北海道美術ネット別館

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■西本久子展 (2015年6月3~ 22日、札幌)

2015年06月14日 01時01分01秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 半世紀近くにわたって道内の染色の第一線で活躍してきた札幌の西本久子さんの個展。
 ずっと制作を続けている「ふぁー」シリーズのインスタレーションが、会場を軽やかに、カラフルに彩っていて、見ているこちらの気分まで軽くなりそうだ。

 「ふぁー」シリーズは、シルクオーガンジーという軽くて丈夫な素材を、人工染料で染めて作る。左右に違う色を溶かした容器を置いて染めるので、中央部分は、絶妙のグラデーションになっている。
 それを塩化ビニール管に巻き付けて、糸を巻いて圧縮する。4メートル超のものが50センチぐらいになるまで押しつけるという。その後で糸を外すので、布にはしわができ、色の濃いところと薄いところが生まれるとのことだ。
 蛇腹のような独特の形状を生み出すのも、なかなか大変なようだ。

 黄色や紫、ピンクやオレンジなど、さまざまな色に淡く染められた、バナナにも似た筒状の布が11本、会場の端から端へ、透明な糸でつり下げられている。
 張り渡された高さが異なり、北の端と南の端が高く、中央が低くなっているので、真ん中に入って見渡すと、虹の階段のようにも見える。

 西本さんは、昨年は上川管内音威子府村と網走で個展を開いているし、一昨年はギャラリー山の手でも個展を開催した。
 また、全国の意欲的な作家が出品する企画展「テキスタイルの未来形」にも参加しているし、海外のテキスタイル展にも出品しているし、道展の会員でもある。
 そういうわけで、非常に精力的に活動しているのだが、個人的には、広い会場で思い切り展示しているのを見るのは久しぶりなので、うれしかった。


2015年6月3日(水)~ 22日(月)正午~午後6時、火曜休み
Gallery Retara (札幌市中央区北1西28 MOMA place 3階)


土と布の対話-下沢トシヤ・西本久子二人展 (2006)
第34回グルッペ・ゼーエン展 (2004)
第33回グルッペ・ゼーエン七つの個展 (2003、画像なし)
第32回 グルッペ・ゼーエン展 (2002、画像なし)
第31回グルッペ・ゼーエン展 (2001、画像なし)



・地下鉄東西線「円山公園駅」・円山公園駅バスターミナルから約360メートル、徒歩5分
・同「西28丁目駅」から約540メートル、徒歩7分

・ジェイアール北海道バス、中央バス「円山第一鳥居」から約690メートル、徒歩9分
※小樽行き都市間高速バス全便(北大経由除く)と、手稲、銭函方面行きの全便が止まります。

※駐車場有り


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