ヤングキングアワーズ 2014年12月号より
以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)
●ドリフターズ (平野耕太 先生)
コミックス5巻、発売中~!
ちょうどコミックスのつづきとなる今回、黒王軍をさぐる2人がメインです。
「北壁」を見張る十月機関の導士と、雇われ獣人のドグさん。
2人は、壁の中を直接調べるべく、潜入調査へ赴くことになりますが・・・?
壁の向こうは、魔物たちの街!
人間にとっては驚くべき光景のようで、魔物がこれほどの規模で
集団生活をおこなっていることが、信じられないといった様子の導士さん。
しかも、魔物たちは活気づいており、まるで人間社会のようなふるまいが目立ちます。
魔物たちの商売。
つまり、経済の概念が生まれつつあるということで、
そのために貨幣を使用していることが、意外というより異常といった趣。
しかし、貨幣の鋳造方法は、あまりにあまりな所業で、少し可哀想になっちゃいましたね。
「生きた銅鉱山」とか、ヒドイ(^^;
「これほどにぎやかな市は見たことがない」
とまで、導士さんが評するほどの繁栄を築きつつある魔物たち。
グ=ビンネンを除けば大陸で最も盛況な「都」という評価が、
黒王と〈廃棄物〉の指導力を、存分に感じさせます。
ドリフ〈漂流者〉が、この世界に新たな技術や思想を持ち込み、
変化をもたらす存在として期待されていることは、以前描かれていましたけど、
エンズ〈廃棄物〉も、魔物の世界に大きな変化をもたらしていることが、よくわかりますね。
そして、元々いたカルネアデスの人間たちの行方。
殺されつくしたか、と考えるのは妥当なところですが、魔物たちが奴隷制まで
しいているとは重ねて驚き・・・ と思いきや、そこにはさらに過酷な現実が!
嗚呼、わかってはいたことですけど、魔物と人は相いれない存在なのだと、
しっかりと突きつけられますねえ・・・ 魔物に穏健派など生まれようもないか。
「全て見たぞ」
現れた人物にそう告げる導士さん・・・ ですけど、彼って〈廃棄物〉でしたっけ?
確か、どちらかわからなかったはずだったと思いますが、
導士さんは北壁の中にいるということから、彼を〈廃棄物〉とみなしているのですね。
しかし、〈廃棄物〉と呼ばれた人物は、本当に見るべきは別の所だと告げています。
魔物の街ではなく、その外にこそ、見るべきものがあるとは!?
圧倒的な威容を誇る黒王軍。
おそらく軍制までも整えられた魔物による“正規軍”は、
人間側の軍団よりも強力なのでは? と思わせるほど、圧倒的な存在感でありました!
正直、人間側はまだ、オルテ帝国すら分裂状態で、
一致団結して黒王軍にあたるといった雰囲気ではないですよね。
これでは、各国が各個撃破され、あっという間に蹂躙されてしまいそうですが、さて?
豊久陣営によるオルテ統一戦争の行方はもちろん、人間側の国々を糾合し、
諸国連合としてまとめるまで、どれだけかかってしまうのか・・・
また、ドグさんの安否も気になりつつ、今後も楽しみです!