気の良くて、人と争うことが苦手な選手の集まりだというのが、彼らの印象でした。
案の定、昨秋からの公式戦では、なかなか勝てない日々が続き、またその状況を自分たち自身で「仕方がない」と思ってしまうような気の弱さを感じる選手たちでした。
そんな中学3年生の彼らにとって、中学生活最後の公式大会である「高円宮杯」の予選が8月末から始まりました。
僕たちのチームが所属する地域は参加チーム数が少ないため、県大会(県ベスト16チーム)に出場できるのは1チームだけです。
今まで悔しい想いをしてきただけに、この大会にかける想いは強かったでしょうが、また反対に自分たちの力に自信を持てなかったのも事実でしょう。
しかし、一戦ごとに成長していく彼らの姿を見ることが出来ました。
そして、最終戦となった試合では一人一人が、チームが勝つために走り、身体を投げ出し、声を出す姿を見せてくれました。
彼らは、仲間の失敗を責めたり、笑ったりしません。ただ仲間が頑張ろうとしないことを叱ります。もっと出来るだろうと・・・。
そんな不格好でも真剣に物事に取り組んでいる姿を見て、誰もが感動したのではないでしょうか。
僕が伝えたかったモノを彼らが表現してくれたことが何よりも嬉しく、試合中にも関わらず涙が零れました。
地区予選を勝ち抜いた彼らは県大会に進みます。
もう少し、彼らと一緒にサッカーが出来ることに感謝しつつ、楽しみたいと思います。