好きになれないスローガン、「１億総活躍社会」

第3次安倍改造内閣が発足しました。
「未来へ挑戦する内閣」と強調、「1億総活躍社会」の実現に向けて取り組むとのことです。

「１億総活躍社会」という言葉が好きになれません。
スローガンも嫌いです。
掲げただけで行ったような錯覚に陥ってしまうからです。

『一億一心　火の玉だ』
『一億玉砕』
私が幼い頃、太平洋戦争の最中、こうした言葉が溢れかえっていました。
そして、
『一億総懺悔』
誰が何を懺悔するかも　はっきりしないままに、「懺悔」という言葉で戦後は終わったみたいな。

言葉、それも標語のようなものは、語感として覚えやすいだけに、
実際の理解は出来ないままに、「分かった」という錯覚に陥ってしまうそうです。
安倍首相のアベノミクスも、ずいぶんと立派なスローガンを掲げましたが、
ご本人が自賛するほどの成果は、津々浦々までなどまったく広がってはおりません。

スローガンに、ストレートな『一億・総』などの言葉が出てきますと、
かつての戦時中のスローガン、『一億一心　日の玉だ』と謳った大日本帝国の感覚を
思い起こしてしまいます。
とにかく、好きにはなれません。
『進め一億火の玉だ』は、第二次 世界大戦中に大政翼賛会が掲げたスローガンの一種でした。

　　♪『進め一億火の玉だ』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　作詞　大政翼賛会
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　作曲　長妻　完至

　　１　行くぞ行かうぞ　ぐゎんとやるぞ
　　　　大和魂だてぢゃない
　　　　見たか知ったか底力
　　　　こらへこらへた一億の
　　　　かんにん袋の緒が切れた

　　３　そうだ一億火の玉だ
　　　　一人一人が決死隊
　　　　がっちり組んだこの腕で
　　　　守る銃後は鉄壁だ
　　　　何がなんでもやり抜くぞ

　　　　進め一億火の玉だ
　　　　行くぞ一億どんと行くぞ
幼い頃、意味も定かでないまま、こうした歌を、日の丸の旗を振って歌わせられていたのです。

「１億総活躍社会」。
スローガンだけが突出している気がしますし、
１日に発足した「「防衛装備庁」のロゴマーク同様、好きになれません。
こちらは、“青い地球を武器で囲まないで”と言いたくなりました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈ゴマメのばーば〉