HAVE A NICE DAY!

徒然なるままに特に音楽の話を中心にあーだこーだと書き連ねます。

灯台へ(ふたたび)

2006年02月20日 | 音楽・映画・本
イギリスの女流作家にヴァージニア・ウルフという人がいた。彼女の有名な作品に「灯台へ(TO THE LIGHTHOUSE)」というのがある。なぜか今日雨に霞む街並に浮かぶ明かりを見ていて思い出した。話自体は結構重い感じだった記憶がある。でも、このタイトルが好きだった。

真っ暗な闇を静かに照らす光・・・行き先が見えなくなりそうになった時にほんの少しの間自分のいる場所を照らしてくれる。また暗闇に戻ってしまうけど、しばらくするとまた照らしてくれる。不安になりかけた時、ほんのちょっとだけど救いをくれる光。押し付けがましく無く、ただ正確に点灯する・・・そんな灯台が私は好きだ。そして、私にもそんな灯台のような人がいてくれたらな~ってときどき思う。

大人になっても子どもの頃のようにいろいろ迷子になる。どこをどう曲がって、どう歩いて昇っていっていいのかわからなくなって、ぐるぐる天を仰ぎながら立ちすくんでしまうことがある。

そんな時、灯台のような人がいてくれたら・・・

映画『めぐりあう時間たち』を見た人はいるのかな?私はまだ残念ながら見て無いけど、この話はそのヴァージニア・ウルフの作品『ダロウエイ夫人』をベースにしているらしい。そしてあのニコール・キッドマンがまるで別人のようになってこのウルフになりきっている。写真を見て、あるいは映画の宣伝を見てほんとにびっくりした。ぜんぜんニコールじゃないんだもの。

そんな映画にもなった彼女は川や光などを使って人生を表現した。

私は思うのだけど、毎日それぞれの人にそれぞれの川が流れていて、絶対に後戻りはできず、ただ流されていくだけだと。たまに何かにつかまって、そこに留まろうとするのだけど、無駄なことで、すぐにその流れの強さに負けてしまう。忘れたくない人もどんどん後ろの方に見えなくなって、やがて消えて行く。

もし、また出会うのなら、それは大海に出た時。川はいつか大きな海に流れて行く。

そうしたら、私は灯台の光に助けられて、きっとあなたを探すでしょう。忘れた記憶や思い出も灯台の光の下で見つけだすから・・・それまではただ流れるまま、前に進んで行くでしょう。

コメント
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