五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ まんがホーム 感想

2016年06月11日 | ◆4コマ誌① まんがホーム

2016年7月号

 

 表紙は、素潜り、らいかさん。
 水中で笑顔のピースサインが可愛らしいです。
 他、弁丸くんもふんどし姿で潜ってたり、月英&孔明さんは潜水艇!?

 

 今月の「女じゃなければで男?で賞」は、『男子の花園』

 

 父子2人の家庭に現れたのは・・・?

 樹さんと太陽くん、父子2人で暮らしていた所に、樹さんの父上が現れて、
 押しかけるように一緒に暮らすなんて言い始めたから、樹さん困惑中・・・

 といった感じに始まった本作品。
 今回は、追い出しても戻って来る父上に手を焼きつつも、
 家事をしてくれることで、樹さんが助かってしまうあたりが面白かったり。

 そして出勤しますが、いつものような寝癖がなく、服もきちんとしている樹さんを見て、
 「女ができた」と職場の人たちが考えていたのは、当然というか、自然な発想です。

 ところが弁当を食べる際、とんでもない弁当の中身を見た同僚から、
 どんな女性がつくったんだと問われ、「女じゃない」なんて答えちゃったものだから、
 【アッ(察し)】になっていたのは可笑しかった゜(*゜´∀`゜)゜

 女じゃなければ男。
 そんなわけで、妙な誤解をされてしまう樹さんでしたけど、直後に父上が訪ねてきたため、
 誤解がとけていてよかったですね(^^;

 

 

【コミックス21巻、発売中!】

●らいか・デイズ (むんこ 先生)

  

 父の日あれこれ。

 夜、就寝中のマッキーでしたが、物音に目を覚まします。
 何事かと確かめに行くと、そこには怪しい男が1人・・・

 と思ったら、それがマッキー父で、キッチンにて「父の日サプライズ」を
 自分で用意していたというから、愉快というか、あきれるというか(´▽`;)

 飾り付けからプレゼントまで、何もかも自前で用意していて、もう何と言えばよいのか。
 さすがにマッキーから、「がんばればがんれるほどスベるの」なんて忠告されていて、
 気の毒ではありますけど、まあ、仕方ないかな(ォィ

 でも、きちんと「父の日」して送り出していたのは、マッキー、お疲れさまでした。
 父と娘の関係の微妙さが感じられつつも、2人の様子に安心感がありましたね。
 一方、らいかさんは、父上から感謝を半ば強制されていて笑!

 
 そして、らいかさんの誕生日。
 誕生日プレゼントを父にねだるも、内容は父任せ。

 「お父さんがあたしの為に考えてくれる」ことが「嬉しい」と述べるらいかさん。
 イイ話だな~と思いきや、母上の一言で、らいかさんの真意が明かされていて大笑!
 イイ話じゃなかったのかよッ!!

 それはともかく、父上のプレゼントが、これまたとんでもないモノで、面白かった!
 らいかさんとしては、微妙な感じになってましたけど、その“プレゼント”から
 別のプレゼントを渡されて、大喜びしていたのはよかったですね~。

 まあ今度は、父上の方が微妙な感じになっていましたが(^^;
 そんな風に、父娘の関係が興味深く描かれた今回でしたけど、マッキーにせよ、
 らいかさんにせよ、良好な父子関係を築けているのではないでしょうか。

 なんて感じつつ、コミックス21巻が発売中とのことで、
 まだまだ今後も、楽しみです!

 

 

【コミックス2巻、発売中!】

●けいさつのおにーさん (からけみ 先生)

  

 女子高生に危険が迫る!?

 パトロール中、女子高生が騒いでいる現場にやって来た2人。
 3人の女子高生にひしっと泣きつかれ、役得状態の穂苅くん(^^;

 でしたけど、割と深刻なお話で、1人が怪しい男に尾行されたのだとか。
 友人2人が駆けつけたことで難を逃れたものの、おしりを触られる被害もあり、
 放ってはおけない案件のようです。

 しかし、友人の1人ほのかさんが、チカンに逃げられたのは悔しいと述べ、
 追いかけた方がよかったかな? なんて言い始めたから、穂苅くんが慌てて否定。
 やはり、危険が大きいのでしょうね。

 ほのかさんの帰宅後、ご両親は心配してくれて、防犯ブザーを持たせてくれますが、
 穂苅くんのことも思い浮かべつつ、「大人って大げさ」なんて考えているあたり、
 認識の甘さが見えています。

 けれども後日、今度は自分が尾行されていることに気付き、恐ろしくなったほのかさん。
 逃げ出した先に、穂苅くんたちがいて助かった・・・と思いきや?

 なんて展開にハラハラしつつも、安心感のある内容でしたね。
 治安を守るのが警察官のお仕事ということを、わかりやすく伝えるお話で、
 手塚さんの頼もしさが、ひときわ輝いて見えました。

 真面目な話、こうしたチカン系の犯罪者に、下手に反撃しようとすると、
 逆上されてエスカレートするなんて話も聞くので、逃げの一手が正解なのでしょうし、
 その先に信頼できる警察官の方がいてくれたら、これほど安心できることもないでしょう。

 そんな風に感じた今回のお話。
 頼りになりつつ、優しい「けいさつのおにーさん」の物語も、コミックス2巻発売中!
 ということで、今後も楽しみです!

 

 

【最終回!】

●主任の一之瀬さん (楯山ヒロコ 先生)

  

 コミックス2巻は、7月7日発売! ・・・ですが、最終回!!

 最後は、新人さんが入って来てのシメとなりましたが、
 そこに「主任の一之瀬さん」は、もういない・・・なんて寂しい内容に!?

 「ヤケッパチCMで一時ほんのり話題になった会社」であるヒカリ飲料株式会社。
 そこにやって来た新人・沼田さんは元気いっぱいで、あのCMを見て入社を
 希望したというから、大丈夫なのかなと心配にもなります(ォィ

 小川さんは先輩風を吹かせてますけど、沼田さんはだいたいのことを理解していて、
 先輩らしさを発揮できてないのが、小川さんらしいというか(^^;

 そして、沼田さんのお目当ては、一之瀬さん。
 あのCMを考案した彼女を尊敬している風で、そのあたりも面白かったのですが、
 実は、主任の一之瀬さんはもういないなんて話になって・・・

 そんな展開に、「え?」と驚くも、妙な肩書の「主任」になっていたのは笑!
 いいのか、そのネーミングは!? なんて思うほど、ファンタスティックな名称でした。

 まあ、そんなこんなで結局、変わらない一之瀬さんのはっちゃけぶりが、
 いつも通りに繰り広げられていて、楽しい最終回となっていました。

 会長さんとしては、一之瀬さんを出世させたかったようですけども、
 一之瀬さんには、このいつも通りな感じが性に合っているといった雰囲気。

 ゆえに、そのことそのものが、本作品の面白味でもあったのだな~と感じられる
 ラストになっており、そのあたり爽快感がありましたね。
 なんて感じつつ、楽しませていただきましたー!

 

 

【ゲスト作品】

●マツ係長は女オタ (奥十 先生)

  

 アイドルオタクな女性係長さんのお話。

 マツ係長(31)は、販売部の星といわれるほどの女性。
 仕事熱心で優秀と評判ですが、実は重度のドルヲタ(アイドルオタク)で・・・

 といった内容。
 しかも、女性アイドルにしか興味がないらしく、中でも「カラフル☆ワンダー」
 というグループにいる「しろたん」がお気に入りだとか。

 仕事では冷静、きりっとしつつも、しろたんのプライベートショットを見るや、
 取り乱すあたり、筋金入りというか、よほど好きというか(^^;

 そんなマツ係長のドルヲタっぷりと、彼女の趣味を知っている部下ウメくんの
 振り回される姿が、面白い4コマ作品になっています。

 好きなものがあると活力になりますよね~。
 なんて感じてしまうほど、パワフルにアイドルオタクしているマツ係長は、
 ある意味、この社会での希望を見せてくれているのかも? と感じつつ、つづき期待!

 

 

●パパとあそぼう! (かより 先生)

  

 父と娘のビミョ~な関係。

 「まんがタイムファミリー」で人気の家族4コマが、ゲスト登場!
 仕事で多忙な父上が、娘さくらちゃんと会えない生活を送っていた所、
 さくらちゃんがよそよそしくなってしまって・・・ というお話。

 母上から「パパのこと好きだよね」と聞かれても、「よくわかんない」なんて
 答えてしまうさくらちゃん(^^;

 そんなある日、2人きりで留守番をすることになった父娘。
 父は喜んでますが、さくらちゃんはどんよりムードという対照的な姿が、
 父娘の関係の微妙さを物語っていますね。

 留守中、何かと予定を立ていた父上ですけども、予定通りにできるはずもなく、
 さくらちゃんに振り回され気味で、そんな様子が楽しかったり。

 何だかんだで、さくらちゃんも楽しんでいたようですし、父上殿、お疲れさまです。
 でも結局、最後までつれないさくらちゃんが、これまた愉快でしたけど(´▽`;)

 娘に邪険にされる父という構図は、思春期くらいならわかる気もしますが、
 こんな年ごろからされてしまうと、父の心は折れてしまいそう?
 それでも、頑張る父上に敬意を払いつつ、再登場などに期待です!

 

 

【その他】

●よろずや男子 (胡桃ちの 先生)

 モアさん、変わる!?

 新たに加わったモアさん、まず格好から変えさせられてますが、
 いきなり本人が髪の毛を切ってしまって、ショートカットになっていたのは驚き。

 でしたけど、外見は男性に見えるようになって、なるほど「よろずや男子」の
 タイトルに偽りなしといった感じでしょうかね。 男装女子も良いものです(ォィ
 ここからモアさんを加え、どのような案件に取り組むのか、楽しみ!

 

●孔明のヨメ。 (杜康潤 先生) 

 敵の懐へ、突っ込んで行く劉備さんたち。

 刺客を送って来た者たちをあぶりだすべく、劉表さんの所へ顔を出す劉備さん。
 そこで「髀肉之嘆」の逸話どおりの会話をしていたのにはニヤリでしたが、
 見事な話の誘導で、蔡瑁さんたちの肝を冷やしていたのが、さすがです。

 そして、宴会の様子から、蔡夫人と蔡瑁さんが計画の首謀者だと確信する徐兄さんが、
 これまたさすがで、さらなる揺さぶりをかけていたのが、痛快でしたね~。
 徐兄さん、劉備さん、そして趙雲さん、それぞれの活躍があっての成果というあたり、
 見事な内容となっていましたよ。

 

●のちの真田幸村である (真田寿庵 先生)

 のちの天下人・徳川家康!

 ・・・には見えない庶民のような家康さんが、面白い(^^;
 まあ、変装しているということでしたけど、それでも服部さんには丸わかり。
 何とも親し気というか、主従というより友人っぽい関係の2人が愉快でした。

 しかし、ここで弁丸くんの素性が詮索されそうになり、喜平さんが大活躍!?
 何とか家康さんの所からは逃れたものの、才蔵くんとは別れ別れに・・・
 この才蔵くんって、まさか後に「霧隠」を名乗るとかではないですよね?
 でも、もしそうだとすれば、いつかの再会もあり得るかも??

 

●歌詠みもみじ (オオトリキノト 先生) 

 もみじさん、千恵子さんとケンカ!?

 しかし、千恵子さんは宿題やってきたのかともみじさんを心配したり、
 それに対して、もみじさんは見せてくれてもいいじゃないと川柳で返したり、
 本当にケンカしているのか疑わしいのは、愉快でした(^^;

 まりなさんは間に挟まれて大変そうでしたけど、何だかんだで2人が仲直りできて、
 その原因を知ったとき、「やってられんわー」状態になっていたのは、やむなし。
 夫婦ゲンカは犬も食わない、ではないですが、そんな感じで可笑しかった!

 

●マチ姉さんの妄想アワー (安堂友子 先生)

 マチ姉さんの子供の頃の夢が、叶わなくてよかったと思えた今回も、色々と楽しかった!

 【ひずみ】人魚姫たちは、15歳になると海上の世界に出る許しをもらえる・・・
 なんてお話がありますが、誰しもそんな世界に出てみたいと思うわけではないという
 内容が、リアリティあって面白い(´▽`;) 引きこもりな人魚姫もいますよね(ぇ

 【サプライズのひとつも期待】かのパンドラの箱のエピソード。
 彼女の心の叫びを聞いてしまうと、箱を開けたのもやむなしと思ってしまいそうで(^^;
 他に娯楽もないのに、こんな箱渡されちゃあねえ。

 【新説】卑怯なコウモリのエピソード。
 争っていた獣と鳥それぞれが有利になると、双方にイイ顔をしていたことから、
 「ずるい」と言われてきたコウモリさんですが、その真実に驚愕! カッコイイよ(ぇ

 


◆ ヤングキングアワーズ 感想

2016年06月07日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

2016年7月号

 

 今月の『蒼き鋼のアルペジオ』感想はこちら
 今月の『僕らはみんな河合荘』感想はこちら
 今月の『ナポレオン -覇道進撃-』感想はこちら
 今月の『ドリフターズ』感想はこちら

 表紙は、『MUJIN』
 伊庭八郎さんが、ふんどし姿で海水浴でしょうか・・・ 引き締まった身体が眩しい。
 後ろにも、ふんどし男性陣がそろっていて、インパクトある表紙になっていますね(^^;
 
 

 『リュウマのガゴウ』(宮下裕樹 先生)

 ミズガルズ vs 神洲倭、激戦!

 その中にはリュウマの姿もあり、奮闘していますが、リュウマの名を聞いた神洲倭が、
 猛攻を仕掛けて来るというオマケ付きで、かなり厳しい。
 さらには、神洲倭の龍馬も現れて・・・

 といった状況でしたけど、一方で、傘男もシチハさんと対峙し、さらなる激闘の予感。
 また、ブレア卿はジンとの会話で、空飛ぶ生物の話をしていましたが、
 これはすでに、“白皮”の新種が完成していたということなのですよね?

 会話の中から生み出したわけではないですよね。
 そうだとしたら、ジン恐るべしですけども、そうでなくとも、この新種は危険すぎます。
 もはや、人類になす術ないでしょう。 対抗策がないのだから・・・
 と、激戦の行方に不安を覚えつつ、今後も楽しみです!

 

 『超人ロック ラフラール』(聖悠紀 先生)

 「ラフラール」シリーズ、最終話!

 ロニ師が倒れ、回想する過去のフレンダールでの出来事。
 ロックが去り、山積みの課題を抱えたロニさんでしたが、ゼナン師に案内され、
 神殿の奥へ赴くと、そこには驚くべき人物が・・・!?

 あの時、ロックの言っていた言葉の意味が、ここで理解できるのは、凄かった。
 真の司祭長の存在は、“ラフノール”の人々にとって、大きな支えとなったでしょうね。

 そして、その背後にあったロックのはからいは、汚名をかぶりつつも成されたもので、
 ロックの偉大さがよくわかるというものです。 それが、テトの悲願へとつながったと。
 そんな感慨深さが、ラストの旗に込められた想いと共に、感じられた気がします。

 

 『MUJIN』(岡田屋鉄蔵 先生)

 桜田門外の変、起きる!

 直訴に走る侍、それを止めようとする駕籠を警護する者、しかし侍は抜刀し・・・
 という流れが、桜田門外の変の始まりであり、凄惨な現場を映し出すことになります。
 月岡芳年「江水散花雪」の情景に、圧倒されましたねえ。

 そして、討たれる大老・井伊直弼。
 その衝撃の凄まじさたるや、幕府や侍の権威を失墜させ、尊王攘夷の機運が高まることに。
 さらには、「倒幕」なんて言葉までが聞こえ始めることに・・・

 一方、八郎さんは「色々な意味で立派な青年」に成長しており、吉原でしょうかね、
 そんな場所で遊んだりもしておられるようで(^^;
 でもって、ソッチ方面の指南役が、歳さんなんですかね? 面白い関係です。

 

 『師匠シリーズ』(原作:ウニ 先生/漫画:片山愁 先生

 コミックス4巻は、7月発売! そんな今回、「デス・デイ・パーティ」後編。

 謎の数式の3つの答えを正解しないと、下剤の入ったケーキを食べたことになる。
 そんなゲームに巻き込まれたうに君、現役大学生として、みかっちさん・伊丹さんと
 共同戦線を張ろうとするも、誰も頼りないあたり、大学生とは一体・・・

 まあ、学部によるとはいえ、数学自体に触れる機会は極端に減りますからね、やむなし。
 それでも何とか、2つまでは答えを出せたものの、最後の1つについて、みかっちさんが
 わかったと述べるのですが、それを京介さんが止めて・・・ なんて展開に。

 出題者であるkokoさんの口をふさぎ、手の自由まで奪っていたのは驚きでしたが、
 京介さんの考えを聞いて、なるほど納得。 答えを出すのではなく、理屈で勝ちを拾いますか。
 涙目kokoさんが可愛かったりしつつ、この不思議なゲーム、楽しませていただきましたよ。

 

 『それでも町は廻っている』(石黒正数 先生)

 歩鳥に、ラブレター!?

 と思いきや、脅迫状のような内容で、しかも中身は、森秋先生との交際をやめろ
 というのだから、ちょっと可笑しかったり(´▽`;)

 その手紙をもとに、歩鳥の推理が冴えていたのはさすがでしたけど、
 そこから、森秋先生の過去における“伝説のラブレター”をたどり、真犯人にまで
 行きついてたいのは、感服という他ありませんでしたね。

 しかし、真犯人が割とシャレにならないタイプで、少し苦い結末になっていたことが、
 現実を感じさせます。 事件には加害者・被害者がいて、暴いた所で皆傷つく。
 探偵の宿命ですねえ・・・ それにしても、真田くんカッコよかった。
 あと、今月号の『おばけ道』では、石黒先生の推理力も発揮されてますよ!

 

 『野球+プラス!』(石田敦子 先生)

 スポーツ部に配属された由右さん、しごかれてます。

 さすがに、練習記事で数字をそろえていないのは、素人以前の問題の気も(^^;
 そして「新聞のできるまで」を印刷会社さんへ見学に行ってましたが、スゴイものですね。
 1日分の紙の量を見るだけでも、その凄まじさがわかります。

 そこで出来上がる新聞に、自分の記事を載せたいと決意する由右さん。
 観戦した感動を、そのまま練習記事に落とし込むのですが、それがダメ出しされています。

 「あなただけの感情はいらない」 その言葉の意味を理解する後半。
 ここで書かれている事柄は、まさに読者である私が「記事」に求めるもの、そのものですね。
 それにしても、最後に衝撃(?)の事実を知ってしまった由右さん、ここからどうなる?
 ゆっくりと、でも確実に、前進する彼女の行く末、見守りたいです。

 

 『マーチャンダイス』(大石まさる 先生)

 今回は、マチコ&トランプの冒険!

 ライプニッツを連れて、一攫千金の夢を見るマチコさん。
 火星の北極にて、脊椎動物の化石さがしをするようですが、彼女がなぜそこまで
 するのかという背景を、聞こうとするトランプくん。

 はじめマチコさんは答えてくれなかったものの、化石さがしの最中に、
 父親との関係が上手くいかなかったなんて話をしていて、その中で、元人妻である
 とも判明してましたが、トランプくんはむしろ燃えていて愉快でした(^^;

 化石の方は残念な結果に終わってましたけど、ライプニッツの活躍で、
 なんだか話がとんでもない方向へ進んでいたのは、大笑いでしたよ!゜(*゜´∀`゜)゜
 しかも、前回のアレも関係しているとは・・・ どうなっちゃうんです、これ!?
 地道な作業から一転、突拍子もないSFにつながるの、本当スゴイと思います。

 

 

【『アオバ自転車店へようこそ!』14巻・発売中!】
●並木橋通りアオバ自転車店 (宮尾岳 先生)

 

 一生乗るなら・・・

 自転車も長く乗りたいもので、そのあたり、自転車はうまくできていることが
 よくわかるお話になっていましたね。

 お客の天野さんは、祖父の「一生乗るなら峠輪業」という言葉を守り、
 その流れをくむアオバ自転車店の自転車を、ひいきにしてくれている様子。

 しかし、引っ越すことになり、とくにアオバ自転車店のものでなくともよいのでは?
 なんて話になってましたが、友人たちにアオバさんが説明していた
 「自転車はアッセンブリー商品」だという話が、たいへん興味深かったですね。

 一般のメーカー車であれば、全国どの店で買っても同じ。
 しかも、自転車は専用部品が少ないため、壊れたときなどはメーカーにこだわらず、
 修理が可能というから、便利設計といえます。

 これでは、ますます個別の自転車の特別性が薄れてしまいそうですが、
 天野さんの奥様に届けた自転車の調整を、アオバ父が行うことで、
 格段に乗りやすいものに仕上げていたことが、答えになっていました。

 自転車店の役割が、個々の自転車の特別性を増す。
 そうした内容に、人の手が入ることの意味が大きく感じられて、爽やかでしたね。

 アオバ自転車店が、峠輪業から受け継いだ精神に、感動すら覚えてしまう今回のお話。
 自転車ひとつに、ここまでの想いが込められているのだな~なんて感じつつ、
 今後も楽しみです!
 
 


◆ 今月のドリフ

2016年06月06日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

ヤングキングアワーズ 2016年7月号より

 今月の『蒼き鋼のアルペジオ』感想はこちら
 今月の『僕らはみんな河合荘』感想はこちら
 今月の『ナポレオン -覇道進撃-』感想はこちら
 
 
 
 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 
 
 
 
 

●ドリフターズ (平野耕太 先生)

 

 コミックス5巻、発売中~! そんな今回、紫とEASY。

 いつも通りの部屋で、煙草をたしなむ紫さん。
 いつも通りに新聞を読んでいるようですが、何やら気になることが・・・?

 「島津豊久決断」の見出しを眺めて、「違う」と懸念を抱いている様子。
 豊久が悟り達観していると紫さんは考えているようで、その姿勢に疑問を呈しています。

 運命を否定し、ただ、あるがまま、なすがままを尊ぶ紫さんにとって、
 今の豊久は不穏に映っているようで・・・・・・

 おそらく決戦の場・マモン平原を、関ヶ原と重ねている豊久。
 つまり、本来死ぬべき場所で死ねなかった豊久は、マモン平原を死に場所として
 認識してしまっているのかと感じます。

 そのことに紫さんは、危惧を抱いているのでしょうね。
 豊久のそうした考え方は、決戦の行方に暗雲をもたらす気がします。

 

 

 

 紫と相容れないEASY。

 さだめなど「ない」と語る紫さんに対し、それは「ある」と断言するEASY。
 そしてその運命を、駒がルール通りにしか動かないことに例えています。

 彼女は、自らが呼び寄せた〈廃棄物〉を、己の駒と考えているようですが、
 紫さんは「彼ら(漂流者?)を駒などと思ったことはない」と語り、
 2人の考え方の違いを浮き彫りにしていますね。

 しかし、紫さんがEASYのことを「継戦器」と言っていたのが気になります。
 それに対し、EASYは紫さんを「民生屋」と呼び、このあたりが2人の存在の
 カギになっているのかもしれません。

 「継戦器」は、戦いを続けさせるための装置のようなものでしょうかね?
 EASYはそうした役割を担って生まれた存在?

 対して「民生屋」は、人民の生活を守る役割を担っているのでしょうか?
 いずれにせよ、継戦と民生では相容れないはずですから、
 両者が衝突しているのも道理というもの。

 そして紫さんは、EASYが駒と呼ぶ存在たちも、いずれは駒でなくなる時が来ると
 予言めいたことを述べていて、このあたりも今後の注目点かもしれませんね。

 

  

 

 マモン平原での決戦迫る。

 戦場の設置、それは土木工事のごとき作業によって成り立ちます。
 防護柵を作り、地面を掘り、土塁を盛るオルテ軍。
 すべて信長さんの指示で行われ、戦国風の陣営が出来上がりそうです。

 この作業が命運を分ける。
 そうしたことを述べながら、発破をかける信長さん。
 周到に作り上げられた陣営が、戦場の行方を左右することの重要性を感じさせます。

 いよいよ決戦が迫るわけですが、はたしてあの黒王軍に対抗しうるのか?
 己の運命を受け容れようとする総大将・豊久の姿勢も不吉に思われる状況で、
 オルテ軍はどう戦うのか?

 他の〈漂流者〉たちの動きや、廃城の拡張工事も気になりますが、
 ついに激突するオルテ軍と黒王軍・・・ いったいどうなってしまうのか。
 湧き上がる不安と高揚感に身を震わせつつ、今後も楽しみです!
 

◆ ヤングキングアワーズ 感想
 


◆ 今月のナポレオン

2016年06月05日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

ヤングキングアワーズ 2016年7月号より

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 今月の『僕らはみんな河合荘』感想はこちら
 
 
 
 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 
 
 
 
 

●ナポレオン -覇道進撃- (長谷川哲也 先生)

 

 ランヌ、負傷!

 砲撃を受け、大きく足を負傷してしまったランヌ元帥。
 立ち上がることができず、足が1本折れてしまうほどでしたから、
 その激痛が伝わってきそうなくらい、悲痛な様子でありました。

 すぐさま担架をつくるよう指示するナポレオン。
 そこで飛び出してきたのは、ビクトルでしたが・・・

 

 

 

 ランヌとビクトル。

 ビクトルの顔を見るや、いきなり「ポルトガルで貸した金返せ!!」と、
 飛びかかってゆくランヌさんには、思わず笑ってしまいました!

 そして、一撃くらうビクトルでしたが、その際、これまでのランヌとの関わりが
 回想で描かれていて、何とも感慨深いものがありましたね。

 ロディ、エジプト、ポルトガル、そしてパン屋・・・
 ランヌの勇ましい姿と、彼に世話になりっぱなしだったことを思い出すビクトル。

 だからこそ、殴られながらも、涙を流して感謝の言葉を告げていたのでしょう。
 そんなビクトルの姿を見て、あっけにとられたようなランヌさんが、何だかよかった。

 ナポレオンは、足をやられただけで、ランヌが死ぬことはないと考えていますが、
 戦況の方は劣勢で、負傷兵も多く、ここで苦渋の決断を下すことに・・・

 

 

 

 撤退。

 それすなわち、カール大公に敗れたことを認めることに他ならず、
 カール大公に対して「お前の勝ちだ」と考えていたことが、衝撃的でしたね。

 あのナポレオンが敗北し、それを認めた。
 そのためなのか、負傷兵を気にかけていたり、そのことが「珍しい」ことだと
 記されていたのが印象的でありました。

 そして、カール大公が「ナポレオンに初めて勝った男」として歴史に名を残した
 というのがたまらない所で、本人も喜悦を抑えるような表情だったのは面白かった。

 彼の勝利は、ヨーロッパ中にナポレオンが負けたという事実を広め、
 大きな影響を与えることになるわけで、単に彼自身の業績にとどまらない効果を
 及ぼすことになるのでしょうね。 ナポレオンも負ける、という事実の確認は大きい。

 

 

 

 負傷したランヌ。

 軍医総監のラレを中心に、ランヌ元帥の足を切るべきか話し合っています。
 ナポレオンは、ランヌは不死身の男だと反対のようですが、時すでに
 片足だけか両足を切るかを判断する段階で、だいぶ深刻な状況のよう。

 ランヌの負傷にも兵士たちは楽観的で、3日もすれば先頭で暴れてるなんて
 笑い話にしているものの、ベシエールさんなどは暗い表情をしています。

 暑さにやられ、壊疽のため高熱で惑乱しているランヌは、実はもう長くないと
 診断されており、さすがのナポレオンも驚愕していたのが、辛かった。

 

 

 

 ランヌのナポレオンへの想い。

 死の迫る床で、ランヌが語るナポレオンに対する想い。
 これが、もう、たまらなかった。

 先々月号、ランヌがナポレオンに会いに行った時の話。
 自分がここへ来たことを忘れないでほしいと、ナポレオンに願ったランヌ。

 この時の真相が、ランヌ自身の口から語られていました。
 それは実に驚くべきことだったわけですが、そこに秘められたランヌの熱い想いには、
 ある種の共感を覚えずにはいられませんでしたよ・・・

 私が子供の頃、ナポレオンの物語を読んだ際、その栄光に胸躍らせながらも、
 後の挫折に非常に残念な思いを抱いたものです。

 そのときの気分を考えますと、ランヌがナポレオンを栄光の座にあるうちに
 “終わらせよう”と思い至ったことは、不思議でも何でもなく、むしろ必然。

 近しい友人であるからこそ、ナポレオンの衰えを察しているわけで、
 ナポレオンに対する具体的な指摘が、突き刺さってきます。

 ゆえに、ナポレオンの破滅を予見し、早々に終わらせようとした
 という想いには、痛切なものを感じずにはいられませんでした。

 しかし、それを遂行することはできなかった。
 なぜならば、ナポレオンはランヌにとって友だちだから・・・
 そんな言葉がやるせなく、胸を打ちます。

 

 

 

 ナポレオンの涙。

 苦痛にさいなまれるランヌを見て、楽にしてやろうと考えるナポレオン。
 銃口をランヌの頭部に向け、今にも引き金を引こうかという緊迫感。

 けれど、ナポレオンにとっても、ランヌは友だちであり、
 ランヌと同じような結果に終わっていたことが、切なすぎました。
 互いに互いを想うからこそ、引き金を引くべき所で引けないという・・・

 そして、ナポレオンが流す涙。
 友だちを失ってしまったナポレオンの胸中は、察してあまりあります。

 とくに、ランヌは「戦友」という点では、最高の友人だったのではないでしょうか。
 これからのナポレオンに、ランヌはまだまだ必要な人材でもあったはずで、
 その喪失は、想像以上にナポレオンに大きな影響を与えそうな気がします。

 かつて、ドゼーを失ったときのように、ナポレオンの失ったものの大きさは、
 これからの緩やかな転落を思うと、計り知れない規模なのかもしれません。

 

 

 

 ランヌ、逝く・・・

 本作品において、ランヌという人物は、最高に好きなキャラクターでありました。
 勇猛果敢という言葉では言い表せないほどの“狂戦士”っぷりは、
 突き抜けた痛快さを感じさせ、心を熱くしてくれる存在でしたから。

 それでいて、ナポレオンの友人という立場で気楽に話し合う姿が、
 ユーモアを感じさせつつ、不思議な安心感を覚えさせてくれたものです。
 また気風の良さもあって、そうした姿に、本作で最も“男”を感じられた人物ですね。

 それゆえに、それまで名前くらいしか知っていなかった「ナポレオンの元帥の1人」が、
 大いに興味深い人物へと変貌したのは、本作のおかげであり、ありがたいことであります。

 そんな彼が、ついに歴史の舞台から降りてしまった今回。
 これまで数回、じっくりと描かれてきたランヌの物語は、退場への階段とでもいいますか、
 少しずつ「終わり」へ近づく道しるべのように思えて、しみじみするものを感じていました

 ランヌへの手向けは、ナポレオンの涙。
 これほどのものは、他にはないでしょう。

 私はただ、黙祷するのみ・・・
 それでも、ナポレオンの物語はまだまだ続きます。
 ランヌの危惧した通りの過程を経るとしても、それを見届けなければなりません。
 そんな風に感じつつ・・・ 今後も楽しみです!

  

◆ ヤングキングアワーズ 感想
 


◆ 今月の河合荘

2016年06月04日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

ヤングキングアワーズ 2016年7月号より

 今月の『蒼き鋼のアルペジオ』感想はこちら
 
 
 
 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 
 
 
 
 

●僕らはみんな河合荘 (宮原るり 先生) 

 

 律さん、挙動不審?

 宇佐くんが帰って来ているかどうか、気にする律さん。
 きょろきょろと挙動不審なところを、シロさんにいじられているのが面白い。
 片言になったり、本でゴスガス殴ったり(^^;

 宇佐くんが帰ってくると、黙々と「本に夢中の態」を装っていますけど、
 そのことに宇佐くんも気づいて、けれど「下手につつくと逃げちゃうし」と、
 律さんのことをよく理解しているのが、さすがというか何と言うか。

 う~ん、もはや秒読み段階?
 律さん、めっちゃ宇佐くんのこと意識しまくりで、そのあたりが可愛らしいです。

 

 

 

 花火大会の話が持ち上がるも・・・

 河合荘の面々で、花火大会に行こうという話が出てますが、
 宇佐くんは学校の友人らと行くことになっているのだとか。

 その話を、「本に夢中の態」を装っていたはずの律さんが聞くや、大きく反応。
 「えっ!?」なんて声を出しちゃったものだから、もうバレバレだっつーの!
 赤面して逃げ出す律さん、可愛すぎでしょ~。

 宇佐くんが一緒に行けないかもしれないことを、残念がっているのが丸わかり。
 それを皆に知られる状況になっているわけですからね~。

 なもので、宇佐くんがきちんとフォローに行ってますが、
 「一緒に花火行きましょーねっ」の言葉に、宇佐くんに背を向けながらも、
 こくこくとうなずく律さん、めっさ可愛らしかった~。

 

 

 

 「もう打ち上げてもいいのかもしれない」「俺の大花火を」

 赤面する律さんを見ても、焦らず自分のペースで攻めてゆくと述べる宇佐くん。
 それを聞いた麻弓さんが、花火大会の2人をロマンチックに妄想していたのが愉快!

 長い空想でしたけど、それだけにロマンチックだったじゃないですか~笑ったけど(ォィ
 これって、麻弓さんの理想形みたいなところもあるのでしょうね。

 ベタベタではありますが、むしろそれがイイみたいな。
 シロさんの妄想する、はぐれて手をつなぐ場面が、不穏だったのは笑いましたけど(´▽`;)

 

 

 

 困った律さんが頼ったのは・・・

 麻弓さんもあおってくるし、どうしたらいいかわからない律さん。
 困った末に、一緒に来てもらおうとするのが、林さんというのも面白い所。

 「こんなこと頼めるの、林さんしかいない」
 と伝える律さん、切羽詰まってる感じが出ていて良いですね~。

 しかし、それに対する林さんの答えは、「私らってそんな友達みたいな仲でしたっけー?」
 というもので、これには律さんも少なからずショックを受けてしまっています(^^;

 そこで焦って、ごめんを連呼しつつ、涙ぐみながら電話を切ってしまう律さん。
 林さんもちょっとしたイジワルのつもりで言っただけなのに、ここまで動揺するとは。

 その後、林さんのフォローがありつつ、何だかんだで世話を焼いてくる所が良いですね。
 友達じゃなきゃなんなんだろ・・・ なんて考える律さんにとって、
 林さんは間違いなく友達でしょうし、よき相談相手になってます。

 このあたり、ぼっち先輩な律さんに、親友ができている感じがあって微笑ましい。
 まあ他にも前村さんだったり高橋くんだったりも、友達とはいえるかもですが、
 林さんはまさに、親友ポジションになりつつありますからね。

  

 

 

 そんな林さんのお返事は・・・

 これまた、ちょっとしたイジワルで返していたのが楽しかったり。
 林さんの返事に、今度は少し怒り気味な律さんも、可愛かった!

 でも、これは林さんの方が、イジワルとはいえ適切かもしれませんね。
 救いを求めてきた律さんを、あえて突き放す。
 これで、オロオロする律さんを拝めるわけで、ありがとう林さん! といった趣(ォィ

 からかう雰囲気で、律さんをいじる林さん、これまでの意趣返ししてるでしょ(^^;
 そんな2人のやりとりが愉快でしたね~。

 もはや、鉄仮面ではいられなくなっている律さん。
 花火大会にて、宇佐くんを相手にどのような態度をとることになるのやら・・・

 そして、そのことで進展につぐ進展があるのか否か!?
 もう秒読み段階な気もしますけど、まだ何かしらの壁は立ちはだかりそう?
 なんて気にしつつ、今後も楽しみです!

 

◆ ヤングキングアワーズ 感想