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岩橋英遠の下絵やスケッチ、滝川市に寄贈

2018年10月23日 09時11分00秒 | 新聞などのニュースから
 2018年10月17日、北海道新聞空知版から。

 【滝川】近現代を代表する滝川出身の日本画家岩橋英遠(1903~99年)の代表作の下絵やスケッチ帳など計338点が16日、市に寄贈された。相模原市の英遠の自宅アトリエに残されていた資料で、滝川の市民団体が遺族から購入または譲り受け、市に贈った。市によると、英遠の創作過程を知る上で「貴重な基礎資料」という。

 寄贈されたのは、代表作「道産子追憶之巻」の下絵や未完の作品、20代から描きためたスケッチ帳127点、自宅アトリエで使った机や岩絵の具など画材41点。ほかに日本美術院展などに出品した日本画3点もある。

 市美術自然史館は現在、作品57点を収蔵しているが、今回は作品になる前の創作の様子などが分かる資料という。市美術自然史館の河野敏昭学芸員は「身の回りの植物や風景が細かく描かれており、当時、彼が見ていた世界が手に取るように伝わってくる」と話す。

 英遠の資金で設立された市民団体の岩橋ふるさと北辰振興会が長男敏文さんから日本画3点を2400万円で購入し、残りは無償で譲り受けた。振興会によると、敏文さんは英遠の死去後も「アトリエに指一本触れなかった」と話しており、保存状態は良いという。

 市美術自然史館で同日、寄贈式が行われた。(以下略)


 岩橋英遠えいえんは、滝川市江部乙生まれ。
 文化勲章も受けている、20世紀を代表する日本画家のひとりです。
 北方のロマンを、深い精神性とともに描く画風で、代表作「道産子追憶之巻」は、北国の四季を一日の流れに重ね合わせた長さ29メートルにおよぶ超大作。道立近代美術館が所蔵する作品でも、代表的な一点といえるでしょう。
 この下絵が見つかったということは、作品の成立史研究に大きく寄与しそうです。

 このほか、松浦武四郎をモデルにした「憂北の人」も同館にありますが、代表作は全国各地の美術館に所蔵されています。
 お膝元の滝川市美術自然史館は「北の木たち」などを所蔵しています。今回の寄贈で、コレクションがぐっと充実することになるのではないでしょうか。英遠について新たにわかってくることもありそうです。

 来年にも予定されているという公開が楽しみです。 


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