“私は微生物がやってくれた仕事を整理しただけ”と。

嬉しいニュースでした。
そして、とってもホッとする　いい言葉をいただきました。
　
　☆「人の役に立つことはないか、それだけを考えてやってきた」
　　　　　　　　　　　(子どもの頃に世話をしてくれた祖母からの教えとか)

　☆「成功した人は失敗をなかなか言わないが、人よりヘマしていると思う。
　　　やりたいことをやりなさい」
　　　　　　　　　　　(学生たちへ。失敗してもやってみようという気持ちが大切)

　☆「僕は役に立つ物質を作るんじゃなく、見つけているだけ。
　　　だから微生物へのリスペクト（敬意）を忘れない」

　☆「微生物の力を借りているだけ」
　　　　　　　　　　　(数々の学術賞を受けるたび、大村さんが口にする言葉)

　☆「真剣に勉強したい。自分も学び直そう」
　　　　　　　　　　　(夜間高校の教師をしていた時、生徒の指先に昼間働く町工場で
　　　　　　　　　　　　付いた油が、こびりついているのを見て胸を打たれた時に生まれた思い)

等々、今年のノーベル医学・生理学賞に輝いた、大村智・北里大特別栄誉教授の言葉です。
久々に、気持のいい言葉を耳にしました。
なかなか、私などには出来ませんし、言うこともできない言葉です。

そして、
『心の中では、亡くなった妻に受賞を報告した』
と控えめに語った表情、お人柄がうかがわれて好感が持てました。

おめでとうございます。
研究の成果としての特効薬で、アフリカや東南アジア、中南米など熱帯域に住む
10億人もの人々を、寄生虫病から救って下さったのですね。
ありがとうございました。

大村智教授が、
“私は微生物がやってくれた仕事を整理しただけ”
と、語られたことに対して、私は深く感銘いたしました。
氏は、研究者として実に謙虚な方だと思います。
それは農家という環境で育まれ体得した「いのち・土」などへの畏敬から来たものでしょうか。

大村智教授の、人や、世界に対する「安心や安全」への思いは、
先の国会の安保関連法案で、安倍首相や他の大臣が、聞き飽きるほど口にした『国民の平和と安全を守るために』という言葉とは質的な相違があるような気さえします。
また、「言葉」ではありませんが、新設された「防衛装備庁」のロゴマーク(※)の内包する「ことば」の理念とも相違しているのではないでしょうか。

重ねて申し上げます。
「大村智教授、おめでとうございます」
「多くの人を失明の危機から救って下さってありがとうございます」
と。
　　　　　　　(※)　地球をイメージした円を取り巻く３つの線は、
　　　　　　　　　　陸海空自衛隊の代表的な装備品である車両、護衛艦、航空機を表して
　　　　　　　　 　いるそうです。