北海道美術ネット別館

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■立体四人面白半分展 (5月2日まで)

2009年04月30日 21時59分39秒 | 展覧会の紹介-彫刻、立体
 佐藤一明、野又圭司、林教司、藤川弘毅の4氏による展覧会。題とはうらはらに、なかなか真剣な展覧会だと思う。

 佐藤さんは木彫でストーブを作り続けている。今回は4点出品。
 よーく考えれば、木という燃えやすい素材でストーブをつくるところに、ひとひねりがある。
 これが金属製ならたんなるミニチュアで、彫刻にはならないだろう。

 野又さんは、1996年作という「人間たまごっち」。
 この展覧会で唯一、タイトルを持つ作品のようだ。

 もっとも、野又さんの場合、旧作でも、筆者が見たことのない作品ばかりで、記されている制作年はほんとなんだろうかと思うことが多い。
 表側が透明な窓になっている卵形の作品で、内部に、仮面をかぶった人間の胸像らしきものが入っているのが見える。
 窓には

I am hungry
I am angry
I am lonely
I am happy
……………
……………
……………
……………
I want to live
I want to die

と印字されていて、内部の人間が発する苦悩のつぶやきともとれ、作品はにわかに哲学的な色彩を帯びるのだ。

 藤川さんはもともと写真を撮る人だったが、この2年ほどは、海辺でひろった廃品を利用したユニークな立体も手がけている。
 今回の作品は、昨年の自我の形象展7に展示されていたものと同系列。水準器に似ているが、おもりは床面を指し示ししている。

 林さんは、つい先日の「北海道抽象派作家協会」展の出品作に、2003年の「北海道立体表現展」などに出した「飽食」シリーズを組み合わせたもの。
 ぐるぐる巻きにした新聞紙の薪は、およそ20×7×3センチほど。飽食シリーズのテーブル上から周辺にばらまかれ、会場全体に約180個が散らばっている。
 抽象派のときと異なり、「オバマ米大統領就任」「丸井今井再生法」「マンU頂点」といった大見出しや、聖教新聞の題号が見える(もらいものの新聞紙なので、道新、読売、スポーツ紙などが混在しているのだ)。

(この項続くかも)


2009年4月27日(月)-5月2日(土)10:00-18:00
ギャラリーたぴお(中央区北2西2 道特会館 地図A)


第36回北海道抽象派作家協会展(2009年4月)
=林さんの発表は膨大なため、こちらのエントリに過去の発表へのリンクをまとめています

BOX ART展
=林、藤川氏

自我の形象展7(2008年11月)
BOOK'S ART展5(2008年8月)
多面的空間展 VOL.9 (2007年)
=藤川氏

北海道立体表現展'03
くりさわ現代アート展(2002年)
新道展会員小品展(2002年)
=野又、林氏

北海道立体表現展'08
下町のコレクション展 2
北海道立体表現展’06
野又圭司展(2006年)
北の彫刻展(2004年)
札幌の美術2004
リレーション・夕張2002


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