らんかみち

童話から老話まで

どうせ俺は用心棒だよ

2009年05月05日 | 暮らしの落とし穴
 日ごとにうずたかく積まれていくツバメの巣を見ながら、なかなかしっかりした粘土を使ってるじゃないか、と巣を壊してその土でロクロ挽きしたくなる衝動を抑えるのに難儀してます。

 しかし元からあったこの巣にツバメが入るまでには曲折があって、去年は窓を開ける時期が遅れたせいか見向きもされませんでした。今年もなかなか入ろうとしなかったのは、日ごろ住まいにしていない倉庫代わりの家だからかもしれません。

 ツバメにとって人は用心棒なんでしょう。人が住んでいたらカラスも来ないし猫も入らないので、安心して子育てに専念できようというもの。それが証拠にときどき覗いて見たら、巣をカムフラージュするかのように、あちらこちらに糞を振りまいているんです。いくら住まないあばら家といっても、糞だらけにされたら廃屋そのものの有様。仕方ないので子どもが巣立つまでの用心棒として、ぼくが寝泊りすることにしました。