らんかみち

童話から老話まで

蕎麦屋で稼ぐつもりなら

2007年08月03日 | 酒、食
 大阪で打つ最後になるであろう、うどんを打ちました。冷蔵庫には蕎麦粉もストックしてあるんですが、これは田舎に帰ったときに所望されたら打とうと思うので、今は手を付けていません。それに、今の時期の蕎麦粉は一年のうちでも最もおいしくないのです。と言っても、「蕎麦はつゆで食べるものだ」とおっしゃる方には何の問題も無いのかも知れませんが……。
 
 蕎麦うちは難しいです。まずい蕎麦だなって思いながらお店で食べたとしましょう。では何が原因でまずいと感じるのかといわれたら、それが分かり難いんです。
 蕎麦粉そのものが悪ければどんな名人が打ったところで美味しい蕎麦になるはずもありません。ですが、下手くその打った蕎麦だって、粉さえ良ければ美味しくなるのかと言えば、そうならないのが不思議なところです。下手くそは蕎麦粉を活かしきれないんですね。
 
 蕎麦もうどんもまだまだ中級者の域を脱していないぼくですが、こちらで打つ最後のうどんは、冷麦と間違われそうな夏向けの細打ちにしました。本当は太く打ったほうが小麦の味が分かるのかもしれませんが、このくそ暑いのに15分も茹でておれません。それに、つけ麺で食べたいと思っても太いと扱いづらいだけでなく、麺につゆが絡まり難くておいしくいただけません。
 
「田舎に帰って何するの?」っていうのが、このところのぼくに会った人の挨拶代わりの言葉のようですが、田舎に帰って蕎麦屋を開業しようなんて考えてはいません。蕎麦の味を評価するのは難しいのです。うどんと違って原価の高い蕎麦を売って儲けようと思ったら、蕎麦の味そのものより、店に付加価値を持たせなければ難しいでしょう。もしぼくがその方法を見つけたなら、そのときは蕎麦屋を開店します。