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Asian Railway Plaza

アジア各国の鉄道やJR南武線の話題などをお届けします

203系でAlabangへ

2016年03月10日 00時32分14秒 | フィリピン
前回の続きですが、前回は韓国RotemのDMUでマニラ首都圏の南の交通拠点であるAlabangからTutubanまでの乗務員室添乗レポートをお送りしましたが、帰りもAlabangまで乗務員室に添乗させていただきたいと思い、PNRの本社事務所をあとにすると、Tutuban12:35発の列車に乗車すべくホームに向かったのですが、この列車に抜擢されたのは先程乗車したRotemのDMUではなく、DL+203系でした。全体の列車のうちおおよそ7割がこのDL+203系が充当され、203系は基本5両編成であるため、Rotemの3両編成に比べればキャパはおおよそ1.7倍もありますので、車内の混雑度解消には寄与しているのですが、データイムにおいては1時間毎の運転ではいくら5両でもすぐにいっぱいになってしまいますので、少なくとも30分間隔で運転されることが望まれます。


車内に入っても混雑していて、列車の乗車を楽しめませんので、この列車の先頭のDL(ディーゼル機関車)に乗せてもらうことにしましたが、機関車に乗り込むと運転士はいかつい人で、いかにもマンダムなどの男性化粧品のCMにお似合いでした。この運転士はフィリピン人には珍しい物静かな男で、本人曰くアラブの血が入っているとのことでした。


列車は定刻12:35に発車し、Alabangまでの1時間ちょっとの旅を堪能させていただきました。


列車はTutubanを出発し、おおよそ1km行ったところで大きく右に90度曲がります。まっすぐの線路はCaloocan方面です。


LRT1号線のBlumentritt駅で、その向こうにはPNRのBlumentritt駅があります。この前の話でこのLRT1号線との交差部においてPNRは将来的に軌道レベルの高さが約23.6mにも達しますが、南北連結高速道路の上にPNRの駅が設置されるものと推測され、どのような構造物になるのか気になるところで、LRTの駅舎とうまく接続されることが期待されます。


Alabangまでのホーム有効長は基本的にRotemのDMU3両編成に合わせていますので、この203系は5両編成であるため、どうしても後ろ2両分足りなくなります。


203系先端がホームの端に来るように停車させるため、RotemのDMUよりも技術が必要で、停車させる際には慎重にブレーキをかけています。
列車が発車するまではこの運転士、トラックの運ちゃんのように荒っぽい運転をするのかと思いきや、見かけによらず意外に慎重に運転していました。


この駅はSta.Mesaで、Tutuban寄りに低床ホーム、Alabang寄りに高床ホームが設置されています。


車掌は203系の乗務員室でドアの開け閉めと次の停車駅の案内を行っています。
また、この駅でも降車する乗客も見られますが、乗車するほうが多く、車内の混雑度は高くなっているようでした。


マニラの母なる川であるPasig川で、対向列車とすれ違いました。現在はとても汚い川ですが、昔はきれいだったとマニラっ子はよく話しています。


機関室にはマニラ首都圏内の軌道状況と最高速度の一覧表が貼ってありましたが、運転士には既に軌道状況を熟知しているのか、いちいちこの一覧表を見ることはしていませんでした。


Paco駅停車中のところを一旦降りて急いで撮影しました。
奥に見えるのが本来のPaco駅の本屋になるところでしたが、途中まで造りかけたものの野ざらし状態となっており、建設を諦めてしまったようです。


列車が発車したにもかかわらず、横断する人や車も多くいるため、列車との接触事故が絶えません。死亡事故になるケースもよくあり、やはり道路との立体化は必要のようです。


Makatiに通じるBuendia Ave.(Gil Puyat)で、交通量がとても多い幹線道路です。高架前の阪和線の美章園~杉本町のようで、PNRはこれらの幹線道路と立体交差することが望まれます。


おそらく後ろ2両分はホームからはみ出し、先程の幹線道路であるBuendia Ave.までかかってしまっているのではないかと思われます。
以前も説明したかと思いますが、Buendia Ave.のTutuban寄りにホームを設置すれば少しでも交通渋滞は避けられたのかもしれませんが、なぜ、ここにホームを設置してしまったのか今でも疑問が残っています。


時刻は午後1時を過ぎたところでしたので、お腹も減るところですが、この運転士、何も食べていなかったのかビニール袋からメロンパンのようなパンを取り出し、私に「お前も食べるか」と声をかけていただいたのですが、私は「Alabangで食べるからお気遣いなく」と言うとそのパンをおもむろに頬張っていました。メロンパンのようなものを食べている姿を見ると、ちょっとお茶目な一面があるのかもしれません。


EDSA駅に到着です。この駅は別名Magallanesと言われており、多くの人たちはEDSAよりもMagallanesと言っていますが、EDSAと言ってしまうと環状道路のEDSAやMega Mallの近くのEDSAなのか混乱するので、私もMagallanesと言っています。


このあたりが2015年4月29日にレールを盗まれたことにより脱線事故が起こったところです。使っているレールを盗むとどういうことになるかわかるはずなのですが、どうしてそこまで考えないのでしょうか。ちなみに盗んだ犯人は捕まったようです。


この駅はBicutan駅です。このあたりまで来ると圧倒的に降りる人が多いようです。


Bicutanを過ぎると軌道の補修工事が手作業で行われていました。列車はゆっくりしたスピードで通過していきました。


Sucatを過ぎると複線から単線にりますが、既に複線の用地が確保されており、あとは枕木と線路を設置するだけのようですが、以前から用地だけは確保されているものの複線化は実現化されていません。このSucat~Alabang間だけ複線化すると画期的に輸送力増強はできるのですが、複線化は今後の官民連携事業までお預けとなってしまうのでしょうか。


終点Alabangに到着です。11時から15時までは1時間ヘッドの運転のため大勢の乗客が待っていました。また、バスよりも列車のほうが安いので、増発をすれば確実に乗客は増えると思うのですが、増発する上でいろいろと問題があるのかもしれません。


DLを切り離して、一旦、DLをCalamba方面に。そして機回線を通り、再びこの203系に連結されますが、慣れているのかものの5分もかからずに一連の作業が終了してしまいました。


Alabang駅のホームもこの203系の列車に対応すべく3両分のプラットホームが建設中で、おそらくAlabangの隣駅のMuntinlupa~Calamba間で整備されたホーム有効長120mに合わせるのではないかと思われます。


いかがでしたでしょうか。PNR乗務員室添乗レポートはこれにて終了ということで、次回の話題もフィリピン関連でPNRのCaloocan工場かBicutanにあるDOST(科学技術省)施設内の次世代の乗物について簡単にご報告させていただきたいと思います。






RotemのDMUでTutubanへ

2016年03月06日 22時30分53秒 | フィリピン
前回9月のマニラ訪問時の続きで、昨年10月の記事で乗務員室添乗レポートをお届けしますと言っていながら今頃になりますが、昨年9月10日にAlabangから起点のTutubanまでを韓国Rotemの気動車の乗務員室に乗車し、戻りもTutubanからAlabangまでを203系を牽引するDL(ディーゼル機関車)に乗車させていただきましたので、本日はAlabangからTutubanまでの添乗レポートを簡単ながら報告したいと思います。
前日の9月9日早朝、ジャカルタからマニラに到着し、8:45に元関東鉄道のキハ350がマニラからビコール地方の中心都市Nagaへ回送で持って行くということを事前に聞いていたものですから、是非、その列車に乗せてもらい次の日にマニラへ戻って来ようと考えていたものの、投石避けのネットが設置されておらず、Nagaへの回送はキャンセルされてしまいました。
ということで、もう一度、マニラ首都圏だけで良いので乗務員室に添乗したいと思っていましたので、翌日の10日に家内の許可をもらいSta.Rosaの自宅を出発しました。以前であればSta.RosaにはCalambaまでの203系によるCommuterとキハ59こがねによるPremiere trainが運行されていたのですが、現在ではAlabang以南は運行されておらず、Alabangに行かざるをえませんでした。
フィリピンの代表的な公共交通であるジープニーでAlabangに到着すると時刻は10時30分になりかけていましたが、0分、30分の切りの良い発車時刻ということもわかっていましたので、なんとか10:30発の列車に乗車できないかと駅まで走ってみたところ、ちょうど10時30分にホームに到着し、韓国RotemのDMUは発車する直前でした。切符を買わないままPNRの幹部から事前にいただいた許可証を乗務員に見せると、その列車の乗務員室の中に招かれ、添乗させていただくことができました。


列車は私が乗り込んだとたんに発車し、列車は50km/hほどのスピードで快調に走りましたが、以前のようなもう少し早いスピードは出さなくなりました。というのは昨年4月29日に発生したレール盗難により100名ほどが負傷するという脱線事故が発生し、事故前はTutuban~Alabang間約28kmを55分で結んでいたものの、事故後のダイヤでは安全重視の観点からこの間を約1時間30分で結ぶことになり、その後ある程度の安全が確認できたので、この時点で同区間を1時間12分と少々スピードアップしました。
また、前方の乗務員室には車掌も同乗しており、ドアの開け閉めはこの乗務員室のスイッチを使用し、次の停車駅の車内放送の案内も実施されていました。


ビジネスエリアの玄関口であるEDSA(Magallanes)はMakatiへの最寄駅であり、かつMRT3号線の乗換駅であるため、多くの乗客が乗り降りしますが、この駅は珍しく高床ホームが整備されておらず、女性専用車の停車する車両部分のみコンクリート製の階段が設置されています。
また、このDMUは3両編成であり、進行方向先頭車1両は終日女性専用車になっていますが、他のLRTやMRTも同様で進行方向の先頭車寄りの車両は女性専用車になっていますので、マニラで鉄道を利用する際にはこのような感覚を身につけなければなりません。


列車はBuendia(Gil Puyat)を過ぎるとSLEXに接続するSky Wayと言われている高速道路は途切れますが、遠くはPangasinanまで結ぶNLEXと接続するため、南北連結高速道路の建設工事が下の写真のとおり実施されており、マニラの母なるPasig Riverを渡ったあたりから、元々PNRの線路に沿って標準軌用の新線建設用として確保されていた敷地は、PNR軌道の上空も含めてこの高速道路の建設に利用されるようで、PNR南方線の今後の連続立体化と電化計画と整合性が取れるのか疑問であります。


Paco駅のあたりから北側ではスケーターと呼ばれるお手製のトロッコでお客を運ぶ姿をよく見かけるようになりますが、列車が絶えず警笛を鳴らしているため、列車が近づくといとも簡単にそのスケーターを持ち運び、一時的に避難させています。


Sta.Mesaまで来ると、乗車よりも圧倒的に降車が多くなり、列車の中は少しずつ混雑が解消していきます。
線路の奥のほうに見える高架橋はLRT2号線であり、Pureza駅が乗換駅となりますが、マニラにおける鉄道と鉄道の乗換が非常に不便で、駅と駅が近接していない場合が多く、ある程度の距離を歩かされます。LRT駅同士、またはLRT駅とMRT駅の乗換駅であるDoroteo Jose駅とRecto駅、EDSA駅とTaft Ave.駅においてもこの駅間の通路はあるもののある程度距離があり、しかも乗車券の通しでの利用はできず、再び購入する必要があります。


下の写真は通行票のようなもので、フィリピン国鉄ではタブレットのようなものになっていますが、各駅で駅員からこの通行票をもらわなければなりません。
通行票の左下には40KPH PD-SAと書かれていますが、PDとSAは略号でそれぞれPandacanとSta.Mesaを指し、この間の最高速度が40km/hを意味しています。


Españaでもかなりの乗客が降車し、車内はほぼ全員の乗客が座れる程度となりました。
また、この駅名の由来はおそらくフィリピンを最初に植民地支配したスペインのことでありますが、フィリピンの地名やファミリーネーム、ミドルネームの中にはスペイン語から由来するものが多くあり、かつ、タガログ語にないÑ(エニェ)が付く地名があります。ちなみに私の家内のファミリーネームもEsquierdo(左という意味)を名乗っています。


そのEspaña駅のTutuban寄りにはQuiapoとQuezon Cityを結ぶ大きな通りであるEspaña Blvd.が横切ります。
先程の話で南北連結高速道路がPNRの上空に建設される予定ですが、鉄道のほうも将来的には整備され大増発が予測されるのですから、将来的にも鉄道はこのような幹線道路といつまでも平面交差するのは大渋滞の元になりますので、高速道路と連携、もしくは一体的に鉄道も整備されることが望まれるのですが、どのようにして鉄道を立体化するのか気になるところです。


España駅のTutuban寄りには渡り線がありますが、他の駅でもこのような渡り線が所々に設置されており、何かしらの障害発生時に臨機応変に対処するためのものかと思われます。2010年9月まで左側通行でしたが、その後、原則右側通行に変更されています。


LRT1号線の接続駅であるBlumentrittに到着しました。奥に見えるのがLRT1号線のBlumentritt駅で、ここは駅が近接していますので乗り換えが容易です。
2000年12月にLRT1号線のこの駅で爆破事件が発生し、20名以上の方々がお亡くなりになったことは記憶に新しいところです。
また、LRT1号線の高架下には幹線道路のRizal Ave.が通っていますので、必然的にPNRはLRTとこの幹線道路と立体交差することが将来的に望まれるのですが、DOTC(交通通信省)の南北鉄道南方線の計画を見ますとこの南方線が高架でオーバークロスし、グランドレベルから軌道面の高さが23.625mもあり、結構な高さの構造物となるようです。


列車は終点Tutubanに向けて発車すると、方角的には真西に向かっていたところから90度左にカーブし真南へ向かいますが、Caloocan方面に延びる単線の線路がそれとは逆に北に向けてカーブし、やがてTutubanからCaloocan方面へ向けて延びる線路も見え、ここではデルタ線が形成されています。
昨年、PNRの幹部にTutuban~Caloocan間の運転再開について伺ったところ、2015年末には再開すると述べていたと思うのですが、運転が再開されていないところをみると、Tutuban~Malolos間の整備まではやらないのではないかと個人的には感じており、せっかく軌道強化と高床ホームの整備ならびに新駅設置を実施したにもかかわらず、なんともこれらの施設が活かされないのはもったいないような気がします。
下の写真はTutuban方向からCaloocan方面を見たところです。


やがて終点Tutuban駅に近づくと、進行方向右側にTutubanヤードが見えてきます。


ヤード内にはPNRのコーポレートカラーで塗られたブルートレイン色のRotem製のDMUや203系などが留置されており、塗られていない車両は運用に入らない離脱している車両です。


Tutuban駅は行き止まり式のため、あらかじめスピードを落とし、慎重にブレーキを操ります。
203系については機回線が駅構内にないため、一旦、列車丸ごと引き上げなければならず大変ですが、このようなDMUであればそのような面倒くささもなく、かつ安全ですので、本来であれば日本の中古気動車があると助かるのかもしれません。


今回、お世話になった運転士と車掌さんで、この運転士は双子の兄弟がおり、その兄弟もこのPNRで働いているとのことでしたが、現在はその兄弟はサウジアラビアで鉄道の運転士を担っているようです。


最後にTutuban駅本屋の上にあるPNRの事務所に寄り、PNRの方々にご挨拶させていただきましたが、2階の事務所には指令所があり、この女性が各駅からの列車の状況の報告を受け、1本1本の列車の状況や時間を記録しているとのことです。


次回は203系を引くDLに添乗させてもらい、TutubanからAlabangへ行きましたので、そのレポートをお送りしたいと思います。

PNR(フィリピン国鉄)近況報告-2015年9月

2015年10月20日 02時12分53秒 | フィリピン
ジャカルタ、マニラ遠征の報告の続きということで、前回はジャカルタからマニラまでの帰路の様子をお伝えしましたが、本日はPNR(フィリピン国鉄)の近況報告と元関東鉄道のキハ350の話題を中心に報告したいと思います。
TutubanからNagaへ送り込むキハ350の回送列車に乗車させていただくことになっていましたが、前回、報告しましたように8時30分過ぎにキハ350とビコール地方におけるコミューター列車の安全などを祈願し、新GM、車両課のB氏や幹部立ち会いのもと神父さんが祝福式(blessing)を行っていました。
しかしながら、予定されていたNagaへの送り込みは残念ながら、投石避けネットの設置が完了しておらず、送り込みは中止になってしまいました。

下の写真は9月9日のTutuban駅での様子ですが、急ピッチでキハ350の第1編成と第2編成に投石避けネットが取り付けられていました。


その後、私がマニラから帰国する9月14日にTutubanからNagaまで第1編成が回送され、18日からNaga~Legazpi間で、キハ350による運行が開始されたようです。
投石避けネットの付いた写真はありませんが、第1番編成は前面の投石避けネットが左右ともに同じ形のものが取り付けられているようですので、マヨン火山との撮影は絵になるかと思いますが、1日たった1往復するのみですので、撮影は1発勝負か、車を借りるなどして追いかけて撮影する必要があるかもしれません。せめて2往復ぐらいしてくれると良いのですが。(Legazpi駅に7:30~17:00まで置いておくだけですので)
なお、第2編成の前面の投石避けネットは行先表示器が残ったため、運転席側のネットの天地が長く、見た目あまりカッコイイものではありません。
また、キハ350が使用されているNaga~Legazpi間の時刻ですが以下のとおりで、日曜日は運行されていません。(土曜日は不明)
Naga5:00→Pili5:21→Iriga5:52→Polangui6:29→Ligao6:43→Travesia6:58→Daraga7:22→Legazpi7:30(主な駅のみ掲載で、Legazpi駅以外は発車時刻)
Legazpi17:00→Daraga17:09→Travesia17:34→Ligao17:49→Polangui18:03→Iriga18:39→Pili19:10→Naga19:30(主な駅のみ掲載で、Naga駅以外は発車時刻)
ちなみにSipocot~Naga間は以下の時刻のとおりですが、こちらはDL+ブルトレ色キハ52の3両が使用されているようです。
Naga5:30→Sipocot6:40 Sipocot6:40→Naga7:50(途中駅の時刻は省略)
Naga15:30→Sipocot16:40 Sipocot16:45→Naga17:55(途中駅の時刻は省略)


車両前面の左上に番号の付いていないのは第3編成目で、第3編成は予備のため、Tutubanに留置されているようです。細かいところを見ると前照灯まわりの色やガラス支持のHゴムの色などに違いが見られます。また、第1編成にはジャカルタの電車のようなスカートが取り付けられていますいが、第3編成には付いていません。
各編成の組成については以下のとおりです。(←Tutuban  Alabang→)
第1編成 354 353
第2編成 358 3511
第3編成 3518 3519



第3編成はとりあえず予備ということで、この時点では投石避けネットが取り付けられていませんが、今後投石避けネットやスカートも取り付けられることが予想されます。
また、当初、キハ350は3両編成で使用される予定でしたが、どうも2両編成で使用されるようです。


続いて、このキハ350の車内を覗いてみました。
キハ350には簡易クーラーが取り付けられていますが、1年中常夏のフィリピンではAU75のような集中式の強力なクーラーが必要かもしれません。
まあ、基本的にNaga近郊の路線で、朝と夕方に使用されますので、このままでも良いのかもしれませんが、3扉というのはマニラ首都圏向きなのかもしれません。


車内の扇風機には国鉄の象徴であるJNRマークが付いていました。


国鉄の101系と同様にキハ350の運転台はとてもシンプルです。運転席後部にある扇風機や他の機器には国鉄のJNRマークが付いたままであり国鉄の雰囲気が漂っています。


以上がキハ350の現況でしたが、今後も長く使用されることを願いたいもので、キハ52のように数年使ったのち、休車となってしまうのか心配であります。

この他の話題としては特にありませんが、車両課のB氏の部屋にお邪魔させていただき、このようなすばらしいトレインビューが堪能できました。
Tutuban駅とTutubanのヤードが全て見渡せ、右側には203系が、左にはキハ350と12系客車、14系寝台車が留置されていました。


最後に1つ、203系の列車を見ていて思ったのですが、203系の列車がTutuban駅に到着すると機関車を203系の前に付け替えないといけませんので、別の機関車がAlabang寄りに連結し、一度、ヤード側に引き上げると同時にTutubanまで引っ張ってきた機関車もヤード側に引き上げます。
この一連の姿を見ていると、やはり203系の列車は手間がかかり、ディーゼル車両のほうが格段に良いのですが、今後、2020年頃に予定されている南方線の電化及び立体化が実施される頃まではこのような姿が見られるのかもしれません。


以上、キハ350を中心に簡単に報告しましたが、次回もPNR特集ということで、Caloocan工場訪問かTutubanからAlabang間の乗務員室添乗レポートについて報告したいと思います。




ジャカルタを離れ、マニラへ

2015年10月17日 23時45分17秒 | フィリピン
1週間ぶりの更新にになりますが、9月のジャカルタ、マニラ遠征において、ジャカルタの話題についてはおおよそ報告しましたので、マニラの話題ということでPNR(フィリピン国鉄)の話題を中心に報告したいと思います。
9月9日深夜0:55発のフィリピン航空(PR)でジャカルタを離れ、マニラへと向かったのですが、日本を離れる前にPNRに譲渡された元関東鉄道のキハ350のうち1編成が運良く9月9日の8:45にTutuban駅を出発し、回送でビコール地方の中心都市であるNagaへ持って行くという情報を聞きつけ、早速、RNRの車両担当であるB氏にメールで便乗させていただくことを聞いてみると快諾していただきましたので、マニラに到着しだいそのキハ350に乗車する手筈になっていました。
しかしながら、6日から8日までの3日間はジャカルタで歩きに歩いた結果、私の両足の裏には今まで経験したことのないぐらいの大きな豆ができており、ただ単に座っているだけでも足の裏が痛むのでありますが、これ以上ふつうに歩くのは当然無理な訳で、そのキハ350に乗車し、TutubanからNagaまでのおよそ10時間の旅は大変かもしれないと考えておりました。
私の乗った飛行機は後方に空席があったため、3時間ほどは3人席を占領し、横になってぐっすりと眠ることができたのですが、朝5時を過ぎると東の空が赤くなり、眼下を見ると陸地が見えてきました。


どこだろうと考えていると下の写真のような特徴ある地形が見えましたので、これは世界的にも大きなカルデラ湖で知られているTaal Lakeだということはすぐにわかりました。Taal Lakeということはマニラまでおよそ50kmちょっとなので30分もしないうちに到着することは推測できたのですが、しばらくはこのまま眼下を眺め続けておりました。


すると飛行機は下の写真の通り、左手側に大きな水面が見え、遠くにはCalamba近くにある1000m級の山であるMt.Makilingが現れると同時に、その山に向かって走る高速道路、SLEX(South Luzon Expressway)が見えてきましたので、よく目を凝らして見ると私の家内と子供が暮らすSta.Rosaの町が眼下にありました。思わず心の中でここで降ろしてくれと叫んでおりましたが、ここで降りてしまうと本来の目的であるキハ350の回送列車にも乗れなくなってしまいますので、ちょっと複雑な気持ちでもありました。


飛行機はフィリピンで最も大きい湖であるLaguna de Bayを通ると、先程見えたMt.Makilingよりも2倍高い2000m級の山であるMt.Banahaoが見えましたが、明らかにMt.Makilingよりも高いことがわかりました。


飛行機は旋回を始めると一直線の川が見えてきましたが、この川はManggahan放水路で、Passig川の洪水対策として円借款により1983年に完成したようで、両岸には集落がきれいに整備されています。


飛行機は高度を下げ、マニラのビジネスエリアのMakatiに近接する近年開発されたGlobal Cityが見えてきました。


飛行機は遅れもなくマニラにほぼ定刻の6:05に到着し、すぐにイミグレで出国手続きをしたものの、なぜかこのような時に限ってお腹の調子が悪くなり、20分ほどトイレで悪戦苦闘し、30分ほど余計な時間を使ってしまいました。まあ、空港からPNRのBuendia駅までタクシーで向かい、Buendia駅から列車でTutuban駅に行けば良いかなとタクシーに乗り込むと、マニラの街も他の東南アジアの都市と同様にラッシュ時が早く、所々で渋滞にハマりました。また、私が余計なことを運転手に言ったもんだから、タクシーの運転手はLRT1号線の駅ほうのBuendia駅へ向かってしまい、結局、LRT1号線でTutuban駅近くのDoroteo Jose駅に行くことになりました。
Tutuban駅近くのJollibeeで朝食を済ませ、Nagaまでのおよそ10時間の長旅に備えパンをいくつか購入し、Tutuban駅へ向かったのですが、Tutuban駅に到着するとPNRの新GM、車両課のB氏や幹部立ち会いのもと神父さんが祝福式(blessing)を行っていました。


この続きは次回になりますが、果たしてキハ350の回送列車でNagaへと向かったのでしょうか。



フィリピン国鉄(PNR)マニラ首都圏区間、運行再開

2015年07月23日 23時42分09秒 | フィリピン
前回のブログの更新時に次回はCaloocan工場に留置されている車両について報告しますとお伝えしましたが、先程、マニラ首都圏区間の運行再開の嬉しいニュースがありましたので、このニュースについて、今日はお伝えしたいと思います。
前回のブログ更新でもお伝えしましたように4月29日にEDSA~Nichols間において発生した脱線事故により、5月5日より全線にわたり運行中止となり、マニラ近郊区間の全線において、軌道、線路のメンテナンスが実施されていましたが、本日7月23日始発列車から運行開始となりました。
(写真はAj Cal氏提供)


今回、運行再開となった区間はTutuban~Alabang間(約28km)に限られ、Alabang~Calamba間については運休が続いていますが、下り23本、上り23本、計46本の列車が運行されます。また、所要時間については同区間が以前は55分かかっていたところを1時間28分と1.5倍かかり、表定速度も約30km/hから約20km/hに下がります。新聞報道ではEDSA~F.T.I間については軌道補修個所が多いので25km/hの速度規制区間となり、それ以外の区間については最高速度40km/hと以前のように60km/hぐらいで走行することはないようです。
また、運行ダイヤについてはPNRのウェブサイトまたはFacebookをご覧にいただければと思いますが、以前は非常にわかりやすい30分または1時間置きの間隔で列車が運行されていましたが、本日23日からの新ダイヤではラッシュ時が34分置き、データイムが1時間8分置きに変更され、利用者にとってはわかりずらくなりました。
この他、各車両の運用についてもその新ダイヤをご覧いただければ見ることができますが、DMU(Rotem)が2本、EMU(203系)が6本用意されているようで、現在では203系が多く使用されているようです。

続いてもう1つキハ350に関する話題ですが、先日、新色に変更されたキハ350についてお伝えしましたが、国鉄色のみなぜか塗装変更は実施されておらず、現在、Calaoocan工場で現地仕様に改造中のようです。元々このキハ350にはスカートが付いていませんので、スカートが取り付けられていますが、このスカート、ジャカルタでも使われているようなものにも見えます。また、この国鉄色の編成も現地マニアの話しでは新色に変更されるようですということですが、今後、ビコール地方で使用する前にマニラの首都圏区間で使用されることもあるのか気になるところです。
(写真はArvin lan Danganan氏提供)


この他、現地の新聞報道では年末までにマニラ~ビコール間についても運行を再開する予定と報じていますが、2020年までにマニラ首都圏区間も含めLegazpiまでの大規模な改善工事(マニラ首都圏区間は電化と連続立体工事)、Batangas支線、ルソン島南端のMatnogまでの新線建設も含めたこの大プロジェクトが順調に入札が実施されれば近代的な鉄道へと変貌するのかもしれません。
PNRの今後の計画、Malolosまでの北線、さらにその先のClark空港までの新線計画については、また、整理した上で述べていきたいと思います。

203系、キハ350、新色に変更中

2015年07月10日 23時51分26秒 | フィリピン
前回、PNRに到着しましたキハ350のことについて、ある程度詳細に説明しましたが、今回はコーポレートカラーの濃紺色とラインカラーのオレンジ帯の新色について簡単に述べていきたいと思います。

私がPNRの本社のあるTutuban駅を訪問したのは5月28日でしたが、先日も説明しましたように4月29日に発生した脱線事故により、5月5日より全線にわたり運行中止となり、私が訪問した時点でも運行中止中でした。マニラ首都圏全線において、軌道のリハビリと点検などが実施されると同時に車両に対しては下の写真のとおり新色に塗り替えが実施されており、6年前ぐらいに登場したジャカルタの青系の103系のようななんとも奇抜な姿に変身しております。


正面から見た感じはご覧のとおりですが、どうでしょうかこの姿?
アルミ地の上に直接塗られているようで、現時点で綺麗な姿となっていますが、しばらくするとこの艶のある色も褪せてしまい、かつ、塗装が剥がれてしまうのではないかと危惧しております。
また、203系では上の写真の4編成が新色で、この時点で他の編成でも塗装変更が実施されていましたので、最終的にはCaloocan工場に留置中の01編成以外の7編成(02~08)はこの新色に変更されるのではないかと推測されます。


最後尾の妻面の姿は下の写真のとおりで、うしろ姿はまったく撮影する気にもなりませんが、模型をやっている方にとってはこのような細部も見逃せないところですね。ちなみに車両と車両の間の妻面はどのようであったのか覚えておらず、撮影することも忘れてしまいました。
次回は忘れずに細部についても撮影しておきたいと思いますが、車内もわかりやすい路線図が貼られていたりしていましたので、車内も撮影しておきたいと思います。


従来どおり車体にも車両番号が付されていますが、ジャカルタのKCJと同様に「クハ」や「モハ」といったところまでは表示されていません。もちろんカタカナを読めるフィリピン人はほとんどおりませんので、当然と言えば当然なのかもしれませんが、遊び心の多い方が社内にいるのであれば、ジャカルタのように103系の東海色の復活や方向幕上にカタカナによる表示など、日本時代を偲ばせるような粋なことをやっていただけるとマニア的には感動するのかもしれません。


続いて、203系以外の形式でもこの新色に変更中で、マニラに到着したばかりのキハ350に対しても4両ほど新色に変更されているようです。残りの2両も新色に変更されるものと思われますが、なぜ1編成が2両になっているのか気になるところです。
(写真はMark Chua氏提供)


また、RotemのDMUに対しても同様に新色に変更されており、今後も使用可能な編成に対してはこの新色に変更されるものと推測されます。
(写真はMon de Leon氏提供)


以上、PNRの新色について簡単に述べましたが、現在のところ運休が続いており、一時、7月6日に運行再開のダイヤも発表されていたものの、運行再開の予定について詳細は不明で、いつ運行が再開するのかわかりません。

最後に次回の予告ですが、Caloocan工場に留置されている車両について簡単に報告したいと思います。

キハ350、マニラに到着

2015年07月03日 02時24分00秒 | フィリピン
先日、速報版でフィリピン国鉄(PNR)について、簡単に報告しましたが、今回は関東鉄道から譲渡されたキハ350について、もう少し詳細に説明していきたいと思います。
キハ350は2011年10月に運用から退き、一時はミャンマーへこのキハ350が譲渡されることが話題になっていましたが、譲渡が破談になってしまったのか実際には譲渡されず長い間去就が注目され、最終的にこのPNRが再就職の場となりました。
正直、車齢が50年にもおよび、電車で例えるならば国鉄の101系と同等の車両をまだ使うのかと私自身も驚いていますが、PNRにとっては表向き無償譲渡により冷房の付いた気動車を購入でき、しかもインドネシアなどと同様に線路幅もまったく同じで、改造工事も投石防止のためのネットを設置するなど費用も時間もかからず、すぐに使用ができるとあって、ちょうどよかったのかもしれません。
また、マニラ首都圏は交通インフラが脆弱であり、特に鉄道の新線整備は政府開発援助での整備が基本であり、整備を実施すれば確実に大量輸送機関として機能するPNRに対しては国から手厚い支援も受けられず、私のような素人の人間が見ていてもなんてもったいない使い方をしているのだろうと常に疑問を感じています。
そのような条件でPNRとしては年々増大する輸送需要に対して輸送力増強が必要なわけで、現在では当たり前かもしれませんが、簡単な解決策として日本でお役御免になった車両をできれば無償譲渡もしくは安価で手に入れることが課題でありますが、近年においてはフィリピンよりも経済的に後進国であるミャンマーが日本の中古気動車を買い漁る行為には勝てず、鳥に例えるならばミャンマーがカラスで、フィリピンが鳩のようなもので、まったくおこぼれをもらう状態です。

そのような話しはともかく、PNRにキハ350が譲渡されそうだと感じていたのは譲渡前の今年2月頃でしたが、日本を出発する前の姿も撮影しておきたいということで、車庫のある水海道へ行ってみました。
キハ350計6両はひっそりと車庫に留置され、公道上からも簡単に撮影することができましたが、私自身、八高線や川越線などのキハ35・30は利用したことがあるものの、この関東鉄道のキハ350には乗車したことがありません。


そして3月中旬に車庫のある水海道から横浜港の大黒ふ頭にトレーラーで輸送され、4月中旬頃に出港し、約1週間かけてマニラ港に到着しましたが、5月23日頃にその車両はTutubanに運び込まれたようです。

下の写真は横浜港の大黒ふ頭に留置されているキハ350で、敷地外の公園から撮影したものです。


偶然、タイミングよくマニラに行くことができましたが、到着早々次の日の5月28日にそのキハ350を見るべくPNR本社を訪問しました。するとそのキハ350は修繕庫の脇の留置線にタテに3両編成に組成された状態で2編成が留置されていました。


103系好きな私としては、キハ35・30系統は103系に似ていますので、気動車の中でもキハ66やキハ47とともに個人的にはお気に入りの形式です。


元々1編成が2両編成であるため、どうしても1編成をバラさなければ3両編成になりませんが、当然、混色編成のような姿を見ることができ、少々得をしたような気分になりました。


車両と車両の間には幌が取り付けられ、あとは投石除けネットの取り付け、側引戸や戸袋にあたる部分のガラスを鉄板のようなもので塞ぐなどの工事がありますが、この他、残念ではありますが203系と同じように新色の濃紺色にオレンジ色帯の塗装変更を行う予定で、すでに4両は新色に変更されているようです。


もう1つの編成は以下の写真のとおりですが、RotemのDMUも203系と同様に新色に変更中で、すでに新色に変更された編成が登場しているようです。


キハ52のように日本時代の姿をしばらく見れるとよかったのですが、残念ながらこの姿は見納めとなりそうです。


キハ350の組成については以下のとおりです。
(編成表の画像にミスがあり、3518と3519が逆です。10/20に記述のみで訂正します。)

今後はマニラ~ビコール間の運転再開が9月(一部報道では12月)に予定されており、同時にビコール地方においてコミュータートレインを運行する予定で、そこに充当される車両としてこのキハ350が使用されるようです。現在、Sipocot~Naga間37.1kmにはブルートレイン色(元新潟色)のキハ52がコミュータートレインとして、朝1往復、夕方1往復に充当されていますが、3基のエンジンが故障とのことで、残りの3基を使用する上ではパワー不足ということから、DL牽引により運転されており、この運用にもこのキハ350が充当されることが考えられます。


新色のキハ350はおそらく203系の新色と同じような姿でお目見えするものと思われますが、果たして今後どのような活躍が見られるのか楽しみで、予定どおりビコール地方でコミュータートレインとして使用されるのであれば、私も家内のお許しを得て、ビコール地方まで遠征したいと思っています。



PNR(フィリピン国鉄)近況報告-2015年6月-速報版

2015年06月24日 20時37分54秒 | フィリピン
先月、5月15日以来のブログ更新になりますが、この1ヶ月間、仕事のほうが忙しく、かつ、我が子の2才の誕生日ということでフィリピンに帰国し、5月27日より6月2日までマニラに滞在しました。正確に申し上げますと大韓航空によるマニラ行きとなったのですが、航空券代が合計4万ちょっとと直行便よりも安く、しかも羽田発着ソウル経由で、ソウルで行きは7時間ほど、帰りは14時間ほど時間が取れるということで、ソウルで8年ぶりの通勤電車探訪となりました。

今回は忙しさも解消されていませんので、まずは速報版ということで報告させていただき、後日、時間のある時に詳しい説明を写真とともに掲載させていただきたいと思いますのでご了承いただけたらと思います。

PNR(フィリピン国鉄)の話題ですが、皆さんが最も気にしている関東鉄道のキハ350、203系の塗装変更、列車脱線によって営業休止になっているマニラ近郊の営業再開の予定について、簡単に報告したいと思います。

今年3月、関東鉄道から搬出されましたキハ350計6両は横浜の大黒ふ頭に留置され、4月中旬頃に出港し、およそ1週間かけてマニラ港に到着しましたが、その後、しばらくマニラのふ頭で留置が続いたものの5月中旬頃Tutubanにトレーラーで運びこまれました。
PNR本社のあるTutubanを訪問したのは5月28日ですが、運良くこのタイミングでキハ350をTutubanでキハ350を見ることができました。


すでにキハ350は3両、3両に組成され、写真のとおり混色編成となっていますが、今年9月に予定されていますマニラ~ビコール方面運転再開にあわせ、これらのキハ350は同時期にビコール地方のコミュータートレインとして使用される予定で、一部の車両はCaloocan工場に運び込まれ、すでにPNRコーポレートカラーのブルートレイン色にオレンジ帯(下の写真で紹介します203系と同じ色)に変更中のようです。


続いて203系ですが、現在、マニラのコミュータートレインは運行休止中ということもあり、Tutuban駅構内においてPNRカラーに塗装変更が実施されていました。28日現在では下の写真のように203系の各編成が塗装変更され、一部の編成で引き続き塗装変更が実施されていました。今後も引き続き203系や韓国Rotemの編成にもこの色が導入される予定です。


29日にはCaloocan工場を訪問してみましたが、キハ52国鉄色3両、新潟色1両、203系、14系寝台車、12系客車などが確認できました。
キハ52の国鉄色については、マニラのコミュータートレインとして使用されていたものの、300%にも近い乗車が繰り返された結果、台車のスプリングに支障を来たし使用が不可能になったようで、しばらくこのCaloocan工場に留置されたままとなっています。新潟色については、以前も報告しましたように部品取用の車両となっているものの現存しています。


この他、Caloocan工場で注目すべき車両はDOST(科学技術省)所有のハイブリッドディーゼルカーで、1両の長さがおおよそ10mで5両編成となるようです。現在、組み立て工事が実施されており、各車両のモーターが車両の横に置かれていましたが、今後、設置されるものと思われます。
車両担当者にはこの車両のことで質問しておりませんが、組立工事の終了後、このPNRで試験運転が実施されるものと推測され、実際に営業用として使用されるのか、このタイプの車両が今後普及するのか気になるところです。


最後に4月29日にEDSA~Nichols間において、何者かによって線路の金具類を盗んだことによりRotemの3両編成が脱線し、約100人の乗客が負傷するという痛ましい事故がありましたが、その後、片方の線路を使用し復旧したものの、5月5日から完全に運行休止となりました。5月5日以降についてはマニラ近郊区間の全線において、軌道、線路のメンテナンスが実施され、当初、6月15日から運行再開予定とアナウンスされていたものの、現在も引き続き休止中であり、おそらく来週あたりから運行が再開されるものと思われます。

以上、簡単にPNR(フィリピン国鉄)について報告しましたが、後日、時間のある時に詳細に報告したいと思います。


続いて、ソウル周辺の通勤電車事情の話題ですが、何度も申し上げていますように私は103系好きということで、ソウルにも103系(301系)とそっくりのソウルメトロ1号線の旧1000系や2号線の旧2000系探訪を実施し、2号線新亭の車両基地には旧1000系が現存していることを確認できました。


上の写真のような301系そっくりの旧1000系はすでに営業から撤退しているものの、現在も先頭改造車が運用されております。運用される範囲は京釜線、京仁線、京元線及びソウル地下鉄1号線などと広範囲におよび、かつ多くの列車はKORAIL車両が大半ですので、このソウルメトロの旧1000系、新1000系を撮影するには日中ではほとんど見る機会がなく、朝のラッシュ時であればある程度確実に撮影はできるものと思われます。
また、ソウルメトロ2号線の103系そっくりの旧2000系についても撮影してみましたが、先頭改造車編成以外のオリジナル顔の編成を見かける機会は少ないものの僅かながら見ることができました。撮影については2号線の全ての駅でホームドアが設置されているようで、駅からの撮影はほとんど無理のようですが、漢江にかかる江辺~チャムシルナル間で柵の上から撮影ができました。(架線柱をうまくよけなければなりませんが)


いずれにしてもソウルの話題についても、後日、報告したいと思います。

Premiere Trainでマニラへ-その2

2015年02月18日 22時52分33秒 | フィリピン
本日は前回の続きということで、Premiere TrainでMamatidから終点Tutubanまでの様子について述べていきたいと思います。
列車は定刻7時2分に発車しましたが、この時点で乗客は10%ほどであり、車内は閑散としていました。Sta.RosaからMamatidへ来る時と同様に車内で座っていても面白くありませんので、先頭車の運転席のところまで行って、前方の車窓を楽しんでいたのですが、Cabuyao付近で1頭のワンちゃんが軌道内に入り込み、警笛を鳴らしながら列車はスローダウンしたのですが、犬の習性なのでしょうか、そのワンちゃんは一生懸命走るもののそれは列車と同じ進行方向に走るだけで、軌道内から横へ逸れることがありませんでした。急な出来事でしたので、ある程度のスピードに減速したものの列車はそのワンちゃんに追いついてしまい、最後は床下からゴツンという鈍い音ともに「キャンキャン」という泣き声が聞こえましたが、どうもサンタマリアになってしまったようです。運転士にとっては動物を轢いてしまうことは日常茶飯事であり、時には日本と同様に人を轢いてしまうことは仕事上宿命のようなところがあるようですが、私としては小動物の命でさえも仕事であろうがもともとできないと思っていましたので、小さい頃に抱いていた山手線の運転士になって103系を運転することを早々に諦めてしまいました。
まあ、そのような話しはどうでもよいとして話しを戻しますと、Sta.Rosaにほぼ定刻に到着し、ホームで家内と子供たちと再会したのち、すぐに列車に乗り込みました。列車は続いてBiñan、San Pedroと停車し、San Pedroでほぼ満席となり、そこで2人の車掌が車内検札を行いました。


San Pedroに続いて、Alabangにほぼ定刻に到着しましたが、Tutubanから来るAlabang止まりのCommuterはまだ到着しておらず、この駅で10分ほど停車することになりました。車内は先程の時点でほぼ満席であり、立席乗車を認めていないようですが、運転席後方のラウンジ室を覗いてみるとAlabang駅から数人が乗車し、Commuter TrainからPremiere Trainへの差額分を払った上で乗車が認められているようで、車内の席が空きしだい案内されるようです。


Premiere Trainはおおよそ10分遅れの8時ちょうどに発車し、ホームの反対側の側線には203系のCommuterがそのまま通り過ぎて行きましたが、その後、おそらくホームのある線路(本線)にバックするものと思われます。
下の写真はPremiere Trainの後方からAlabang駅を撮影してみました。


車内に戻って乗客の様子を見るとほとんどの乗客が寝ており、私の家内や子供たちもすやすやと寝ていました。


再び先頭車の運転席の脇に行って、前方の展望を楽しむことにしましたが、左側にはPNRと並行してSouth Luzon Expressway(SLEX)があり、道路は渋滞している中、涼しげに我々のPremiere Trainはこれらのバスの横を通り過ぎて行きました。
下の写真はマニラ国際空港に近いNichols付近です。


Premiere Trainは15分ほど遅れて、ビジネス街Makatiの玄関口でもあり、MRT3号線の乗換駅であるEdsa、別名Magallanesに到着し、何人か降りていきました。
続いてPasay Road、Buendiaに到着し、これらの駅でもかなりの降車があり、乗客は半分程度となりました。
下の写真はPasay Road付近で、左の高架橋は高速道路のSky Wayです。


列車はBuendiaを発車するとなぜかSta.Mesaまで停車しませんが、PNRではATSが整備されておらず、車掌は各駅(1閉塞区間ごと)でタブレット代わりの1枚の紙を走りながら受け取ります。


Paco、Pandacanと通過するとマニラの母なる川であるPassig川を渡り、90度左に曲がるとSta.Mesaに到着しました。


Sta.Mesaに続いて、次の停車駅がQuiapoとQuezon Cityを結ぶ大きな通りがあるEspañaですが、ほとんどの乗客がこの駅で降りてしまい、車内はほとんどガラガラとなりました。


Españaを発車した時点でおおよそ15分の遅れとなり、終点のTutubanには通常8時47分到着ですが、9時ちょうどの到着となりました。
Tutuban駅に到着後、家族をカンテン(食堂)に残してPNRの方々のところへ行ってみたのですが、ほとんどの幹部はちょうどミーティングがあり、残念ながら御会いすることができず、PNRに関する情報はあまり得られませんでした。
マニラ~ビコール間やCaloocan~Blumentritt間の運転再開予定、キハ52の国鉄色の状況などについても詳しいことが聞けませんでしたが、実は車両の譲渡関係でこれからちょっとしたビックリするようなことがあるらしいので、また、それについてはある程度明るみになった時点で、述べていきたいと思います。

Premiere Trainでマニラへ-その1

2015年02月17日 23時45分02秒 | フィリピン
前回の続きということで、今回はPremiere Trainに充当されているキハ59こがねを利用して、私の家内の実家のあるSta.RosaからTutubanへ行き、PNR本社へ立ち寄ったあとマニラ中心部にあるマニラ動物園に行ってみることにしました。


9月22日早朝、まだ夜は明けきらぬ5時に起床し、私の子供と妻、そして妻の姉の子供を引き連れ、実家からおおよそ1kmのところに位置するSta.Rosa駅に到着したのは6時30分頃でした。
早速、Premiere Trainの切符を購入することにしたのですが、その列車がまだマニラのTutubanから来ていないと言うので、家族を残し私1人だけがTutubanから来る列車に乗車し、終点のMamatidまで行った後、このSta.Rosaで家族に乗ってもらうことにしました。
家族の切符と私用のMamatidまでの切符を購入すると、すぐにPremiere Trainがやって来ましたが、私だけ乗車し、家族にはMamatidから折り返すこの列車に乗るようにと告げ、Sta.Rosaをあとにしました。


列車に乗り込むとすぐに発車しましたが、車内を見渡してみると当然なのかもしれませんが、回送列車でもないこの列車には私以外の乗客は1人もいませんでした。そのためか、下の写真のようにシートは既にマニラ方向に転回されていました。


車内で座っていても面白くありませんので、列車の先頭に行ってみることにしました。Sta.Rosaから終点のMamatidまではほとんど直線であり、Laguna de Bayの湖岸を走るため単調な平坦区間が続きました。また、下の写真はCabuyaoの駅ですが、どの駅も駅の造りはほとんど同じで、駅舎は水色、ホームは6両編成が停車できるよにおおよそ120mの有効長が確保されていますが、慣れていない人にとってはどの駅も似通っていますので、降りる駅を間違えてしまう恐れがあるかもしれません。これはPNRに限ったことではなく、LRT1号線の各駅も同じような駅舎が多く、LRT1号線を利用する際にも降りる駅を間違えそうになることはたびたびあります。


乗務員室を覗いて見ると、運転席の目の前のガラスが投石によってヒビが入ってしまったのか簡単に補修されていましたが、なぜかその補修部分にはビコール地方の名物である唐辛子の絵が書かれています。ここで余談ですが、列車の名前でBicol Expressというのもありますが、食べ物でもBicol Expressという料理があり、これは豚肉のピリ辛ココナッツ煮込みの料理で、ビコール地方の料理の1つです。


列車は約5分ほど遅れて終点のMamatidに6時50分に到着しましたが、折り返しの発車が7時2分であり、10分ほど折り返しの時間がありましたので、まずは切符売場でMamatidから終点Tutubanまでの切符を購入しました。運賃はPremiere Trainで120ペソ、Commuterでその1/3の40ペソですが、高速道路のSLEXまたはSky Way経由のバスでもこの地からマニラ中心部までは100ペソ以上はかかるかと思いますので、妥当な金額ではないかと思います。
また、Mamatid駅はMamatid Rd.に面しており、かつ、トライシケルもしくはジープニーで、ここから西方約1kmに位置する国道にも出れますので、比較的に利便性が高い駅でもあります。


Mamatid駅のTutuban寄り(北側)を見ると、列車交換ができるような配線になっており、場合によっては機回しにも使用される場合があるかと思いますが、この駅舎の構造や配線の状況はほとんどSta.Rosaと全く同じです。


これより先、終点Tutubanまで話しが長くなりそうですので、1度、ここで話しを切りたいと思います。