ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

『名誉なことではありませんが、』

2015-10-16 06:26:53 | 日記
中国が申請した旧日本軍による南京事件に関する資料が、ユネスコの世界記憶遺産に登録。
菅官房長官は、
『日中両政府の意見が全く違う中で登録され、公正であるべき国際機関として問題だ。
 政治的に利用されることがないよう制度の透明性を強く求めたい」
と述べ、また、
《日本がユネスコに拠出する分担金や任意の拠出金の停止、削減を検討する》
と表明しました。

安倍首相は、来日中の中国の外交トップ、楊潔国務委員と会談し、歴史認識について、
《過去の不幸な歴史に過度に焦点を当てるのではなく、未来志向の日中関係を構築すべきだ》
と強調しました。

日本国民の一人としては、こうした登録は名誉なことではありません。
でも、事実であれば、こうした残酷な歴史を再び繰り返さないための負の遺産として
記憶されるべきものでしょう。
加害者が、被害者に、
《過去の不幸な歴史に過度に焦点を当てるな》
とする発言は、いかがかと思います。

虐殺行為による犠牲者数については、日本と中国とでは、その推計数に隔たりはあるものの、
日中歴史共同研究(2010年)では、
《虐殺行為に及んだ日本側に責任がある》
ことでは一致しています。

「非戦闘員の殺害、略奪行為があった」ことは否定できないのではないでしょうか。
世界遺産登録に関しては、長崎県の軍艦島の歴史的位置づけで、韓国との間に軋轢が生じました。

現時点で、
『協力金を一生懸命納めておきながら、日本の意見や主張はどこまで通っているのか。
 のうのうと引き下がってよいのか』
と述べた自民党の二階俊総務会長の発言などは、いささか感情的に思えてなりません。

共産党の山下芳生書記局長は、
『日本政府の主張が認められなかったからといって、
 拠出金削減を検討する対応は国際社会の理解を得られない』
と会見で批判したそうですが、私も同感です。

毎日新聞は14日の「社説」で
《教育文化の振興を掲げるユネスコに感情的な対応をするのはまずい。
分担金の見直しは行き過ぎだし、運営に注文をつけるといった反論のあり方にも節度が必要だ。
南京事件の残虐性を軽んじるような主張をすれば、逆に日本の国際的な地位を傷つけかねない。
専門家に議論を委ね、歴史の政治利用をやりにくい環境をつくる方法もあるのではないか》
と、論じています。
「社説」の論評、私もそう思います。
                                    〈ゴマメのばーば〉
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