ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

今年の「10月21日」

2015-10-22 06:20:59 | 日記
昨日、「10月21日」晴れ。
雲ひとつなく、空が高く澄み渡っていました。

そんなわけで、南会津地方に紅葉を観に行って来ました。
国道4号線を南下、白河市から国道289号線を西へ。
雪割橋の紅葉を眺め、甲子トンネルを抜け、下郷町の道の駅で、三本槍岳を眺めながら、
ソバを食べました。
ついでに、ソフトクリーム。

観音沼の遊歩道を暫く散策。
さしたる風もないのに落ち葉がさらさら、からからと舞い落ちてきました。

紅葉した山の佇まい、透き通る風の中にいますと、自分も山々や風と同化してしまいます。
溢れんばかりの木漏れ日の中で、
ただ、しーんと、鎮まって。

帰りは、国道121号線を北へ。
会津若松へ出て、お城近くにあるレストラン『アドリア北出丸カフェ』で、コーヒーとケーキを。
私の好きなレストランです。

さて、帰り道となりました。
お日様は大分西へ傾き始めました。
磐梯山を眺めながら、
“はて、今日は何日だっけ”
と。

「10月21日」です。
あっ、と思いだしました。
72年前、雨の神宮外苑で、「学徒出陣壮行会」が行われた日でした。
いつも、この日は、「あの日」を思い出して平和への希求を強めていましたのに、
今年は、すっかり忘れていたのです。

心の中で、「ごめんなさい」と謝りました。
東條首相の訓示、
出陣学徒の行進、
「抜刀隊」のメロディー、
最後に「海行かば」の大合唱、
この壮行会に出た出陣学生のうちの多くが、戦死したのです。

国立競技場が、東京五輪のメーン会場として建て替えられるため、
競技場内にある〈学徒出陣の慰霊碑〉は、一時、撤去されたはず。
元学徒や、遺族の方たちが集まって追悼会を開いた際、参加された方の一人が、
  『彼らが生きていれば、もっと楽しかったり、
   面白かったりする人生を送れるはず……』
と語った言葉を思い出しました。
ふるさとの秋を眺めることも、コーヒーを飲むことも出来ずに
逝ってしまた多くの若者たちでした。

“ごめんなさい、今日の記念日を忘れていて”
私は、もう一度、つぶやくように言いました。
夕日に、猪苗代湖の湖面がきらきら輝いていました。
                                    〈ゴマメのばーば〉
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