朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

夫子廟、江南貢院

2017-12-19 | 外国の風物

南京市中心の南にあり明清時代の風格ある建物が並ぶ繁華街に、孔子を祀る廟がありました。地下鉄で最寄り駅まで行き、地上に出ると駅の中には案内板があったのですがしばらく道を行くとT字路となり右に行くか左かわかりません。やむなく、そのあたりに立っていた人に、ガイド本コピー(日本語)を見せて「夫子廟」を指差したところ、ふむふむという感じで、方角を示してくれました。簡体字になっていてもやはり漢字は通じるので便利です。

これがこの地区の観光案内所の建物のようです。

米国でおなじみの蝋人形館。

子供におしゃれさせて写真をとる若いお母さん。

それらしい中華門。この道路の両側には商店が並びます。

このあたりの道路面を見ても、ゴミは全く落ちていませんし、路上につばを吐く人はみかけません。

 

この銅像は昔の官吏かな。

仲間とおしゃべりしながら作業するデモ用の職人たち。

銀細工の店でした。

他に中国の人が大好きな金製品を売る店もあります。

お土産雑貨屋。

食べ物屋も各種並んでいました。

目的はこの孔子を祀る夫子廟大成殿の見学です。入場料は60元(約1100円)でした。中身の割には結構高い。

 

入るとすぐ右手にこの「仁」のレリーフがありました。

反対側には「礼」のレリーフ。

その前にはロボットの案内係がいます。

さて「仁」とはなんぞや、というわけでこの道徳の概念の説明看板が立っています。日本語の説明もちゃんと書いてあります。仁を慈悲と訳してあります。さらには、QRコードが張りつけてあるので、スマホでスキャンすればもっと詳しい説明やオーディオガイドを聞くことができるのかもしれません。

正面が大成殿、その参道の両側には偉人の石像が並びます。

これは孔子のお弟子さんの一人。

 一段と高い場所に立つ大きな孔子像です。中国で一番大きい孔子像だとか。

 水に浮くろうそくが売られています。

赤いリボンの願を掛ける衝立。日本の絵馬もの真似かな? 

お堂の中には正面に孔子の全身画の掛け軸が飾ってあり、撮影は自由。

部屋の壁には孔子の一生の活動を絵にしてレリーフが十数枚に分けて並んでいます。

説明は中国語のみ。

声明の音程をあわせる楽器。

どうようなモノが京都大原の実光院にもありました。

裏口から出ると中庭がありました。両側に立つ木には赤いリボンがつけられていて、

 学業の成功を祈念しているようです。

 石碑が幾つか立っていて、その由緒が隣の看板に説明されています。何百年か前の碑文が書かれています。表面の文字を保護するためガラスで囲われています。

 

さらに奥の建物は博物館になっていて、古い時代の文物が展示されていました。特に、科挙で官吏の登用を決めたのでともかくこの国家試験に合格することがまず必要です。科挙試験の内容は、試験用個室にこもって何日にも渡る試験で、主に古典書物から出題されるのですが、資料持ち込み禁止なので丸暗記して受験せねばなりません。

これはカンニング用の腹巻きや靴下です。細かい文字でびっしりと参考資料の文章が書き込まれています。ほんと気の毒。

ですが、一旦合格すれば、一族一家の花形となって出世が間違いないのです。昔はこのような文官としての出世と、もう一つは宦官(かんがん)となって内裏に仕えてえらくなるかでした。あ、武官もあったですね。

~~

見学を終え多数の土産物店、飲食店の街路を抜けて、正面道路に戻ると、

立派な門構えがありました。その横には、

どんと、この銅像があります。

科挙の試験を受けている受験生の姿です。この左手には、

江南貢院という科挙試験場となった建物があり20,644室もの試験個室があったとか。

清の時代になても、旧来の古い文献に書かれた思想とその丸暗記で官吏登用試験をして、一旦合格すれば概ね順調に年功序列で昇進していく役所システム。高官となれば、兄弟親戚を優遇できる縁故と、賄賂による買収ありで、中世中国の政治経済はどんどん腐敗しその後欧米列強国に、そして日本にも、蹂躙されてしまいました。

~~

歩き疲れたので、庶民的食堂にて指差し注文をして、こんな肉まんを頂きました。

 中にスープが入っていて、美味しかったです。

** おまけ **

鉄腕アトムをメインに押し出した子供向け衣料品店、虫プロのライセンスを得ているのだろうか?

 

コメント
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