ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

今年も、柿が、

2015-10-24 06:40:26 | 日記
今年も柿が実りました。
父が植えてくれた柿の木です。
今年は実の数が少なかったせいか、いつもの年より大きな実になりました。
まるで、桃の様な形です。

まだ柿の木の葉っぱがたくさん残っているのに、柿の色付きが、あっという間に進んだので、
もいで渋抜きをしました。
一番姿かたちが良く、大きなものを選んで、今日墓参りに行って柿を供えました。
“今年も、柿がなりました”
と、報告し、
“一緒に、食べましょう”と、生きている人に言うように語りかけて、柿を食べました。
《うん。甘いな》
父がそう言ったような気がしました。

見上げると青い空が。
新幹線も走って行きます。
父が あちらへ逝って50年経ちました。
こうして、墓参りをしますと、父を身近に感じるのです。
あちらが近づいて来たものか、私が近づいて行くのは、
どちらからとも、判然としません。
でも、心は安らいでいます。

連れ合いや、近くに住む娘が、
“お墓まで、クルマに乗って行ったら”
と、言ってくれるのですが、いつも お断りしています。
バスを乗り継いで、郊外の景色を眺めながら、一人故人を偲ぶのもいいものです。
故人と会うための、アプローチロードですから。

  『素朴な琴』
                      八木重吉
  このあかるさのなかへ
  ひとつの素朴な琴をおけば
  秋の美しさに耐へかねて
  琴はしづかに鳴りいだすだらう

高台にある お墓の坂を、ゆっくり ゆったり降りてきました。
振り向いて、
「命日の日に、また来るね」
と、言って、「琴の音」に耳を澄ませました。

秋日和です。
                                    〈ゴマメのばーば〉
コメント
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