朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

常照皇寺の桜

2011-04-25 | 京都の文化(春)
京都市内から離れて、北々西、丹波の山村にあるお寺の桜見物に出かけました。(4月24日)

常照皇寺(じょうしょうこうじ)は、南北朝北朝の初代天皇、光厳(こうごん)上皇が改創したお寺です。(1362年)

お寺の門前の見晴らしのよい岡に、突然、この紅しだれ桜が現われました。



風が吹くたびに、桜色の花びらが吹雪のように舞い散っていきました。

苔むした石の階段を登っていくと、茅葺屋根の方丈が見えてきて、鮮やかな石楠花が出迎えてくれました。



御車返し(みくるまがえし)の桜。その昔、後水尾天皇が都にあった桜の前を通りかかったとき、その美しさに引かれ、乗っていた御所車を戻したという伝説を持つ桜。その子孫。一重と八重の花が、一枝に混じって咲いています。



このお寺は室内や仏像の撮影が許可されています。自分の記憶を確認するにもいいことだとおもいます。節度ある撮影に心がけましょう。

これは、大変にモダンな板戸の絵画。



開山堂、怡雲庵(いうんあん)に繋がる廊下。

皇室の菊のご紋が掲げられていました。






豊かな湧水が流れ込む池の庭園があり、鮮やかな赤い若葉が芽吹いたかえでが印象的でした。

お堂の中には、光厳さん(天皇、開祖)の像があります。

その前室には、十六羅漢像が明るく照らされています。その下、右の「招き観音」はとても穏やかな仏像でした。大和座りというそうです。

大正天皇、昭和天皇の位牌もありました。もっと先代の位牌も当然あります。



天然記念物、九重桜は、ほとんど葉桜状態になっていました。これはまだ若い二世の九重桜の枝です。



その奥の巨大な幹ですが、折れて半分は地面に倒れた桜。でもしっかり花をつけていました。

後で知ったのですが、この老木は光厳さんお手植えの九重桜と伝えられる桜だそうです。そうだとすると、650年もの年月を経ていることになります。誠に、神々しい。

別の説もありました。この老木は2代目で樹齢3~400年、よって「若い」木の方はは3代目。

因みにこの桜の名前「九重」とは光厳上皇のお后の名前だそうです。
..これにも異論があり、中世中国の城郭が幾重にも囲われていたことから、宮中を表す表現だとか。



御所から分けて植えた、左近の桜の散った花びらが広い苔の上に広がっていました。



京都の中心地からは遠く、交通も不便ですが、とても素敵なお寺と桜を拝見して、心安らぐ休日となりました。

PS:ここまで書いてきて、南北朝の北朝初代天皇さんというところが気になりました。後醍醐天皇が笠置山に逃げる話から始まり、吉野の南朝、天皇系統分裂は少々記憶にあったのです。そのあたりの歴史は実に複雑で興味深いです。

PS2:ここ右京区京北周山町(京都市です!)に、人気のステーキ屋があることを今知りました。「登喜和」。

コメント
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