2011年7月号
休刊号となります。
すべての作品感想を述べるのはちょっと難しいので、
創刊号のとき感想書いた作品(① ②)と、いくつか他作品の感想でまとめてみます。
●サンタはじめました! (佐伯イチ 先生)
2人の少年・テルトとジンジャーのサンタ道。
魔法少女モカも加えて、ここから盛り上がると期待高かったのですが・・・
2人の盗賊も門番さんも、なかなか面白いキャラクターでしたし、これはつづき読みたいな。
「コメット☆」をまた見てみてたいものです。
「常夏の国編 終わり」とあるので、またどこかで新たな国の物語を読めたらいいな~。
本作品、1話目の見事さと、その後のノリのよいコメディ色がバランスとれていて、
私としてはかなり期待できる作品だと考えておりました。
今回の話でも、サンタ協会にほうっておかれた子供たちがいるらしいということですので、
そのあたりでの物語の広がりを見てみたかった気がします。
テルトとジンジャー、そしてモカたちに、またどこかで出会えたらよいなと思いつつ・・・
楽しませていただきました!
●恋とはどんなものかしら (四ツ原フリコ 先生)
「恋を知らない」さえない女教師と、明るく直球な少年の物語。
結婚式に呼ばれてブルーな先生でしたが、そこに“追い打ち”かける少年に、
思わず感情的にはなった言葉が「どうせ結婚なんてできっこないもの」。
「どうせ私なんか」
過去の出来事から自分を肯定できず、恋を知らず、漫然と日々を過ごす大人の女性。
そんな彼女の平穏な日常を引っかき回し始めた少年の純心がまぶしく、
そして次第に開かれつつある先生のココロ。 ラストのやりとりが、描写通りに輝いてます。
前向きになりつつある先生が見れてよかったな~、とも思ったりはしますが、
もっと長めの物語として、しっかりと丁寧に追いたかった作品でした。
「恋とはどんなものかしら」というテーマ通りの展開を期待していましたし、
正直もっと読みたいです! それくらい、楽しませていただきました!!
●みん☆うた (林ふみの 先生)
歌はイイよね・・・な、合唱部ストーリー・幽霊付!
主人公・たこさんが暴走キャラクターでしたけど、親友・みきさんの存在や、
歌への情熱を感じさせる点がプラスに働いた作品でしたね。
ギター部の男子たちもイイ奴らだし。
最後も、流れるメロディと、そこに重なる始まりの一歩というシメ。
なかなか悪くなかったのではないでしょうか。
話が短めであったため、拙速かつ詰め込み過ぎた感があるのはやむなしですが、
それを吹き飛ばすような、歌の楽しさ・美しさを感じさせる描き方は、
私をじゅうぶん満足させてくれました。 でも、幽霊さんの物語も見てみたかったですね・・・
そんな感じで、楽しませていただきました!
●いつか王子さまが (倉田嘘 先生)
「王子さま」にあこがれる奈津子さんが出逢った王子さま・・・?
創刊号にはなかった作品ですが、助けてくれた“王子さま”が女性だったことで、
カレシ持ちなのに揺れてしまう奈津子さん・・・という展開が興味深かった作品。
少女のような心といえばキレイでありますが、大人の女性が「王子さま」なんて言ってたら、
あきれられるか、バカにされるかみたいな所はありそうです。
それを自覚しながらも、どこかで夢見てしまう奈津子さんの純心は嫌いじゃなかった。
さらに、そこから「王子」を女性に設定することによって、
奈津子さんの心中の複雑さをじっくり感じさせる表現になっていて、お見事でありました。
このあたり、もっと読んでみたい要素ではありましたし、
つづけようと思えばつづけられなくもない終わり方でもありますので、
またどこかでお会い出来たらよいな、と期待しております!
●君と朝まで (堤抄子 先生)
新人漫画家・遅井原子さん、恋を求めてタメ息な日々・・・
今回は、原子さんのお見合い話でしたけど、
アシスタントの芦田くんの言葉に勇気をもらい、漫画家人生を突き進むー!?
しかも、言った当人は、よいこと言っても他人事。
またも報われぬ原子さんに涙涙でありましたとさ( ;∀;) でも芦田くん、カッコイイよね。
毎度毎度、恋の予感に心躍らせつつ、報われぬ原子先生にはげましのお便りを!
そんな風に、恋を求める女性の心情にじんわり?させられつつも、
コミカルにオチがつくという展開が面白い4コマ漫画でありまして、
私などはかなり楽しんでおりました。
でも、“気が多い”原子先生のことなので、話はいくらでも作れそうですし、
ここはひとつ、どこかしらでの再会(再開)を期待したいと思います!
あと、髪おろした先生、可愛かったです!!
●カフェは今日もにくきゅう日和 (都波みなと 先生)
ネコカフェ「にくきゅう」、猫魂といっしょに今日も繁盛まちがいなし・・・!?
最後は、オレたちの戦いはこれからだENDでしたけど、
新キャラクターまで加入して、本当につづきそうな勢いを感じます。
新しいバイトさんも可愛いし面白いしで、これで終了はもったいない気もします。
都波先生の作風であれば、ほかのファミリー系4コマ誌でも掲載できそうな気がしますし、
ここはつづきに期待したいところです。
ねーさんが「元に戻る」ことができるのか? カフェはちゃんと繁盛するのか?
舞台設定・キャラクター、ともに悪くない作品ですので、いずれどこかで・・・
そして、短い間でしたが、楽しませていただきました!
●世界で一番美しいのは誰? (木下さくら 先生)
美少女だけど彼氏いない歴=年齢な、萌子さん物語。
まあ、周囲が高嶺の花と思っているのと、性格がアレなのが難でありまして・・・
というお話でしたが、幼なじみで萌子さんの美貌に興味がない三四郎くんの存在が、
よきツッコミ役として機能しており、かなり楽しむことができました。
しかし、ファーストキッス奪われてしまった最終回!
唐突だった気がしますし、私はてっきり三四郎くんと・・・と考えていたので、うーん。
とはいえ、最後までノリがよくて楽しい4コマ作品でした。
萌子さんも見ている分には面白い人でしたし、何より勢いがありましたので、
思わず引き込まれる魅力がありましたね。 そんな感じで、楽しませていただきました!
●帰宅部活動中! (ハラヤヒロ 先生)
帰宅部になったつもりが、「帰宅部」に入っていた元・陸上少女の渡辺さん。
ということで、帰宅部モノな物語でしたけど、渡辺さん以外全部男なこのハーレム構造。
最後は生徒会執行部まで巻き込んでの天下でしたね。(違)
この最後のシーン。
陸上をあきらめて「帰宅部」なんぞに入った渡辺さんと、
彼女を「それでいいの?」と問い詰める友人・イッチーが、対比になった面白シーンでした。
あれだけ、少女の悩める思いを感じさせておいて、この落とし方はお見事!
自分の生き方を「間違っている」かどうかと思案する若者の心情を、
コミカルなオチに引っ張って行っていたのは、かなり面白かったです。
自分の人生は自分で決めた道で行けばよいし、
それを他人にとやかく言われる筋合いはない・・・そんな感じでしょうか。
イッチーはイッチーで、友人として渡辺さんを心配して惜しんではいるのですけどもね。
「帰宅部」という、まったりというよりは、ねっとりした青春だってあってよい。
そんな感じで、楽しませていただきました!
●おばけの学校 (時任奏 先生)
「おばけの学校」は闇の中~。
ということで、最後はピンチな風太郎くんでありましたけども、
そこはアヤさんたちに助けられ・・・という展開。
何やらいろいろ設定があったようですので、これで終わりはもったいない作品。
妖怪の描き方や、「正解」の大ゴマなど、ビジュアル的にもよいものが目立っていましたし、
どこぞでつづきが読めたらよいな、と思っています。 絵、イイですよね。
それに何より、雨音さんが活躍しとらんじゃないですかー!
語れることは少ないですけど、もっと読んでみたい物語。
楽しませていただきました!
●プリズムと嘘つき (森岡倫理 先生)
「嘘」を駆使して依頼を遂行、鑑定士ナナセの「騙し」は芸術。
公爵の口座が不正に操作されていた件を調べるナナセたちでしたが・・・
意外な「犯人」の正体と彼女との関係に、今後の物語の広がりを予感してしまいましたが、
どこぞでつづきは描かれないのでしょうか?
ナナセをはじめ3人組なのに、ホレス出てきませんでしたよ・・・??
紅一点ベロニカも、大した仕事してませんし・・・
個人的には、本誌でも1,2を争う期待作品だっただけに、私は続編をつよく望みます。
さらなる「騙し」のテクニックで、仕事を片付けるナナセの活躍を見てみたい。
でもひとまずは、楽しませていただきました!
●くるくるまきまき (珠月まや 先生)
ゼンマイ仕掛けのクルクルさんと、彼女を拾ってしまったまきさんのお話。
本誌の中でも、4コマ漫画らしい4コマ漫画として楽しめる作品の1つでした。
ゆえに、ほかの4コマ誌に掲載されても違和感なく楽しめる作品かと思います。
クルクルさんの「ボケ」と、やさしいまきさんの「ツッコミ」が、ふんわり楽しかった。
最後も学校が舞台にもかかわらず、ほぼ2人だけのやりとりで進行していたのが面白い。
まきさん憧れのセンパイさん(女性)との関係も、ほどよい味付けになっていて、
なかなか楽しい4コマ漫画。 楽しませていただきました!
●子執事は社長の夢を見るか? (雁えりか 先生)
オトナ社長とコドモ秘書を中心とした、職場&家庭のオン・オフ物語。
職場では威厳ある社長・牧場さん。 しかし家での姿は、か弱い坊ちゃん。
それを支えるのが9歳の天才児、秘書で執事の夢路くん・・・という内容。
最後は、夢路くんの昔の知り合いがやって来て、社長の「正体」をあばき、
夢路くんを奪おうという展開になっていましたが・・・
「俺だってお前が欲しかったのに!!」だの、「僕はもうこの方のものなんです」だの、
BL的な雰囲気も匂わせていましたが、そこはそれだけの「信頼関係」を描いていると
受け止めて読むのがよろしいのでしょう・・・
一部の方は、別の愉しみ方を心得ておられるでしょうけど(^^;
このように、BL的な空気もまとっていた作品でしたが、
とくにそうした嗜好のない私でも楽しめる作品でありましたよ。
牧場社長の職場と家での変わり身と、それをサポートする夢路くん、
さらにボディーガードのネロさんや、セキュリティ担当のハザマくんなど、
よいキャラクターが大勢でしたし、それぞれがそれぞれの役目と個性で話を
盛り上げてくれるよさを感じていました。 開発室長・別都さんもミステリアスでしたし。
私は好き作品でしたし、できればこのメンバーでつづきの物語を読んでみたいものです。
楽しませていただきました!
参考までに。
・Togetteer 『まんがタイムラブリー』休刊への反応
こちらの「読者の反応」にて、八戸(hachinohe)氏が語っておられることに同意です。
・Togetter 『まんがタイムラブリー』の近年の歴史を振り返る
――ストーリー作品志向、4コマへの揺り戻し、リニューアル、そして休刊
まさに私がラブリー読む頻度を落としたのは、2008年末の転換期からでしたね。
リニューアルから1年たたずしての休刊は拙速な気もしますが、
そのあたり、いろいろな事情はあるでしょうし、私などがとくに語ることはありません。
じつはリニューアル後は、毎号かかさず読んでおりました。
つまらなかったら、義理でも毎号なんて読めません。
つまり、私には楽しめる4コマ誌だったということですし、期待作品もありましたので、
ここでの休刊には残念な思いを抱かずにはいられません。
連載作品については、機会があればどこかで再び出会いたいものであります。
正直、終了がもったいない作品多いですよね。
私の好みいかんにかかわらず、需要ありそうな気もするのですけども・・・
短い間ではありましたが、楽しませていただきました!