らんかみち

童話から老話まで

怖い話で無念の優秀賞

2009年05月14日 | 童話
 どうしてだか怖い話ばっかり入選して、本当に入選してほしい童話がさっぱりいけません。おれはメバルを釣りたいのに、鯛みたいな外道が釣れやがって、と今日いただいた入選通知を見て不遜なことを考えてしまいました。もっとも、鯛にしたって横綱に進呈できるほどの大物なら罰当たりなことはいわんけど、優秀賞ではたいした金にも実績にもなりません。
 
 今回入選した怖い話の公募も文庫本でシリーズ化されていて、ぼくも1冊読んだことがあるけど内容的には前回入選したシリーズより大人向け。ストーリー展開の怖さを追求するというより、物語の裏側にある人間臭さみたいなものを重視する、いわば怖いエッセイでしょうか。
 実際、今回の作品もほぼ毎日書いているこの日記の延長で、ポイントになる部分こそ実在の人物がモデルなので書いてないものの、いつか応募しようと下敷きになる部分は書いておきました。
 
 締め切りぎりぎりに郵送したような気がするので当時の日記を読み返して見ると、1月6日に書き始め、13日に当日消印をもらったようです。書き上げるのに3日というのは下書きができているから当然として、推敲に3日というのは少なすぎる。あと1日余計に推敲していたら、もしかして最優秀賞に手が届いていたでしょうか。
 たいして怖くはない話だけど、似たようなモチーフを扱った作品が過去になければ佳作にはひっかかるだろうな、と手ごたえはあったから、本当にもう一歩だったかもしれない。なのに優秀賞とは、なんとも悔やまれる結果となりました。

「次の電信柱まで走ったら止めよう、その電信柱まで来たら、また次の電信柱を目指して走ろう」と、マラソンを走り続けた君原健二選手のように、推敲でさじを投げた時点が文芸のゴールなんですねぇ、もしかしたら永遠にやり続けないといけないのか……。