HAVE A NICE DAY!

徒然なるままに特に音楽の話を中心にあーだこーだと書き連ねます。

INNER KINGDOM TOUR Final at 京都SOLE CAFE by FoZZtone

2012年10月18日 | FoZZtone
2012年10月16日(晴れ)

この日京都のSOLE CAFEでFoZZtoneのINNER KINGDOM TOURのファイナルがありました。
ツアーのファイナルがカフェでしかもアコースティックセットというのはとても
不思議な感じがしましたが、行ってみて「あ~こういうことを彼らはしようとしているのか。」
と予想以上の感動を覚えました。

このツアーは赤坂ブリッツから始まり札幌、仙台、新潟、金沢、大阪、名古屋、福岡そして広島までが
ライブハウスでのツアーでした。
ワンマンライブのところもあれば対バンのあるところもありました。
私はその中のたった1つ、大阪しか行っていません。が、前にも書きましたが
そのライブがとても奇跡的なライブだったので本当に幸せな気持ちになりました。

そして、そのファイナルを私の出身地の京都でやってくれるとわかった時は
どれだけうれしかったことか。仕事場も京都なので、平日でもなんとか
行けるという可能性が大きくなったわけです。

とにかく、何事もトラブルがなく仕事が済みますようにと祈りながら
この日を迎え、無事夜の部に間に合うことができました。

この日は昼の部と夜の部の2部構成になっていました。
両方とも参加された方もいらして、それはとてもうらやましいなと
思いましたが、夜の部だけでも参加できたのはよかったし、
しかも本当の本当のファイナルでした。

セットリストは

ベーコンエッグとシェービングヒーロー
blow by blow
Keller Water
FIND OUT
Fish,Chips,Cigarettes
Crocodile bird reaction
People get ready(竹尾氏、菅野氏、武並氏)
チワワ
JAM(THE YELLOW MONEY カバー曲by渡會氏)
Black Sheep Dog
Club Rubber Soul
LOVE

En)1.Drifter(キリンジ カバー曲by 渡會氏)
En)2.puddle
En)3.MOTHER ROCK


私はとにかく「ベーコンエッグとシェービングヒーロー」を
生で聴きたかったのです。ずっとずっとこの日に恋いこがれていた気がします。
大阪のライブでは聴けなかったから、ほんといつ聴けるのかなと
思っていたら、やっと聴けました。

しかもどうやら昼の部ではやっていなかったようで
夜の部で歌ってくれたことが本当にうれしいです。

最初渡會さんひとりが登場して座って弾き始めます。
そして途中から武並さんが登場してミニドラムセットの前に
座って、そしてリズムを刻み始めます。
次に、菅野さんが登場してウッドベースをまた途中から
弾き始めて、どんどんと音が深くなっていきます。
最後に登場したのが竹尾さん。彼が座ってギターを
弾き始めて、見事にベーコンエッグは味わい深いものに
なりました。

この雰囲気を伝えるのは難しいのですが
タイミングとか音の重なり具合とかが
素晴らしくて、しかもセンスがよくて
なまミュージックビデオを見ている感がありました。

あとで渡會さんがまるで外タレのライブみたいだろ?
って言ってましたが、そうですね。

この演奏中、渡會さんが作った弾き語り本を彼自身が開いてそれを
見ながら弾いていたのですが、私がわかりにくかった
ところも彼の指先を見ながらひとつひとつ確認できました。
(ってまだ私はまったく上手く弾けませんが)

この最初の一曲目から
「この時が永遠になってほしい。」って思ってしまいました。

blow by blowに行くまでかその前後(記憶はすぐにあやふやになります)

「俺たちいつでもシュッとしているから。」と竹尾さんが
言ったりしていたのですが、彼の言う「シュッと」が結構はまります。

髪の毛をショートにした竹尾さんはほんとうにシュッとしてました。
そんな彼が言う時は笑いのまじった「シュッと」ですけれどね。

最初渡會さんがツアーは札幌から始まってっていったら
菅野さんだったか「赤坂ブリッツから」って訂正すると
竹尾さんが「赤坂ブリッツはSOLE CAFEのリハーサルだったから」と
無茶苦茶なことを笑顔で言いましたが、内心京都出身の私には
なんだか京都がいいポジションに来れているように感じて
うれしかったり。(東京の方にはあれですが、いつも
東京が優先されているのでたまにはこういうのもいいでしょ?)

でかい会場から小さなカフェへといく感じ
まさにINNER KINGDOMですね。

赤坂ブリッツに行った人に竹尾さんがじかに「どうやった?」って
聞いて、その人が感想を言う感じ。こういうのって他では
ないだろうなって。

ツアーのラストに直にファンに感想を聞くっていうマクロ感。

竹尾さんが「これは公開打ち上げだ!」って言ったのが
なんかぴったりだなって思いました。それぞれが瓶ビールとかを
片手に乾杯して同じ場所で話したり、歌ったりするわけですから。

曲の合間にライブした土地の感想を言ったりしていて
札幌に行くためにフェリーに19時間だったか乗っていて
そこでどう時間を過ごしたかっていうので
なんとか(すいません忘れました)の麦焼酎をメンバーで
飲んでいて、それを麦茶で割るととってもムギムギしていて
5時間ぐらいをメンバーで「これムギムギしてるね。」って
いうだけで時間つぶせたと話したのは渡會さん。

その表情がなんか焼き付いています。

あと、福岡ではセッションに行った話で
もう老人の域の方達がお酒を飲みながら
ふわっとステージに来て、ドラムを打ち鳴らしたり
して、そういう中でいっしょにセッションしてきたらしいです。

話はいろいろ飛んだりしてすべてを覚えているわけではありませんが
京都の町名の話で「天使突抜町4丁目」の話が出ました。
きっと竹尾さんはロマンチストなんでしょうね。
「きっと天使が何かに追われて突き抜けたんだね。」みたいな事を言ってました。
なんで4丁目しかないんだろう?って言われていましたが、実際は1丁目から
4丁目まではあります。この町名に惹かれる人は結構いて
映画で「天使突抜6丁目」っていうコアな映画もありましたね。
見たことはないけれど、実際は4丁目までしかないので架空の町ってことらしいです。

この町名の由来は調べればすぐにわかりますが、私は竹尾さんが
話をしたロマンチックなストーリーが好きです。

ついでながら京都にはおもしろい地名がいろいろあって
東山には轆轤町(ろくろ町)という町があります。
まるでロックンロール町だなと思っていたのですが、
もともとはその町名は髑髏(どくろ町)だったんですって。
髑髏が並ぶそういう不気味な場所。
でも、やっぱりロックだと思いませんか?
スカル(骸骨の頭)はロックバンドのTシャツやら
なんやらに欠かせないですものね。

ちなみにこの轆轤町は今大河ドラマでやっている
平清盛ゆかりの六波羅探題の周辺です。

さて、話が脱線しましたが
SOLE CAFEではフォズはよく脱線というか
ゆる~い感じにライブを展開してくれるのですが
今回は今までの緩さとはちょっと違いました。
トークとかはおもしろいし、ビールも飲みながら
されているのですが、メリハリがすごく聞いていて
演奏時とトークの切り替えがきりっとできている
感じでした。演奏にはライブ会場と同じぐらいの
レベルを彼ら自身が互いに要求している感じが
今回はしました。

いままでは「ごめん」っていうのが結構あったのですが
今回は間でやや咳が出ていた渡會さんののどの調子で
歌詞が抜けたところもありましたが、それもごくわずかで
ほとんど完璧に歌ってくれました。

Fish~の時だったか福岡で竹尾さんがセッションやった時の感じで
やるって言って、その合間の竹尾さんの演奏が素晴らしかったです。
アコギであのなめらかな指の動きがほんとうに惚れ惚れしました。
音もきれいなんですよね。シュッとしていて(笑)

クロコダイルの時はミニドラムではあったけれども
やっぱり武並さんのドラミングはすごいなと思いました。
あの乾いた砂漠のような音を打ち出せるっていうか。
そこに絡む竹尾さんと渡會さんのアコギの音がまた素敵すぎて。

この曲のあとに用足しに渡會さんが席を立たれて
(ふつうのライブではこういうのはあまりないけれど、
でも確か小南泰葉ちゃんも前のインストアで同じ状況に。
で、そういうのに遭遇する割合が高い私?)
その他のメンバーがセッションを始めました。

それがジェフ・ベックの「People get ready」
最初竹尾さんが歌うのかと思ったら(そういうそぶり見せたので)
違うよって感じで演奏だけでしたが、素晴らしかったです。
ジェフ・ベックの遺伝子が彼に受け継がれてました。
ちなみにこの曲のボーカルで私が聴いたことがあるのは
ロッド・スチュワート。

その素敵な3人の演奏が終わると同時に戻って来た渡會さん。
きっと用足しというより咳を押さえにいかれたのかと
私は感じました。

そのあとの「チワワ」とても懐かしい曲であり
とても甘酸っぱい出会いの頃を思い出す感じでした。

渡會さんと竹尾さんが以前、昔の曲をやってくれと言われると
たとえば今目の前の人に3年前の君はかわいかったな~って
言われるような感じがして、やることに抵抗があったけれど
最近改めて最初の頃の曲を聞いたら、結構すごいことやっていて
なんだ間違ってなかったんだって改めて確認できたというような
話をされた。

レディオヘッドになぜクリープやってくれないのっていうのと
同じなんだけど、やっぱり聞きたいよね。っていう話も。

そんなことを言ってた渡會さんは今度は竹尾さんと武並さんが
用を足しに行ったときに弾き語りをしてくれたのが
イエローモンキーの代表作のひとつ「JAM」

これには本当に鳥肌がたちました。

まさか渡會将士版JAMを聞けるなんて夢にも思ってなくて。
今年のサマソニで吉井さんが解散後初めてJAMを歌ってくれたのに
続いて生JAMが2度も聞けるなんて。

しかもそれぞれが3m内ぐらいの近さで。
こんなに涙が出そうなくらいのサプライズはない気がしました。

渡會さんのはギターで弾きながらのとても彼らしいJAMで
ほんとうに心に溶けて行くようでした。その横で
菅野さんも聞き惚れるかのように見入っていたのを見て
会場の何人かが笑っていたのがちょっと惜しかったです。

この曲はやっぱり静かに聞きたかったです。
どうして笑って渡會さんの歌を真剣に心を研ぎすまして
聴こうとしないのかがちょっと理解できませんでした。

こんな時は菅野さんの様子なんて関係ないと思うのですが。

きっと笑った方達はJAMやイエモンを知らない方たちなのでしょう。
それが残念でした。授業中に大事な話をおしゃべりして聞き逃す
学生のようでした。

まあ、その笑いがあっても歌自体は素晴らしかったのですけどね。

この日はなぜか「B-17」みたいな感じで渡會さんが言って
みんながそれをやるという感じで、その場その場で空気を
読みながらセレクトしていく感じでした。タイトルでなく
そのようなアルファベットでなぜ分類したのかなって?

このBとかCとかAとかはそのコード進行とかメインコードとか
で分類しているのかなとも思いました。
「弾ける?」とか聞き合いながらのセレクトがそう思わせる感じでした。

本編ラストの「LOVE」の時に第九の話をしつつ
みんなで合唱したいと言われた渡會さん。
私がそのときに思い浮かべたイメージが合唱コン。
だから会場を半分にしてアルト・ソプラノみたいにだいたい
分けるのかなと思ったら(って実際できるわけないのに)
客側が主旋律を歌って渡會さんと竹尾さんがハモるというのに
なってみんなで本当に大合唱をしました。楽しかったです。

合唱ロックバンドって言われたっていいって渡會さんが言ってました。

まあ、元祖合唱バンドはクイーンですけどね。


アンコールではキリンジの「Drifter」を渡會さんが
まずひとりで弾き語りをしてくれました。
私はキリンジは知っていますが、入り込むほどではなかったので
この曲は正直渡會バージョンの方が好きです。
キリンジのこの曲自体は素敵な詞とメロディなのですが
彼らが歌うとどこかおしゃれな感じになるというか
シュッとしすぎるのですが、渡會さんが歌うと
ロックな香りが一瞬にして漂い、深く哀愁を感じるのです。
キリンジファンに怒られそうですが、正直な感想です。

これをツアー中にカーステでマネージャーのK子さんがかけていたから
すごく好きになって元気をもらえたということから
ツアーの大事な一曲になったようで
締めくくりに歌われたそうです。

キリンジさんのももちろん素敵なのは確かです。

そのあとの「puddle」も本当に懐かしい曲で
でもやっぱりどの曲も素晴らしいバンドだなと
改めて思いました。

今回一曲一曲がCDどおりではなく演奏によって
広がっていくのですが、いつも竹尾さんは渡會さんの
歌の呼吸とかギターの方を見て、それに丁寧に
合わせつつアレンジを重ねて行く感じでその様子が
とても素敵でした。菅野さんや武並さんもそうでした。
4人が呼吸をそれぞれ合わせて、相手に溶け込むように
演奏し、歌う姿が心に焼き付いて離れません。


ラストのラストにもってきたのが
「MOTHER ROCK」。

やはりこの曲は大事な曲なのでしょうね。
聞かない時はないですから。
そして、最後の盛り上がり方はほんと凄かったです。
どこから声が出ているの?っていうぐらいの
いつもと全く違う渡會さんの声。
まるでアメリカのハードロックバンドです。
「スクールオブロック」という映画を見た事がある人は
あの映画でジャックが歌うシーンを思い出してくれたらいいです。
声だけですよ。かっこよさは渡會さんの方が数倍上ですから。

そして、ついには立ち上がって一番前のひとりに
まるであなただけのために弾いてます的な感じで目をみつめて
弾き始める竹尾さん。そのファンの方はほんとドキドキだったと思います。

カフェなのにそこがマジソンスクエアみたいに感じたロックな瞬間でした。
ギターのネックにビール瓶をスライドして弾いてみたりと
竹尾さんのギターヒーローぶりは健在でした。

渡會さんもこのツアーでいろいろな事がありましたが
それも夢に向かうための大事な何かなのだとこの日思いました。

帰りに乗ったとても親切なタクシーの運転手さんの言葉が
今思い出されるのですが「私のような年寄りには時間が
1分でも大事だから時間を少しでも短縮するように
ついついバスよりタクシーに乗ってしまのですよ。
タクシーの方が高いんだけれど時間には変えられなくて。」

タクシーの運転手さんなのにおもしろいことを言う方だなって。
そしたら、その方ワンメーターで目的地まで行ってくださったのです。
途中メーターが上がりそうなところでメーターをあげてストップしながら
走ってくれたのです。

素敵なライブのあとに素敵なタクシーに乗れて
これも「アルケミスト」でいういい方向への前兆なのかなとも
思いました。

この日のSOLE CAFEのフォズのライブは今まで足を運んだ
ここでの彼らのライブの中では一番輝いて、そして
とても真剣な歌と演奏を聞かせてくれました。
もちろん今までも素敵な歌と演奏を聞かせてくれたのですが
何かを超えたものを今回は聞かせてみせてくれたのです。

終演後、メンバーも出て来てみんなで和気あいあいの時間を
過ごせてほんとうに楽しかったです。

またこれからも何度も彼らとここで会いたいなと思うと同時に
素晴らしい音楽をこれからも贅沢にもこのこじんまりとした
スペースで聞かせてほしいと願います。







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