らんかみち

童話から老話まで

払いすぎは命取り

2006年10月19日 | 暮らしの落とし穴
 長いこと、固定電話がないとインターネットにつながらないと思い込んでいたので、ろくに使いもしないのにここ数年間、電話の基本料金だけを払い続けてきた。つまり電話機を使わないタイプ2というのがあることを知らなかったので、NTTさんに多大な奉仕をしてきたわけだ。
 自分が無知なだけなのだから、繰り言を吐いたところで恥をかくだけなのだが、この怒りにも似たフラストレーションのはけ口をどこに求めれば良いのやら。

 電話を引いたときに支払った権利金はかなりなものだったように思う。定かな記憶ではないが8万円くらいだったような……。で、今はいくらなのかとNTTさんに問い合わせたら3万6千円なのだという。
 しかし権利を返却してもこの金額が帰ってくるわけではないらしい。どうしても金に換えたいなら、市中の電話権利買取をしてくれるところに聞いてみろ、といわれて調べたら3千円にしかならない。しかし新しく権利を得るのは9千5百円で済むらしい。

 ぼくたちが子供のころ、世の中が進歩して豊かな社会になると生活がし易くなると教えられてきたし、ついこの前までそれを信じてきた。ところが豊かになればなるほど犯罪が飛躍的に増えてきたのはなぜだ? 
 世の中のシステムが難しくなればなるほど、ぼくのように社会に付いて行けなくなる人が増えた結果、犯罪に走るようになるのだろうか。それとも、もっと豊かな暮らしをしたいから犯罪でも何でもして金を稼ぎたいのか。

 信じられない数字だけど、イラク戦争で亡くなったイラク人は今日までで65万人に上るのだそうだ。どうやって数えたのか知らないけど、きっと自爆テロで死んでいく人も含んでいるのだろう。
 自爆といえば日本でも毎日のように自殺のニュースが報じられるし、一つの人格である我が子を、自分の所有物か何かと勘違いして無理心中するケースもある。こんな日本が自殺大国なのはうすうす感じていたが、世界一は韓国らしい。その内訳は、老人がかなりの部分を占めているのだとか。つまり生活苦を助けてくれない政府に抗議するような死に方をお年寄りがしていくという。

 この先ますます世の中の仕組みは複雑になっていくのだから、自殺者は急増して年金どころか国家そのものが疲弊するだろう。そして気が付いたら、日本はイラン人やブラジル人に頼らざるを得なくなっているんじゃないだろうか。と、ここまで電話料金払いすぎに腹立ち紛れに考えてみたが、気分は最悪。やっぱり情けない!