くぬぎのたろぐ

くぬぎ太郎の日常的視点

よこはま

2012-11-24 12:50:17 | Weblog
普段はJRの駅をよく利用しているが、
家から歩いていける最寄り駅がもう一つある。
横浜市営地下鉄の駅だ。

地下鉄の駅に向かう道すがらは廃墟と廃墟のような家が建ち並び、
肩や背中に素敵な模様が入ったヨボヨボの老人が日向ぼっこをしていたり、
一方で新築の綺麗な家が混在していたりとなかなかカオスな雰囲気を醸している。

そんな住宅街を抜けると次は大きな商店街があり、
その中を抜けていくと地下鉄の駅があるというわけだ。

もちろんこの商店街もかなり特色のありそうなエリアになっている。
横浜といえば中華街が有名なわけだが実はひっそりとコリアンタウンも存在していて、
おそらくこの大きな商店街が中心的な繁華街なのだろう。

八百屋や魚屋など食品を扱っている店がほとんどで、キムチなどの漬物屋さんも散見される。
通りを歩いている人々は概ね普通の感じではあるが違う世界に生きていそうな方々の比率が高く、
肩で風を切って歩いていらっしゃる中年男性が多く見受けられる。

しかしこういう混沌とした中にこそ光るものがあることもまた世の常。
実はとても美味しいキムチ屋さんがあるのだ。
地下鉄の駅に特別な用事がなくてもキムチを買うためだけに行きたくなるほど美味しい。
商店街に長居はしたくないので風のようにさり気なく歩き、
キムチを買ったら風のように立ち去るということをたまにしている。

キムチといえば一般的には白菜ということになっているが、
その店には実に様々なキムチが置かれている。
大根、ニンジン、ニラ、ネギ、小松菜、ゴマの葉、桔梗、ニンニク、イカ、タラの精巣、etc…
まさに手当たり次第にキムチにしている感がある。
行く度に品揃えが違うので全種類食べたわけではないがどれを買っても美味しい。
日本の味ではない複雑なハーモニーが感じられるのだ。

前回行った際は生牡蠣のキムチが売られていてつい買ってしまったが、まだ食べていない。
一体どんな食感なのだろう。
ちょっと怖いが密かに楽しみでもある。

横浜というと中華街やみなとみらい周辺ばかりが注目されがちだが、
本当の横浜はもっと複雑で日の当たらない場所にあることに最近気づいてきた。
奥深き横浜の世界。