朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

狂言とヴァイオリンの共演、知恩院御影堂

2009-10-17 | 伝統芸能
夜の知恩院、その境内に堂々と建つ御影堂。国宝でもあります。
 ここで、茂山家(千五郎、正邦、茂)の狂言と、川井郁子のヴァイオリン演奏が鑑賞できるまたとない機会でした。(2009年10月16日)



東山通の知恩院前バス停から緩やかな坂道を登っていくと、三門があります。
 その前で受付をして整理券をもらい並びました。なんせ、お堂の中が会場ですから、自由席です。そこで開場の30分前に来たのですがもう100人くらいは並んでいました。




一応、足元を照らすライトは臨時に取り付けてありますが、それでも暗い石畳の参道を登っていくと、御影堂前の広場に着きます。そこでもう一度、整理券の記号ごとに行列します。
 靴を脱いで木の階段を上りお堂に入るため、お客さんの入場に事故がないよう、丁寧に制限していました。
 お堂の中では、畳に座ります。腹がつかえる、膝を折ると足の置き場に困るなど、和室の生活からは長年離れているので、やはりつらいです。例外的に、身障の方のため横の壁際に少々の椅子は用意されていました。

お堂の中は、撮影できないので画像はありません。
 パンフレットからの抜粋です。(川井さんは、実際はもっとビックリするくらい美形でした。正邦さんももっとりりしい)



演目:
1.ヴァイオリン演奏、伴奏(尺八:渡辺峨山)
 自作オリジナル曲などを含め3曲の演奏。
 尺八が、川井さんのヴァイオリン演奏に大変よくマッチしていて驚きました。
 リズム楽器だけでなく、他の伴奏は、録音による再生演奏、そのためスピーカーなど電子機器が多数並んでいました。照明も演出効果を出すためコントロールされます。
 ヴァイオリンと尺八だけの演奏でなかったのは残念。彼女のこれまでの演奏スタイルから、電子楽器伴奏にしたと想像します。ですが、この会場で、この環境ですから、少しは冒険してシンプルな楽器構成での演奏を聞いてみたかった。

2.古典狂言
 「察化(さっか)」(都の伯父に連歌の宗匠をお願いするため、太郎冠者は都に出かけるが、別人を連れて帰る。それが「みひごの察化」というすっぱ。そこから始まる、主人、太郎冠者、すっぱの混乱と滑稽な会話)

3.コラボレーション
 茂山正邦と川井郁子
 狂言演目「御田(おんだ)」
 
 正邦さんが、舞を演技しました。神社の田に稲の苗を植える、そこに巫女が出てきて遊ぶ。
 地謡には、茂山千五郎(正邦の父)を含め4人の狂言師が後ろに座って謡います。これは、その音声、メロディーが重々しく響き、感動しました。
 ヴァイオリンは楽器の音色がとても強いため、狂言師の「舞」とはバランスしなかったと感じました。
 川井さんの衣装、最初は白いストレートなドレスに薄紅色の、生地も薄い振袖の襦袢(のような上着)が印象的でした。

 背景は、巨大な仏壇です。鈍い金色の仏具が天井から下がり、仏壇の周囲にも古典的な装飾が暗く配置されていました。 



コメント
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