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■つながろう2018 TIME AXIS 時間軸 (2018年6月16~24日、札幌)

2018年07月20日 13時40分26秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 「チカホ」で毎年開かれている、ジャンルを超えたグループ展。顔ぶれも毎年異なります。
 今年はアップを忘れていて、すみません。

 今年の出品者は、上嶋秀俊/梅田力/Kit_A/熊谷文秀/佐藤一明/志摩利希/谷口大/戸山麻子/中島義博/西本久子/畑江俊明/菱野史彦/藤本和彦/武蔵未知/八子直子の計15氏。
 人数も年を追って増えているので、今年は一部だけ。

 冒頭画像は、八子直子さん「ぼくの舟」。
 もともと画家ですが、平面と立体の境界を軽々と飛び越える作家です。
 作品の裏側をのぞくと、子どもの顔が大きく描かれていました。


 ベテラン染色作家、西本久子さんのインスタレーション「ふぁー」。
 軽量な素材で作られ、きれいな色で染めた、おなじみのシリーズ。中空になっているので、空調の弱い風でもゆっくりと動きます。

 冒頭と2枚目の画像でわかるように、今年は、通路と展示スペースの間に薄い不織布をつりさげて、すっきりと全体を見せています。



 会場でいちばん驚いた作品がこれ。関東から北海道に帰り近年さかんに制作・発表している版画家の志摩利希さん「時の岸辺」です。
 たくさんの版画が重なって貼られていますが、なんとこれらはコピーではなく、本物の版画で、一部手彩色を施しています。版画は試し刷りなどを活用しています。
 ただし、左下の大きな人物と、右上の家は手描きです。なんだか、版画の世界から飛び出してきたようですね。

 会場にいらした志摩さんにお聞きすると、一般の人もたくさん通行する大きな空間に展示することを考慮して、こういう作品にしたのだそうです。
 サイズが小さいのはむしろ版画の美点だと思うのですが、やはり時と場合によりますよね。志摩さんの実験精神というか冒険心に拍手を送りたいです。



 熊谷文秀さん「ランナー」。
 ごつい存在感がありますが、小さな窓からのぞき込むと、パラパラ漫画の原理で、映像が動いているのが見える仕組みになっています。



 武藏未知さん「たね」(「藏」は蔵の正字)。
 武蔵未知さんは重い素材から変わらざるを得なくなってから、むしろ自由を得たような気がします。
 布を編んで、色もついていますが、これも彫刻でいいと思うと、作る方も見る方もなんとなく気が楽になってきます。
 


 こちらも、デザインの枠を飛び出して、いろいろなタイプの作品に挑戦している畑江俊明さん「不機嫌な時間に」。
 針金で作った三角柱?を11個組み合わせて構成した大作です。
 どんな作品でも、シンプルさが基底にあるのは、デザインの現場で鍛えた力だなあ~と感服します。



 佐藤一明さんは今回もストーブをかたどった彫刻を出品しました。
 題して「石炭ストーブ」。
 石炭を燃やすのではなく、石炭で作ったストーブというのが、この作品のキモというか、ユーモラスなところだと思います。

 ただし、これは真偽は定かではないのですが、ストーブなので非常口だか消火栓だかのそばに置くように指示されたといううわさ話を聞きました。ほんとうでしょうか。



 最後の画像。
 右側は中島義博さんの染色作品「悠久」。
 藤本和彦さんの立体「現象界ー廻」、上嶋秀俊さんの平面「ともしび」も見えます。


2018年6月16日(土)~24日(日)午前10時~午後7時(最終日~午後5時)
札幌駅地下歩行空間(チ・カ・ホ)北1条広場

@tsunagaro_jp

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