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小川マリさん死去

2006年05月10日 22時43分15秒 | 新聞などのニュースから
 5月10日の北海道新聞によると、最後の健在の全道展創立会員だった小川マリさんが亡くなりました。
日本の女性画家の草分けで、洋画家として最高齢の春陽会会員、全道展創立会員の小川マリ(おがわ・まり=本名三雲マリ=みくも・まり)さんが8日午後11時50分、虚血性心疾患のため入院先の東京都青梅市内の病院で死去した。104歳。札幌市出身。自宅は東京都武蔵野市吉祥寺東町(中略)。

 風景、静物を主な題材とし、白を基調に透明感のある繊細、簡潔、濃密な画風で知られた。2001年、百歳の節目に東京・銀座で個展を開くなど創作意欲を見せ、所属する美術団体展にも04年まで出品し続けた。同年、札幌・道立近代美術館で回顧展を開催したが、その後体調を崩し、入院生活を送っていた。

 1901年(明治34年)生まれ。札幌駅前にある札幌西武の前身「五番舘興農園」を創設した実業家、故小川二郎氏を父にもち、庁立札幌高女(現札幌北高)から東京女子大に進み、卒業後は大学職員として勤務。身近な武蔵野風景などに魅せられ、独学で絵を描き始め、32年(昭和7年)、独立美術協会展に初入選。38年ごろから画業に専念した。

 第2次大戦中に札幌に疎開し、45年8月に洋画家三雲祥之助さん(82年死去)と結婚、夫婦で全道美術協会(全道展)創立に参加した。札幌洋画研究所の講師も夫婦で務め、後進を指導。その後東京に戻り、春陽会に出品し、50年に女性初の同会会員。北海道が輩出した女性洋画家のトップとして活躍した。(後略)

 こういう言い方は適切でないかもしれませんが、小川さんは、いちばん最後までご健在の全道展創立会員でした。
 戦前に発足した道展はもちろん、新道展の現会員にも、創立会員はもはやいませんから、小川さんが道内3大公募展のなかで最後の創立会員だったことになります。
 日本の女性洋画家のはしりとして、100歳を超えてなお絵筆を執りつづける姿勢は、後進の励みになったことと思います。
 ご冥福をお祈りします。
 
 以下は、「北海道美術ネット」の関連ファイルです。

■04年の、道立近代美術館での個展
■02年の個展
 
 


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