虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

朝日の教基法改正報道

2006-11-26 | 新聞・テレビから
安部政権が発足してから、朝日新聞が、教育基本法改正について読者にいかに問い、報道しようとしているのか、チェックしてきた。9月25日から調べてきたけど、衆議院で11月16日に可決するまでの52日間で、教育基本法改正についての是非を論じるという形では、3件(一つは、ウイークリー教育で、教育改革がテーマ。賛成反対両方の識者の意見、一つは立花隆の意見、そして「疑問が残る」という社説)。国会報道は11回、国会の審議はケシゴムほどのスペースの記事だが、半分は11月になってからで国会可決1週間前になってからだ。

朝日の紙面にかぎっていえば、教育基本法改正という言葉よりも、「教育改革」「教育再生」という言葉のが多い。何度も書いてるけど、安部さんは教育基本法改正を今年の最重要課題と正直にいっているのだ。その重要さをぼかし、構造改革と同じく、またすりかえ戦略を使っているのはマスコミ。来月には参議院でも可決だろうが、国会審議報道も「いじめ」など他の議論で基本法はかすむにちがいない。実際のところ、教育基本法はもうどうでもいいのだろう。安部政権に協力しているとしか思えない。

今日のトップは「いじめ国が緊急調査」だ。相談員を拡充して補正予算に計上とある。再生会議も、いじめた子は出席停止、などと提言するそうな。早急な対策をとっているポーズで、いかにもまじめに対処している風。
しかし、「いじめ」や「教育」という大問題を深い原因の追究も議論もなくバタバタと応急措置的に政策を決めてしまっていいものだろうか。すりかえで、また、他のものまで変わってしまうのではないか。こわい。

昨年の7月には、自殺者が3万人を超えたということで、政府は、すぐに自殺救援拠点センターを設置し、そのための予算も増やすと発表したっけ。あれは、今、どうなってるのだろう?

タウンミーティングのやらせを進めた小役人もおそらく周囲では仕事のできる人だったのだろう。小賢しいことをバタバタ決めてかえって事をあやまてしまう。これは老子がよく注意することだ。今の世で大きな顔をしているのは、根本のことを考えないこんな仕事師ばかりではないのか?

「いじめ」は子供の世界だけではない、日本社会全体が「いじめ社会」になっているではないか。子供に何をしても、大人が社会のいじめ構造に立ち向かわないと信じてくれないと思うのだが。

画像は近所から見た山。