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キハ350、マニラに到着

2015年07月03日 02時24分00秒 | フィリピン
先日、速報版でフィリピン国鉄(PNR)について、簡単に報告しましたが、今回は関東鉄道から譲渡されたキハ350について、もう少し詳細に説明していきたいと思います。
キハ350は2011年10月に運用から退き、一時はミャンマーへこのキハ350が譲渡されることが話題になっていましたが、譲渡が破談になってしまったのか実際には譲渡されず長い間去就が注目され、最終的にこのPNRが再就職の場となりました。
正直、車齢が50年にもおよび、電車で例えるならば国鉄の101系と同等の車両をまだ使うのかと私自身も驚いていますが、PNRにとっては表向き無償譲渡により冷房の付いた気動車を購入でき、しかもインドネシアなどと同様に線路幅もまったく同じで、改造工事も投石防止のためのネットを設置するなど費用も時間もかからず、すぐに使用ができるとあって、ちょうどよかったのかもしれません。
また、マニラ首都圏は交通インフラが脆弱であり、特に鉄道の新線整備は政府開発援助での整備が基本であり、整備を実施すれば確実に大量輸送機関として機能するPNRに対しては国から手厚い支援も受けられず、私のような素人の人間が見ていてもなんてもったいない使い方をしているのだろうと常に疑問を感じています。
そのような条件でPNRとしては年々増大する輸送需要に対して輸送力増強が必要なわけで、現在では当たり前かもしれませんが、簡単な解決策として日本でお役御免になった車両をできれば無償譲渡もしくは安価で手に入れることが課題でありますが、近年においてはフィリピンよりも経済的に後進国であるミャンマーが日本の中古気動車を買い漁る行為には勝てず、鳥に例えるならばミャンマーがカラスで、フィリピンが鳩のようなもので、まったくおこぼれをもらう状態です。

そのような話しはともかく、PNRにキハ350が譲渡されそうだと感じていたのは譲渡前の今年2月頃でしたが、日本を出発する前の姿も撮影しておきたいということで、車庫のある水海道へ行ってみました。
キハ350計6両はひっそりと車庫に留置され、公道上からも簡単に撮影することができましたが、私自身、八高線や川越線などのキハ35・30は利用したことがあるものの、この関東鉄道のキハ350には乗車したことがありません。


そして3月中旬に車庫のある水海道から横浜港の大黒ふ頭にトレーラーで輸送され、4月中旬頃に出港し、約1週間かけてマニラ港に到着しましたが、5月23日頃にその車両はTutubanに運び込まれたようです。

下の写真は横浜港の大黒ふ頭に留置されているキハ350で、敷地外の公園から撮影したものです。


偶然、タイミングよくマニラに行くことができましたが、到着早々次の日の5月28日にそのキハ350を見るべくPNR本社を訪問しました。するとそのキハ350は修繕庫の脇の留置線にタテに3両編成に組成された状態で2編成が留置されていました。


103系好きな私としては、キハ35・30系統は103系に似ていますので、気動車の中でもキハ66やキハ47とともに個人的にはお気に入りの形式です。


元々1編成が2両編成であるため、どうしても1編成をバラさなければ3両編成になりませんが、当然、混色編成のような姿を見ることができ、少々得をしたような気分になりました。


車両と車両の間には幌が取り付けられ、あとは投石除けネットの取り付け、側引戸や戸袋にあたる部分のガラスを鉄板のようなもので塞ぐなどの工事がありますが、この他、残念ではありますが203系と同じように新色の濃紺色にオレンジ色帯の塗装変更を行う予定で、すでに4両は新色に変更されているようです。


もう1つの編成は以下の写真のとおりですが、RotemのDMUも203系と同様に新色に変更中で、すでに新色に変更された編成が登場しているようです。


キハ52のように日本時代の姿をしばらく見れるとよかったのですが、残念ながらこの姿は見納めとなりそうです。


キハ350の組成については以下のとおりです。
(編成表の画像にミスがあり、3518と3519が逆です。10/20に記述のみで訂正します。)

今後はマニラ~ビコール間の運転再開が9月(一部報道では12月)に予定されており、同時にビコール地方においてコミュータートレインを運行する予定で、そこに充当される車両としてこのキハ350が使用されるようです。現在、Sipocot~Naga間37.1kmにはブルートレイン色(元新潟色)のキハ52がコミュータートレインとして、朝1往復、夕方1往復に充当されていますが、3基のエンジンが故障とのことで、残りの3基を使用する上ではパワー不足ということから、DL牽引により運転されており、この運用にもこのキハ350が充当されることが考えられます。


新色のキハ350はおそらく203系の新色と同じような姿でお目見えするものと思われますが、果たして今後どのような活躍が見られるのか楽しみで、予定どおりビコール地方でコミュータートレインとして使用されるのであれば、私も家内のお許しを得て、ビコール地方まで遠征したいと思っています。




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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
キハ350の今後 (野津田車庫)
2015-07-04 22:32:20
こんばんは、御無沙汰しております。

先ずはフィリピン遠征お疲れ様でした。このキハ350、運用離脱後の動きが一向に無いので解体処分されるものと思っていただけに、まさかフィリピンに行く事になるとは驚くばかりです。収容力の大きい通勤型の3扉ロングシート車両で直ぐ使用可能とあれば急場を凌ぐにはうってつけと言えますが・・・。

車体のカラーリングもさることながら、今後の運用方法や何年活躍出来るかなど、こちらも要注目ですね。
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キハ350の今後 (井上)
2015-07-07 23:04:21
野津田車庫様、こんばんは。
キハ350はすでに203系と同様に新色に変更されたものが登場しており、次回のブログの更新時にその写真をお見せしたいと思っております。
今後はビコール地方で使用される予定ですが、マニラ~ビコール間の運行再開前にマニラ首都圏のコミューターで使用されることになるのか気になるところです。
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