虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

荘子と剣道

2006-11-13 | 読書
有名な古武道家甲野善紀も荘子が好きなようだ。
かれは、「剣の精神誌」といって、無住心剣術の研究ノートみたいな本を出している。たしか時代劇「雨あがる」の主人公も無住心剣術ではなかったか。

「無住心」。禅語だろう。いかにも荘子もいいそうな言葉。剣術の流派の名前には、「無」という言葉のつくのが多い。禅と荘子は兄弟みたいなもの。禅はしゃべらず、荘子は雄弁饒舌だけど。
江戸時代の剣の極意書である「猫の妙術」という作品も、荘子の思想にもとづく。

現代のスポーツ選手でも、ひそかに荘子を読んでいる人は案外と多いのではないか。試合でのプレッシャー、勝敗へのこだわり、失敗への恐れ、試合を決するのに、最後は、自分の精神状態だ。

実力はあるのに、自己にこだわって、ふだんの実力が出せず、自然な行動ができないことはよくある。試合だけでなく、実人生もだが。

ほんとに、自分にかまいすぎて失敗する、ということはよくある。相手が見えず、聞こえず、の状態になる。

武蔵が巌流島で、時間に遅れに遅れ、相手を怒らせる言葉を言ったのは、渾身をこめた兵法だった。小次郎は武蔵にたぶらかされ、平常心を失った。
わたしたちも、小次郎ではないか。小次郎は、武蔵のあの一言になぜ自分を失ったか。どうしたら、武蔵に勝てたのか。なかなか、むつかしいよな。

剣道は習いたかった。大学の体育の授業で剣道をとったけど、最初の授業で、女の子(経験者)にボカボカ頭を打たれ、あほくさくてその日にやめてしまった。


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