マイクロソフト社が、ヤフー!会社に対して買収提案をしたという報道がありました。金額は4兆7500億円。小さな国ならば国家予算に匹敵する金額ですね。
金額はともかく、この案件はインターネット業界に疾風怒濤を巻き起こすことになると思います。
なぜか。
梅田望夫「ウェブ進化論」(ちくま新書)などすでに解説されていますが、グーグルという典型的な「Web2.0」先進企業が、新興IT業界の最大手ビルゲイツさんのマイクロソフト(MS)にとって真の脅威となってきたため、対抗措置に着手したという意味があります。
日本のネット検索サービスシェアは、Yahoo!がGoogleより大きいのですが、米国ではすでに逆転しています。G社は1998年にカリフォルニア州シリコンバレーで創業、2004年夏に株式公開し、2005年10月に時価総額10兆円を超えました。
G社はその優れた検索能力をもつソフトウェアで当初は成長しましたが、-実際Yahoo!よりも高性能です-、その後次々に、ビジネスアイディア、技術提案とマーケティング手法など、あっと驚く新概念と技術を打ち出し続けています。
MSは、PC用OSで世界のシェアの90%以上を確保しています。それに加えて、MSオフィスとして、MSワード、エクセル、パワーポイント等を売りまくっています。多分この応用ソフト分野のシェアも9割以上でしょう。消費者向けだけでなく、業務用にもサーバー用OSや応用システムで存在感を増しています。結果として
ビルゲイツさんは米国一の資産家になりました。(14年連続)
そこに、Googleは「無謀にも」技術と新アイディアで挑戦を始めました。
例えば、「グーグルアース」で世界中の衛星からの高精細地上写真を無料公開する。全世界の図書を本文も含めて電子化して検索可能とする(進行中、スタンフォード大学図書館などが協力)。検索と広告の連動、etc。
ついには、ワープロソフト(ワード相当)、表計算ソフト(エクセル相当)、プレゼンソフト(PPT相当)の無料提供。および、それだけでなく、これらのソフトで作成したファイルを、無料でGoogle社のサーバーに保存してあげる。そのファイルを友人や家族で共有し、相互に追加修正も可能。その無料のメモリ容量も数ギガバイトと巨大です。
MSから買収提案を受けたYahoo!社(米国)は、まだ態度を表明していませんが、拒否する可能性が高い。
それを支援するため、Googleは資金援助や提携などを表明しました(この文は2月4日夜に記述)。
さて、どんな結末になるか。「ほりえもん」のフジテレビ買収提案や楽天のTBS買収提案よりもインパクトありますね。