古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

ギンパイソウが咲きはじめました。

2019年05月28日 04時15分33秒 | 古希からの田舎暮らし
 裏山に張った芝生に、『銀杯草』(ギンパイソウ)が咲きはじめました。6月から8月にかけて白い花が地面をおおいます。

 宿根草です。花が咲くまで姿は見えません。花が咲きはじめるとつぎつぎと咲き、長くたのしませてくれます。アルゼンチンからの外来植物ときくと、真っ直ぐな地平線の向うまで、白い花におおわれた大地を思い浮かべます。
 ギンパイソウは母が文学仲間にもらった草です。

 母は64歳のときに、山陰の田舎町から神戸に出てきました。
 田舎で「引きこもり」だった末っ子の弟は、25歳のときに神戸に出てきました。神戸に出てからは自動車学校に通って運転免許を取り、職業訓練校で写真植字を学び、印刷会社で働くようになりました。
「弟の〈飯炊き女〉になる」という大義名分で、都会に憧れる母は神戸の市営住宅に出てきました。父も引き連れて。
 市営住宅から一年で、新しい2階建ての「連棟ハウス」住宅に移ることができました。その庭に、母はギンパイソウを植えました。街に出てから友だちになった、文学仲間にもらった草です。
 ギンパイソウは「弟や父と母の暮らす連棟ハウスの庭」に咲きはじめました。手入れしなくても毎年しぶとく咲く花です。母は94歳のときに、いまの三木市口吉川町に引っ越してきました。30年暮らした神戸を離れることに強く抵抗しましたが。
 ギンパイソウは、神戸の家を離れるときに、三木の家に移植しました。
 
 父は1997年に神戸の団地で亡くなりました。享年89歳でした。多くの親族が集まることのできた最後の葬儀になりました。弟は2017年に心筋梗塞で急死しました。享年68歳でした。母はこの3月に105歳10ヵ月で亡くなりました。
 我が家の庭でも裏山でも、そしておそらく神戸の連棟ハウスの庭でも、ギンパイソウはこれからも咲き続けるでしょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする