らんかみち

童話から老話まで

今回の尾道はハズレ

2008年02月28日 | 暮らしの落とし穴
 今年市制110年を迎える尾道市は、映画の町と銘打って観光客誘致にいそしんでおられると聞き、「おのみち映画資料館」などを観てきましたが、大変驚きました。二階建ての土蔵のように立派な建物の中に展示されていたのは、古い映画のポスターとロケ中の写真が貼り付けられているだけだったからです。でもオールドファンには喜ばれそうです。
 
 これで入館料500円か!と、あっけにとられつつ隣りの「おのみち歴史博物館」を覗いてみますと、いくら映画資料館と抱き合わせの無料だからといって、大したものを置いてないじゃないか! と、暴れようかと思ったんですが、受付のお姉さんが美人だったのでやめました。あそこで観るべきものは彼女だけだ、と私的に断罪したくなります。
 
 きっとお腹が空いているから腹が立つんだろうな、と駅前のうどん屋さんで尾道ラーメンを食べました。標準的な量で450円はこんなものだろうと思いますし、スープはとんこつがかった醤油に背油浮きという尾道ラーメンの王道を歩んでいましたが、なんと麺の不味いこと!
 
 菩提寺のお坊さんが先日の日記に、「カップラーメンの麺を上等にしたような……」と表現してましたが、カップ麺の方に軍配が上がるかもしれないと思いました。
 お客さんの多くは観光マップを小脇に携えた方ばかりで、地元の人がいない理由を悟りつつ、「あんたら、これをもって尾道ラーメンを裁かないでよ」とお願いしたくなるのでした。
 
 あの2軒の資料館は建物は立派です。歴史資料館などは大正時代に建てられたゴシック様式の銀行を改築したもので、もう後100年くらいは持つんじゃないかと思いますが、どこからともなく合併推進交付金のにおいがしてきそうでした。
 残念だったのは、一緒に行った連れが大変にせっかちな男で、尾道の真の良さが隠されているであろう路地を歩くことができなかったこと。この次は一人で歩いて観ようと思います。