NPO法人北九州・魚部 「魚ぶろぐ」

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475号:どじょう丑の日プロジェクト「どじょう蒲焼丼」始めます!

2020-07-13 22:30:33 | 魚部カフェ
どじょう丑の日プロジェクト「どじょう蒲焼丼」始めます!
~魚部カフェから「新しい丑の日様式」のご提案~



【概要】
種としての存続が危惧される一方で、専門店だけでなく至る所でウナギが大量消費される現状があります。新しい生活様式が唱えられる今だからこそ変化の可能性があるかもしれないと、魚部カフェでは「新しい丑の日様式」を社会に提案していこうと考えました。すなわち土用丑の日を「どじょう丑の日」とするプロジェクトです。開店時(2019年末)から唐揚げ等で提供していた「大分ドジョウ」を用いて「どじょう蒲焼丼」を始めます。完全養殖、かつ逸失もない屋内無泥養殖で自然環境にもダメージを与えず、美味しくて栄養満点。良いこと尽くしの、まさに真の代役登場と言えるのではないでしょうか。2020年の「どじょう丑の日」キャンペーンは7月15日〜9月30日まで(蒲焼丼は通年提供)。期間中ご注文された方には、どじょう丑の日記念グッズ(オリジナル缶バッジ)をもれなくさし上げます。

【詳細】
1.「どじょう丑の日」プロジェクトへの思い・目的
調査取材や展示、刊行物を通じて身近な水生生物に関わる魚部として、後述のウナギの厳しい状況に対して何かできることはないか。その思いが、魚部カフェで大分ドジョウを提供していたことと結びつき、土用丑の日をどじょう丑の日に!と社会に投げかける、本プロジェクトになりました。新型コロナウイルスによる「新しい生活様式」が唱えられる2020年を、新しい丑の日様式を始める「どじょう丑の日」元年だと思っています。大げさなことを申しましたが、北九州の小さな団体の、しかもカフェ形式のお店が始めることです。まずはこのプロジェクトを少しでも多くの方に知ってもらい、改めてウナギの厳しい現状や身近な自然環境について考え直すきっかけになればと考えています。

2.絶滅危惧種のニホンウナギ
ウナギを食す文化が日本にはありますが、近年、減少が著しいことが注目されています。環境省・IUCN(国際自然保護連合)ともに上から2番目の「絶滅危惧ⅠB類」にランク付けされています。これはアマミノクロウサギなどと同じ評価です。しかし近年の激減状況とは逆行するかのように、専門店だけでなく、昔に比べて全国どこでもウナギ蒲焼きが大量に消費されている現実があるように感じます。ウナギはよく知られているように、食べられているのは全てマリアナ諸島付近の深い海で生まれた稚魚が海流に乗って、日本や中国・台湾などにたどり着いたシラスウナギ由来です。どんな蒲焼きだろうと、全て自然に産卵したものに頼っています。至る所で大量消費することは、厳しい種の存続にさらに大きな追い打ちとなってしまう心配があります。

3.使用する大分ドジョウについて
屋内無泥養殖という平成14年に技術開発された方法で生産されています。平成23年度には日本一の生産量となったそうです。卵から成魚まで完全養殖されています。ドジョウも今では絶滅危惧種ですが、卵から成魚までの完全養殖ということで天然資源へのダメージはありません。魚部カフェでは、大分県安心院町の宇佐養魚(株)で生産されるドジョウを使っています。夏は地下水で、冬は温泉水を用いて屋内で24時間管理されており、高い品質を誇っています。骨まで柔らかく、万人受けする美味しいドジョウです。
※宇佐養魚(株)サイト:https://r.goope.jp/sr-44-4452110007/info/3031590

4.「どじょう蒲焼丼」について
自画自賛のようで恐縮ですが、率直に申して「おいしい!」です。将来的な変更はあるかもしれませんが、スタートの2020年は丸ごと揚げたものをタレにからめています。外側のカリっと感、身のふわっと感、そして食欲をそそるタレの旨味。錦糸卵、刻み海苔、そしてお好みで薬味(練りワサビ)を添えています。開かず丸ごとですが、骨はそもそも柔らかい上に揚げているので、気になりません。そして内臓のほんのりとした苦みが美味しさを増すアクセントになっているように思います。
また栄養面でも満点です。「ウナギ1匹、ドジョウ1匹」という言葉があるほど、ウナギに負けず劣らずの栄養価があるそうです。丼一杯にドジョウ6匹。これで猛暑も乗り切れるスタミナが付くかもしれません。セット(丼・お漬物・お味噌汁)で1,000円(税別)と価格面でもウナギよりお得です。キャンペーン中(7/15~9/30)はご注文の方にもれなくオリジナル缶バッジをさし上げます。  
魚部カフェで扱う無農薬栽培で有名な「うきはの山茶」(福岡県うきは市)の緑茶やほうじ茶も、プラス200円でご提供します。

5.どじょう博士こと中島淳氏(福岡県保健環境研究所)の専門家コメント
現在、ウナギもドジョウも絶滅危惧種となっています。しかし「大分どじょう」は完全養殖されることから乱獲や密漁の問題がなく、屋内養殖であることから逃げ出して外来種となる可能性も低いものです。そのため、生物多様性保全やSDGsの推進にも合致した食材と言えます。かつてドジョウは日本中で食べられていましたが、今は食べたことのない方がほとんどではないでしょうか。この機会に「どじょう蒲焼丼」を通してその味を知り、同時に、これからドジョウやウナギと共存していくにはどうしたら良いかということを、ぜひ考えて欲しいと思います。またドジョウはその名前の中に「う」を含んでおり、土用の丑の日のウナギの代役としても適しています。

6.魚部カフェ「バイオフィリア」について
2019年12月に開業したNPO法人北九州・魚部が運営する、カフェ形式の社会への発信空間。店名はアメリカの昆虫学者E.O.ウイルソンが提唱する「BIOPHILIA」という概念から付けました。この言葉は端的に言えば、人間誰もが持っている生き物への関心(好悪とも)という意味合いです。ここは「生き物文化発信拠点」となることを目指し、ハード面では生き物本ブックカフェ・地元の水辺アクアリウム・ナチュラリストでイラストレーター、著述家の盛口満氏のギャラリー、西日本唯一の生き物雑貨屋をコンテンツとして持っています。また、九州大学総合科学博物館が取り組む「九大歴史的什器保存プロジェクト」の在野保存施設として、九大の本棚や机などを活用しています。現在は、新型コロナウイルスのため休止していますが、魚部と縁のある日本各地の研究者や専門家による「サイエンスカフェ」(5回実施)も大変好評です。カフェの飲食物にも大分ドジョウ以外にもこだわりがたくさんあります。お米は自然栽培のぎょぶたんぼ米、コーヒーは水巻町のウインドファームの有機栽培、お茶はうきは市の無農薬栽培、鞍手町外では初めて出す巨峰サイダーなどもあります。また、食パンやお菓子も店内のパン工房で焼いております。




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