虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

奈良 古書喫茶「ちちろ」

2009-01-17 | 日記
いつか古本喫茶みたいなものをしたいと思っているので、今日は奈良の古本喫茶を訪ねてみた。
奈良町の古書喫茶「ちちろ」。「ちちろ」とはコオロギの意味らしい。奈良女子大学のそばということで、近くのスーパーの駐車場に車を止めて町家を探す。人通りは少なく、静かなところだ。歩いている近所の人に聞くが、「知らない」という。歩いていた奈良女子大学の学生にも聞いたが「知らない」だった。わかりにくかったけど、やっと見つけた。

古い昔の町家をそのまま古本喫茶にしている。しかし、店の表に「古本屋」とかの大きな看板が出ているわけではないので、ここが古本屋だとは通り過ぎる人は気づかないかもしれない。喫茶もできる、ということも気づかない。

ドアを開けると、入り口に文庫本が並んだ棚があるので、やっぱりここだ。
主人が出てくる。映画「殯(もがり)の森」で主役を演じた宇多しげるさんだ。あの映画の顔と同じ(ただし、映画より若々しく、すっきりしている)。

町家の部屋に3つか4つテーブルをおき、ざぶとんがしかれている。古本屋というよりも、本好きの人の部屋に通されたという感じ。本もかなり古く、自分の古い蔵書を並べている感じで、ピカピカの売り物というものはないようだ。おそらく、せどりなどもあまりしてなく、古本屋としての売り上げを上げようという気はないのかもしれない。4年前にここに移転したという。ここは種田山頭火も立ち寄った町家らしい。

ミーハーなので、ほんとは、あなたがあの映画に出た人ですか、とか聞きたかったが(笑)、さんざんこれまで聞かれたことだと思うので、黙っていた。コーヒーをたのんだ。自分で豆をひいて入れているようで、かなり時間がかかって出てきた。他に客はなし。音楽が流れているが、懐かしいプレーヤーでレコードが回っている。10人も入ったらいっぱいになるかもしれない。しかし、ここは1時間でもゆっくり昼ねをしていてもゆるされる感じ。棚から好きな本を取り出して座って読んでいてもいい。あまりお客さんは来ないにちがいない。

ここで「南部三閉伊一揆と現代」(400円)を買った。
灰皿が置いてあったら、もっとゆっくりしたのだが、タバコがないと落ち着けない私はコーヒーを飲み終わると立ち上がった。ここから東大寺の裏参道を歩いて二月堂まで10分の距離と聞かされて、二月堂、三月堂へいくことにした。