虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

映画「なごり雪」

2009-01-25 | 映画・テレビ
昨日の深夜、サンテレビで放送しているのを知ったので、録画しておいた。
伊勢正三の歌「なごり雪」からイメージした作品で、監督は大林宣彦、舞台は大分県臼杵。まあ、想像していたような作品だった。

50歳を過ぎ、妻にも逃げられ、人生にやる気をなくしていた三浦友和に故郷の友人から電話。
友人の妻(それは三浦のかつての恋人でもあったのだが)が交通事故で危篤だという。28年ぶりに故郷に帰ることになる。
電車の中で青春時代を思い出すのだが、ちょっと藤田敏八監督の「帰らざる日々」と似ている。だが、監督が大林なので、「帰らざる日々」のようにどろどろした青春ではなく、淡く、清楚な作品に仕上がっている。だれの歌だったか度忘れしたが、あの「木綿のハンカチーフ」みたいなところもある。男は東京へいく。恋人は故郷で待つ。東京でのいそがしい生活の中で恋人への執着心も薄れる。しかし、これほど、思ってくれる恋人がいて、おのれも自覚しているのなら、なぜ、さっさと東京へひっさらっていかない。せっかちなわたしならそうする、と思ったけど、ヒロインはまだ16歳。それは無理か。しかし、故郷に帰るのに、女友達を連れて帰るなんて、なんたる無神経。それだけはぜったいにしないぞ。とにかく、青年時代の三浦友和は、ぼんやりして、無自覚、無神経、おぼっちゃん。それでいて、ヘッセの「車輪の下」などを読んでいる。救いようがない。

残念なのは、ヒロイン(須藤温子)。セリフが学芸会の言い回しで、まったく魅力がない。せっかく臼杵の石仏祭り、竹田の岡城など、臼杵の風景を舞台にしているのに、ヒロインが詩的雰囲気にあわない。映画のセリフの中に、「なごり歌」の歌詞もでてくるが、歌をイメージした一種のメルヘン映画でもある。

50歳を過ぎると、過去を懐かしみ、過去の人を思い、過去の土地を訪ねてみたいというのは、みんなある。50歳を過ぎた人のための青春映画かもしれない。

映画の冒頭は伊勢正三が「なごり雪」を歌う場面(伊勢も大分県出身らしい)。この曲はたしかに名曲だ。人それぞれに自分の過去を思い出させる。

この番組(ミドナイトシアター)、来週は「リンダリンダリンダ」をするらしい。

一般企業に公的資金

2009-01-25 | 新聞・テレビから
昨日の夕刊だったけど、「一般企業に公的資金」という記事が出ていた。景気悪化にそなえ、政府は一般企業に対しても支援する。税金を投入する、というものだ。一般企業といっても中小企業ではなく、大企業だ。
企業から、つぶれる、たいへんだ、資金を投入してくれ、という嘆きの声などなにもないのに、いわれなくても政府は自らこんな政策を打ち出す。これは、今国会で法改正案を出すという。朝日は、政府発表の報告だけで、なんの解説もコメントもしていないけど、これは黙過することではない。朝日は、政府の出番だ、大胆な政策を、といっていたが、これもそのひとつかいな。
税金を注入する企業を決めるのは、民営化された日本政策投資銀行。なにか匂うぞ。