虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

NHK「坂の上の雲」ナレーション

2009-11-30 | 映画・テレビ
昨日は、内藤亀田戦の合間にチラチラと「坂の上の雲」を見ていた。
文句をつけず、素直にドラマを楽しんだらいいのだけど、文句爺は悪口言うのが好き(笑)。

ナレーションで司馬遼太郎の一説を流すことにある危惧を覚えた。
一小説家として、司馬が小説の中で、自分の考えを語るのはいい。読者も本を通して司馬と対話することになる。しかし、これが、テレビのナレーションとなると、どうも一小説家としての司馬の顔が消え、公共放送としての別物がものを言っているように聞こえる。司馬もそれは望んでいなかったのではないか。

変なのがあったぞ。司馬はわかりやすく極端にものを言うけど、そのフレーズだけを画面に文字つきで出されると、待ってくれというのではなかろうか。

「明治維新は士族の革命だった」。ナレーションは言い切る。待てよ。百姓も町人も参加したし、士族の大半は革命に反対したぞ。

よくわからないのは、次の言葉(メモしてないので、正確ではないが)

「この歴史的変革の経費は諸大名が自腹を切って払った。その代償が廃藩置県。何のための明治維新であったかと武士は思っただろう」。

大名の経費は領民たちから集めた金ではないか。自腹とは何だよ。恩着せがましい。しかも、倒幕のための費用をすべての大名が払ったわけではない。なんのための明治維新だったか?財産や地位を求めて明治維新をやった武士はいないだろう。実に、断片的で誤解を与えるフレーズだ。司馬もこんなことは言ってない。あっちこっちから司馬の片言隻句を取り出して構成しないでほしい。テレビの洗脳力は大きいのだから。渡辺謙がナレーションだからいいだろう、というのはないぜよ。

終わりの出演者の名前が出るところで、脚本諮問委員会というのが出てきた。関川夏夫や松本健一とか7名くらいの名前があったけど、NHKの作った脚本を有識者に検討してもらった、ということ?政府と同じく、責任逃れをするつもりか?

これからどういう具合にドラマが展開するのかは知らないが、司馬の作品とはまったく異質なものができそうだ。軍人の敬礼するシーンや日の丸の旗がたびたび出るのだろうな。

これをNHKでドラマ化するように圧力をかけた人たちがきっといた気がする。
でも、来週も楽しみに見るつもり、がいなドラマになりそうやけん、注意しとかないけんけん(笑)


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