。 透明感のある褐色をしたハエが,夢中になって蜜を舐めていました。とても小さいので,目を凝らさなくてはその存在がわからないほどです。 

 

ホソヒラタアブは常連です。 これはオスの個体。

 

ヤガ科の一種と思われるガが一匹,じっとしていました。もちろん,蜜を吸いに来たのです。 

 

ツワブキにハナバエが一匹。複眼が濡れて,からだに花粉が付いて。 じっとそこにいて,離れようとはしませんでした。

 

すこしぐらい天気が悪くても,匂いと色とで,キクはなんとか虫を誘おうとしています。これらの昆虫はこの作戦にうまくのってくれました。種子をつくって種族を維持しているためには昆虫の“手”を借りなくてはならないのです。