Asian Railway Plaza

アジア各国の鉄道やJR南武線の話題などをお届けします

1994年頃のPNR(フィリピン国鉄)

2009年10月28日 00時35分27秒 | フィリピン
先日に続きPNR(フィリピン国鉄)の話題を少々述べていきたいと思います。この頃は現在と比較して列車の本数もそこそこあり、ラッシュ時を中心にある程度Metro Manilaの南方方面の大動脈として担っておりました。

下の写真はCaloocanで撮影した通勤列車(1994年12月撮影)

1993年作成の国鉄通勤輸送力強化事業及び援助効果促進業務の報告書によりますと、92年9月22日現在の主な区間の1日の列車本数は、北線のCaloocan~Meycauayan間で上下4本、南線のEspana~Alabang間で約30本、Alabang~San Pedro間で12本、Binan~Calamba間が2本、支線のSan Pedro~Carmona間は8本でした。
当時の運行状況については、最も列車本数の多いManila中心部のPaco~Sucat間で、ラッシュ時は20~40分間隔、データイムでは40~150分間隔で、データイムにおいては等間隔ではなく、非常に利用しづらいものとなっていました。
また、運行開始の早朝においてはオンタイムでほぼ運行されているものの、列車運行の終了間際になると平均約40分の遅れが生じていたようです。
編成については6編成が運用につき、基本的にDL+PC3両の編成であり、また、DCもあったようで僅か18両が稼動できる状態でしたが、DCについては軌道が脆弱であるため床下を損傷してしまい、車両整備後数年で使用できなくなるような状況でした。

下のダイヤグラムは1992年9月22日現在のもの

PNRなどの計画では1993年12月から92年9月の列車本数の2倍以上にすることを計画し、稼動できる車両を増備した上で、朝夕のラッシュ時においては15分間隔、データイムは30分間隔で、下に示すダイヤで運行する予定でした。

下のダイヤグラムは1993年12月に予定していたもの

しかしながらこのような計画とは裏腹に計画は予定どおりにいかなかったようで、衰退の一途をたどりました。
先日も述べましたように韓国Rotem社製の編成が合計6編成揃うようですので、来年早々には複線化と同時にTutuban~Alabang間において、ラッシュ時は20分間隔、データイムでは30分間隔で運行可能かと思いますし、利便性や信頼性が向上すれば更に乗客が増加するのではないかと思います。将来的には連続立体交差事業を展開し、かつ電化も必要となってくるはずではないかと思いますが、そうなるとこのPNRにおいてもジャカルタと同様に日本の中古電車の活躍する姿を見ることができるのではないでしょうか。

下の写真はEspanaで撮影した通勤列車(1994年12月撮影)