朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

余部鉄橋

2014-08-09 | 国内各地の風物
2014年3月下旬に兵庫県の日本海岸にいったので、記録として掲載しておきます。

国鉄時代に山陰線のこの鉄橋は、日本海に面したV字谷の上空を通過する構造であったため、冬の強い北風に悩まされました。

古い鉄橋の写真が、現在の橋の下にある道の駅の展示室に掲示してありました。



鉄橋の両側に急峻な尾根を突っ切るトンネルがあるので、こんな情景になっています。

現在は鉄筋コンクリートの新橋が開通していますが、元の鉄橋の一部を保存してありました。



この橋には余部駅が作られています。山陰線が開通しても約50年間はここには駅がなく隣の駅へのアクセスは線路と4つのトンネルを通る危険な方法しかありませんでした。地元小学校生徒たちも兵庫県知事に強く陳情して新駅を1959年に開設することができました。



「餘部駅」単線の無人駅です。



保存されている旧鉄橋と線路は「空の駅」なる名称で、歩いて見学することができます(無料)。



1986年12月には、強風により回送列車が鉄橋から転落したため付近の水産加工場の人と車掌の6名の死者を出す事故が発生しました。機関車は重かったので転落を免れて運転手は助かったそうです。

それ以来、風速計が取り付けられて常に風速を計測して、基準を設けて安全運転に努めています。

新しい橋には北風による横ブレを防ぐ風防壁が取り付けられて、少しでも運休を少なくする設計もされているとの説明文がありました。

展示室にはこんな記念プレートがありました。



旧鉄橋の完成は1912年(明治45年)でしたが、当時の日本には高性能をもつ鉄材はなく全てアメリカの会社から1910年に輸入して建設されたことがわかります。

それから100年後、日本も自国の工業力で作りなおすことができるようになりました。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする