(承前)
工藤悦子さんは江別在住で、主体美術と新道展の会員。
時計台ギャラリーでは、隔年で個展を開いています。
今回の「apples(環)」と題された個展では、個々の作品には題がついていません。
冒頭の画像は、150号キャンバスをふたつ横につなげた大作。
(広角レンズのため、絵がゆがんで見えるのと、スポットライトが画面に反射しているのを、おわびします)
1990年代から21世紀初頭にかけて、一貫して青系の色と曲線を主体に、抽象の世界をつくりだしてきた工藤さん。
その後、10年代に入るあたりで、赤系の色を用いるようになり、画面に直線が入るようになりました。
「青系」とか「赤系」とかいっても、下地にはさまざまな色が使われており、削っては塗るの繰り返しが、深い色の画面を生んできました。
今回は、青でも赤でもない、微妙な中間色の背景が広がっています。
そこに、レモンイエローの、花弁のような、あるいは蝶の羽のような、薄い色の皮膜が覆いかぶさっているのです。
直線と曲線と面。
抽象絵画を構成する要素をバランスよく取り入れているといえそうです。
これは個人的な感想ですが、工藤さんの絵は、いわば「生命の原形質」とでもいうべき何かに届いているような、そんな気がするのです。
一方、小品のうち何点かは、スタイリッシュなアクリル製の額におさめられていました。
筆者が気になったのは、絵の四隅を貫通させて留めていること。なんだか、絵がいたましいような気がして、ちょっと驚きました。
2015年6月22日(月)~27日(土)午前10時~午後6時(最終日~午後5時)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3)
関連記事へのリンク
■工藤悦子展 (2013)
■工藤悦子個展 -悠久の華- (2010年)
■工藤悦子個展-悠久の華- (2008年)
■07→08展
■06年の個展
■04年の個展
■02年の個展
■01年の主体美術8人展
■00-01展(2000年末)
(この項続く)
工藤悦子さんは江別在住で、主体美術と新道展の会員。
時計台ギャラリーでは、隔年で個展を開いています。
今回の「apples(環)」と題された個展では、個々の作品には題がついていません。
冒頭の画像は、150号キャンバスをふたつ横につなげた大作。
(広角レンズのため、絵がゆがんで見えるのと、スポットライトが画面に反射しているのを、おわびします)
1990年代から21世紀初頭にかけて、一貫して青系の色と曲線を主体に、抽象の世界をつくりだしてきた工藤さん。
その後、10年代に入るあたりで、赤系の色を用いるようになり、画面に直線が入るようになりました。
「青系」とか「赤系」とかいっても、下地にはさまざまな色が使われており、削っては塗るの繰り返しが、深い色の画面を生んできました。
今回は、青でも赤でもない、微妙な中間色の背景が広がっています。
そこに、レモンイエローの、花弁のような、あるいは蝶の羽のような、薄い色の皮膜が覆いかぶさっているのです。
直線と曲線と面。
抽象絵画を構成する要素をバランスよく取り入れているといえそうです。
これは個人的な感想ですが、工藤さんの絵は、いわば「生命の原形質」とでもいうべき何かに届いているような、そんな気がするのです。
一方、小品のうち何点かは、スタイリッシュなアクリル製の額におさめられていました。
筆者が気になったのは、絵の四隅を貫通させて留めていること。なんだか、絵がいたましいような気がして、ちょっと驚きました。
2015年6月22日(月)~27日(土)午前10時~午後6時(最終日~午後5時)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3)
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■工藤悦子展 (2013)
■工藤悦子個展 -悠久の華- (2010年)
■工藤悦子個展-悠久の華- (2008年)
■07→08展
■06年の個展
■04年の個展
■02年の個展
■01年の主体美術8人展
■00-01展(2000年末)
(この項続く)