Gikuri

ギクリのブログ。たまに自意識過剰。

レア寺院@山梨

2020-05-24 | ちょっと外出
レア寺院、静岡に続き山梨です。
昨年11月の話なので結構前の話ですが、
年に1回、秋の2日しか公開しない向嶽寺に行きました。

10月の旅行後、特に出掛ける予定を立ててなかったので
(親知らず抜いてしばらく外出する気にならなかったし)
日帰りで山梨県にでも行くかと庭園を調べてたところ、
甲州市が「名勝向嶽寺庭園見学会」を企画しているのを
発見。2019年は11/29(金)と11/30(土)の2日間で
11/29は10:00と13:00、11/30は10:00開始の計3部開催、
参加無料、各部50名で申込期間は11/5~11/25とのこと。
行けそうな日程だったので「これはチャンス!」と
連絡先の甲州市教育委員会文化財課に朝8:30から電話して
11/29の13:00の空き状況を訪ねたらまだ空いてたので
申し込みました。所要時間は約1時間~1時間半とのこと。
名前と電話番号を聞かれました。当日は現地仏殿前集合。

山梨へ行くのに向嶽寺だけじゃ勿体ないので
向嶽寺に近い甲州市周辺のお寺の庭園めぐりもします。
夜明け前に出発。関東では前日まで1週間雨続きでしたが
この日は晴れ、ただし真冬並みの気温でした。
ホームで電車じっと待ってると寒い。高尾から乗り換えた
JR中央本線は松本行きでした。早起きで眠くてウトウト。
勝沼ぶどう郷駅で下車したら甲府盆地が見下ろせました。
駅名のとおりブドウ畑が多いエリアです。木によりますが
落葉してたり赤や黄色の葉が残ってたりしてました。
午前中は甲州市民バスで移動します。何度も乗るので本当は
甲州市市民バス1Dayパスが使えたらお得だったんですが、
朝早すぎて売り場の駅観光案内所が開いておらず…。
バス停にはマスコットキャラクターのブード君の絵。
バスの車体見たらカッキーとモモンの果物仲間もいる模様。

勝沼地域バスのぶどうコース1に乗って等々力公民館前で下車。
ブドウ畑を通り万福寺。黄色い銀杏の落ち葉が地面を埋める。
庭があるので行ってみたのですが朝は逆光でした。
他のお寺でもこの日は快晴すぎて日差しの強さで庭が見づらく
悩まされました。薄曇りくらいの方が鑑賞しやすいな…。
前日までみたいに雨降り&体感温度低いのもきついけど。
お寺の居住部分っぽかったので奥まで歩き回ってはないです。
水が流れて来そうな丸い口があったから本当は池泉庭なのかな?
江戸初期の庭と書いてあるサイトを見つけて行ってみたのですが
そばにある新しい洋風の建物がどうしても目に入るので
雰囲気としてはあまり江戸時代っぽくないです。

ぶどうコース2のバスから、ぶどうの丘バス停でワインコース2に
乗り換え。乗車1回300円で乗継制度ない(たぶん)ので距離的に
600円は高く感じました。タクシー使うよりは安いけど。
大善寺へはワインコース2なら大善寺バス停ではなく柏尾坂公園前
バス停で降りて歩いた方が早いです。柏尾坂公園前の先で
折り返してその後同じ道に帰ってきて大善寺バス停という順
なので、大善寺バス停まで乗ってると時間が掛かります。
この辺り新撰組の戦場だったらしくバス停近くに近藤勇像。
大善寺はすぐ石段を上らずまず宿坊の建物の受付で拝観料を
払います。まずは県指定名勝の池泉庭を建物から見学。
鶴石亀島を用い、中島ではなく出島を造った江戸初期の手法とか。
寛永年間の作。木は紅葉と照葉樹。朝日が差して特に右側からは
築山が見えにくかったので別の時間帯の方がよかったかな。
池には小魚とオタマジャクシ。建物の中ではブドウの産地らしく
シャインマスカットの鉢植えを飾ってました。
続いて立派な山門と中にも入れる楽屋堂をくぐって石段を上りきり、
鎌倉時代の檜づくりの国宝薬師堂。関東最古の木造建築。
お寺の方に少し説明いただきました。本尊薬師如来像は普段は秘仏。
十二神将と日光月光菩薩像も鎌倉期のもの。佐竹家寄進の仏像も。
ガンダーラ発掘品も展示してあって「何故このお寺に?」と
思いきや、ブドウをモチーフにしたものだからだそうです。
ブドウの産地で「ぶどう寺」を名乗ってますからね。なるほど。
甲府盆地と雪の赤石山脈を一望できる展望台もありました。
大善寺バス停、私が行きたい方向(東行き)には立ってなかった
けど反対車線には立ってて向かい側で待ってたらバスが来た。

甲州市縦断線のバスは集落に寄り道していくので時間が掛かる。
紅葉の日川渓谷沿いを上っていきます。少し高い山は雪景色で、
冬と秋が一つの風景に同居してました。終点の天目で下車。
バス停近くには竜門峡のハイキングコースの入口もありましたが
台風19号の影響で通行止めとか。熊がいてウルシが生えてて
落ち葉で道が分かりづらくて滝見るには川に下りないといけないと
ネット情報で見つけたのでハイキングは最初から予定に入れてない。
お目当ては栖雲寺。草も落ち葉も霜で白くなってました。
猫じゃらしに霜が付いてるの面白いですね(笑)。
300円を箱に入れて庭を見学。建物からも見えますが散策も可能。
ただし落ち葉で足元が分かりにくく危なっかしかったので
裏山まで上って行くのはやめて途中で引き返しました。
庭と言いますが裏山の斜面の岩場であり、自然といった感じ。
鯉魚石、霊石泉などと名付けられた石があり、磨崖仏もあるよう
ですが、岩の配置にどの程度人の手が入ってるものなのか。
この岩の上で昔は坐禅の修行をしたそうです。
山間のお寺ですが、道路側方向を見ると遠くに富士山。

バスがないので帰りはタクシー。携帯が圏外なので先に予約
してなかったら途方に暮れてましたね。予約の時間から
3分遅れで来まして「このまま忘れられて来なかったら携帯も
繋がらないしどうしよう…」とちょっと心配になった。
10分2810円で甲斐大和駅、事前にNAVITIMEで調べた時には
計算結果が約2000円だったので意外に高かった…。
迎車料金が高かったんでしょうかね?
駅前で昼食のつもりが閉まってる。他に開いてる食堂も
ないので塩山駅に移動するかと駅に入ったら(甲州鞍馬石の
里だとかでホームに石灯籠置いてた)、遅延+特急通過待ちで
電車出発18分遅れ…。予定どおりお昼食べてから電車乗ろうと
してたら見学会遅刻してたかもしれません。
塩山駅前歩いてたら見つけた菊よしで馬もつ定食1000円。
ほうとうと迷ったけど馬もつは普段食べる機会がないので。
量は期待してなかったけど意外とたっぷり来て歓喜(笑)。
他にご飯、味噌汁、漬物、白菜と鷹の爪の小鉢、キウイ。

さて、メインの名勝向嶽寺庭園見学会です。
葵紋の扉のある仏殿前集合。物知りな担当課長が解説。
商用じゃなければ庭撮影可、見学時間は約1時間とのこと。
寺名の由来は富士山が見えるからで、振り向いたら確かに
富士山。言われるまで気づかなかった(笑)。この近辺には
富士山の見える場所に敢えて建てた寺が多いらしい。
県内でも甲州市に文化財が多いのは、安芸の武田家が甲斐を
継承した際に甲州市付近を拠点としたからだそうです。
方丈の入口側には名古屋の女性デザイナーによる新しい庭。
名勝庭園は裏手にあり方丈の縁側から見学します。
北側で日陰なので持参のモコモコスリッパを履く(笑)。
江戸前期作庭とのこと、あまり見ないデザインで面白いです。
山梨の国指定名勝庭園は恵林寺とここだけ。
塩ノ山の斜面に作った二段式の元池泉庭、今は枯池ですが
大雨で水が貯まることがあるそうでどうなるか見てみたい…。
右側の滝は斜面が崩れたところに後で作ったものらしい。
後世の御影石は復元時に撤去、一時は回遊式だったらしい。
三尊石近くの木はサルスベリ。山のアカマツは自生。
迫るようにやや傾けた白っぽい石など、石は縦に立てて使う
ものが多い。洞窟石組は甲州庭園の特徴だそうです。
山からの地下水や土砂から方丈の建物を守る役目もあるとか。
30分ほどの説明が終わったら個別に担当課長に質問する人も
いて、私にない引き出しからの質問とその回答が聞いてて
面白いのでそばで聞き耳立ててた(笑)。
例えば境内で創建時から残ってるのは土手くらいだとか。
見学が終わった人から帰っていき、1時間程度と言ってたが
13:50頃気づいたら残ってるの私だけになってた。
ギリギリまで粘る庭マニアいなかったのか(笑)。
担当課長が「来年も開催お願いしないと」と部下に喋ってた。
帰り際職員にありがとうございましたと見送られましたが
無料で見せていただいてお礼を言うべきはこっちです。

14:00前でしたがバス待つと30分以上掛かるし
甲州市のレンタサイクルはスマホ持ってないと借りられない
(登録もしないといけないしスマホ持ってたとしても
一度きりの観光客がふらっと利用するにはハードルが高い)
仕組みで使えないので恵林寺行くのにタクシーを呼びました。
11月下旬はちょうど干し柿(ころ柿)を干す時期で、山梨が
生産全国一だと話してくれました…が後で調べたら長野の方が
多いような。いっぱい干してる家ありましたね。6分1010円。
以前同じ秋に行った時は確か午前でして、眩しい日向と
暗い日陰のコントラストで見づらかった記憶がありましたが、
午後だからか石組の築山も松の伸びる島も見やすいかったです。
11月下旬の15:00前だと夕方近くで日の位置が低いので、
日差しについては季節によっても違うかと思いますが。
やっぱり恵林寺いいですね~。関東で一番いい庭を問われたら
「山梨を関東に入れていいなら恵林寺」と答えますね。
向嶽寺もですが、京都から遠すぎるからか庭園不毛の地が多い
関東他県に比べると山梨は庭園レベルが高いように思います
(いや関東の庭も全部見学し尽くしたわけじゃないので
素晴らしい庭がまだあるかもしれませんが)。
葉が風に落ちる様をずっと見てた。境内近くに警官人形。

恵林寺から歩いて放光寺。参道の門、梵字曼荼羅掲げてて面白い。
山門の仁王は鎌倉期の重要文化財。天に弓引く国内3体のレアな
愛染明王(愛染堂にもう一体あって仏像に繋がる紐を触れます)、
不動明王、大日如来はいずれも平安期の重要文化財で、
江戸時代に色を塗り直した毘沙門天像は鎌倉期のもの。
建物は信長に焼かれたので天正以降の建築だそうです。
裏手に庭があって本堂の廊下の窓越しに見えます。
庭側の長い廊下を歩けるわけではないので庭を覗けるのは
2ヶ所くらいです。最後にお茶とお茶菓子をいただきました。

甲州市から山梨市に入りますが浄居寺も徒歩圏内です。
小さいお寺で、裏手に回ると広くはないですが古い庭があります。
入っていいか迷ったけど見学者向けの看板があったので入った。
枯滝石組の庭で看板によると「東光寺庭園に連なる系統」との
ことで、恵林寺も手掛けた夢窓国師作庭説もあるようです。
洞窟のような石組があり、看板に「全国中でも珍しいと云われる
亀石組と洞窟石組の兼用手法である」との説明。
バスの関係で時間がなかったので長居はしてません。
花かげの湯花かげホール入口のバス停も山梨市駅方面にバス停が
立ってなかったので、反対車線のバス停の向かいで待ちました。
山梨市民バス西沢渓谷線で山梨市駅へ。バスの駅到着が4分遅れ、
すでに来てた高尾行きの電車に駆け込み乗車(汗)。
改札とホームがすぐだったから間に合ったけど階段とかあったら
無理だった。帰りの車窓からは小さい袋を付けた桃の木が見えた。
果物食べなかったですね。キウイは食べたが何処産か分からん。

今回はスケジュール的にも季節的にも無理でしたが、
このエリアですと西沢渓谷にいつか行ってみたいですね。
山梨県内の庭園だと甲府近辺も見てない寺があるからそのうち。


《写真ブログ記事》
山梨県・甲州 万福寺
山梨県・甲州 大善寺
山梨県・甲州 栖雲寺
山梨県・甲州 向嶽寺
山梨県・甲州 放光寺
山梨県・山梨 浄居寺
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