hiroshi hara: saxophoniste

日々の思考の断片

渡仏へ

2012-10-25 23:55:52 | 藝大
今日は藝大レッスンだった。

私の弟子の一人、本堂誠くんがこの度、パリ音楽院への入学が決まって、来週渡仏することになり、今日は彼の最後のレッスンだった。

彼とは、一昨年、ディナンのコンクールで知り合い、そして昨年から私が藝大に来て、何の因果か、私の弟子となった。

譜読みが早く、試験やコンクール前でもエチュードをコンスタントにさらってきて、今年2月のサックス専攻生定期演奏会の際には、パリ音楽院受験のため出演することができず、だからと言ってその演奏会とメンバーのために作曲をして、自分自身も受験の準備がある中で、なんとも優しく粋なことをしてくれる。
私がこれまでレッスンしてきた中で一番巧い学生だった。

レッスンすることなど無いのではと思わせるほどの実力を持ってはいるが、しかし演奏家になるためには、まだはまっていないピースが何かしらあり、彼もそれに気付いているからこそフランス留学を決めたのだろうと思う。

ちなみにパリ音楽院に入学した日本人の殆どは、まずは数ヶ月から数年間、フランスの地方音楽院やパリの市立や区立の音楽院で学びながら語学や文化を学び生活に慣れ、その上で受験するのだが、彼のように日本からダイレクトに受験して入学を決めたのは、ドゥラングルクラスでは平野さん、大石くんに次いで3人目となった。
しかし、今は昔と違って年齢制限も下がり、フランス語検定資格も必要になったので、彼の合格は驚異的なものと言えるだろう。

大学院を休学するので、数年後にはまた藝大に戻ってくるそうだが、おそらく私のレッスンを受けるのは今日が最後になるだろう。
もちろん彼との付き合いはこれからも続くが、今度会ったときの、成長した姿を見るのが楽しみだ。

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