浜床のふろしき

尾道市因島から日常を記します

安神山

2015年09月27日 | 日常








9月も下旬になると、散策に出かけるには良い気候になってきました。
今回は大三島の安神山(あんじんさん)に登って来ました。

朝の8:40頃に大山祇神社を出発して、わくわくパーク横を過ぎると登山道らしくなってきます。
少し進むと写真のように「安神山↑」「安神山(くさり)→」の案内札が見えました。

迷うことなく、「安神山(くさり)→」へ進みます。
あとで、少々、安易に考えていた事を後悔するのですが…。

途中までは山道ながらも人が通った跡があり、草も刈られていたのですが、徐々に道が草に覆われて進みにくくなります。
そして、ついに一本目の鎖が現れます。
見上げて苦笑してしまいます。
約20mの鎖がかなりの角度で延びているのです。
引き返すわけにもいかずに、鎖に手をかけて登ってみると意外にスルスルと登れます。
登り切って、後ろを振り返ると高所恐怖症の僕は震えました。
「これ、落ちたら死ぬじゃん…。」

そんな恐怖を植え付けられた一本目の鎖を後にして、また草に覆われ、さらに岩だらけの道を進みます。

すると、現れましたよ、二本目の鎖が…。
草に覆われて先は見えないけど嫌な予感しかしないです。
そして数m登ると、大きな岩壁とほぼ垂直に垂れ下がる鎖が見えました。

はははっ(笑)
思わずどこかに迂回路が無いかと周りを見渡しましたが、見事な絶景が逃げ道など無い事を僕に告げます。

あの時、「安神山↑」を選んでおけば良かったと今更思っても仕方ないと腹を括って鎖に手を伸ばします。

足場も少なく、鎖にぶら下がりながら、先ほどの「落ちたら死ぬ」が頭を過ぎります。
鎖を握る手に必要以上の力が入っていますが、もう自分の命を握っているのだから仕方ないです。

色々なことが頭を駆け巡る中、やっとの思いで鎖を登り切りました。
そこから十数m登ると、そこには僕が探し求めていた一般道との合流地点が現れました。

いや、鎖を登る前に現れてよ、本当に。

そこから頂上まで数十mを歩き、ホッとひと息つきました。

あらためて心を落ち着かせて考えてみると、凄くいい経験をしたと思います。

途中では逃げ出したくなるような厳しい道を進む経験はなかなか出来ません。

「人生の岐路に立つとき、厳しい道を選びなさい」
昔、父親に言われた言葉を思い出しました。