虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

豊下樽彦「昭和天皇・マッカーサー会見」

2010-03-03 | 日記
豊下樽彦の「安保条約の成立」を読んでから戦後史に興味がわいたので、岩波現代文庫の「昭和天皇・マッカーサー会見」をアマゾンに注文した。

今、アマゾンは新刊本は送料が無料だ。これはすごいことだ。本屋にますますいかないよ。このアマゾンとブックオフ、ネットのオークション、無数に生まれているネットの古本屋、電子ブック。本の流通はまさに大乱状態。だれかジャーナリストがレポートすべきだ。

それはさておき、この本も実に刺激的で、一気に読了した。

2000年以上も永きにわたって国を支配し続ける闇の血族、剣と鏡と玉の三種の秘宝を守り続けた者の正体は?などと書くと、まるで壮大なファンタジーかSF伝奇小説の宣伝文句のようだけど、あらためて、今なお魔法をかけられている国民だということを感じる。

といって、この本は上のようなことを書いているわけではない。戦後のマッカサーと昭和天皇の会見にしぼって書かれた学術的な本だ。

ポツダム宣言は天皇制を守るということを条件に受諾。アメリカの日本占領統治は天皇制を利用したが、天皇もアメリカの協力で戦争責任から逃れる。安保体制、アメリカが日本に基地を持つ、ということは天皇が望んだことのようだ。なぜか、天皇制を守るため、「共産主義」を防ぐためのようで、その点でアメリカと天皇の考えは一致したようだ。天皇のいう「共産主義」とは何か、ほんとはこれを明らかにする必要があるけど、今なお、この国では、この言葉は忌避すべきものとなっている。

この本は、昭和天皇が戦後も、「象徴」の枠を越えてすすんで政治的行動(発言)をしたことを史料にもとづいて明らかにするが、むろん、昭和天皇個人にだけその責任があるとは思えない。おそらく、天皇のまわりをかためていた者たち、天皇制を保持することで大きな利権をもっている支配階層がいるのだろうと想像する。

今でも、天皇について語ることはタブーであり、こう書きながらもこんなこと書いていいのだろうか、どこからか文句が出ないだろうか、などとちょっと心配したりする。

その点、幕末は違った。天皇を語ることは、理想を語ることだった。愛を語ることだった。清河八郎なんかは、天皇にしっかりせい、と叱咤したぐらいだ。
どうして、天皇はこんなに遠くなったのだろう。やはり神聖ににして侵すべからず、の魔法がいまもとけないでいるのかもしれない。

戦後史をもっと読もうと思っている。


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2 コメント

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Unknown (Av8)
2010-10-05 00:08:36


>>配階層がいるのだろうと想像する。

 なんだか、勝手な想像だけで自分好みの結論に結びつくのが可愛いですねw

ましてや、全く信憑性のない豊下樽彦だなんて輩につられるなんてねw
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Unknown (荘太郎)
2010-10-05 06:07:28
おはようございます。

>なんだか、勝手な想像だけで自分好みの結論に結びつくのが可愛いですねw

はい、自由に好き勝手に書ける、これがブログの楽しさですよ。

可愛い、っていわれてなんだか、照れてしまいます(笑)。

コメントありがとう!
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